小ネタ(終)13
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春。それは、新生活の季節────。
「君は学校という場に弱すぎる」
今日はなんと珍しく、オベロンの方から***をシミュレーターに誘った。着いたと思うと場を学校の教室にセットし、そう告げる。
「しょーがないじゃん、嫌いなんだから」
「そうは言っても、世界を救うマスターなんだから明確な弱点は潰しておくべきだろ」
「イドみたいに特異点の基本が学校ってことはもうないって、流石に。だから対策とかやんなくて大丈夫だって」
「AIと聖杯戦争もどきをやることが二度もあったんだ、学校が舞台程度ならもっと遭遇する確率は高いだろ。だからやっておいて損はない」
「えーーっ……」
机についていた***が、ぐんにゃりと姿勢を崩して天板に頭を乗せる。これだけ嫌がっても逃亡することはないのは、オベロンがこういうことに誘う際は、建前を口実に遊ぶことを目的としていると知っているからだ。
「じゃあこれ、着替えてきて」
オベロンから***へ衣装一式が手渡される。──いかにもなセーラー服だ。いつもコスプレの類にはノリが良い***も、今回ばかりは不満げに見える。
「その間に俺も準備してくるから」
***が着替えてくると、オベロンはまだ戻っていなかった。何の戦闘用機能も備えていない服、それも完全にオベロンの都合で用意されたものに、どうも落ち着かない。
「またせたね」
久方ぶりに履いた上履きの感触を確かめていると、教室の前のドアから、再びオベロンが現れた。
上質な黒の生地に金の釦、いわゆる学ランを纏って。
「…………」
「何か不満?」
「……王様な上に既婚者の立場のひとが学生服着てるのってさ、本来『キツい』んだよね。カルデアいると麻痺してくるけどさ」
「っ…………」
オベロンは小さく動揺を漏らす。
(前に学生設定の話に食いついてきたのに……?)
***もそのことを察して、自分の意見に付け加える。
「あっ前に話した転校生のオベロンの話は、あのオベロンは王様じゃないし既婚者の設定でもないからアリだったんだよ」
「……ああ、わかったよ」
「でもオベロンも学生なの〜〜? 導いてくれる立場の方がよかった〜〜〜、コーチ〜〜〜〜、パパ〜〜〜〜」
「そう言うと思ったよ。俺が先生やったら難易度下がりすぎるだろ」
身も蓋もない言い方をしてしまえば、『プレイとして成立してしまう』から駄目なのだ。今回は一応***の精神修行のため。その側面は残しておかなければならない。実際オベロンは***を案じてもいるのだ。
「じゃあ先生にも入ってきてもらおうか」
ということなら必然、教師役は第三者に担当してもらわなければならない。ドアから入ってきたのは──
「クク、僕を教師に選ぶとはわかっているじゃないか。では今日の授業を始めるとしよう。内容はおまえたちでも作れるようさらに手順を簡易化した、『死者を蘇らせる薬の作り方』だ……!」
「それ教わっちゃダメなやつじゃない!?」
「君は学校という場に弱すぎる」
今日はなんと珍しく、オベロンの方から***をシミュレーターに誘った。着いたと思うと場を学校の教室にセットし、そう告げる。
「しょーがないじゃん、嫌いなんだから」
「そうは言っても、世界を救うマスターなんだから明確な弱点は潰しておくべきだろ」
「イドみたいに特異点の基本が学校ってことはもうないって、流石に。だから対策とかやんなくて大丈夫だって」
「AIと聖杯戦争もどきをやることが二度もあったんだ、学校が舞台程度ならもっと遭遇する確率は高いだろ。だからやっておいて損はない」
「えーーっ……」
机についていた***が、ぐんにゃりと姿勢を崩して天板に頭を乗せる。これだけ嫌がっても逃亡することはないのは、オベロンがこういうことに誘う際は、建前を口実に遊ぶことを目的としていると知っているからだ。
「じゃあこれ、着替えてきて」
オベロンから***へ衣装一式が手渡される。──いかにもなセーラー服だ。いつもコスプレの類にはノリが良い***も、今回ばかりは不満げに見える。
「その間に俺も準備してくるから」
***が着替えてくると、オベロンはまだ戻っていなかった。何の戦闘用機能も備えていない服、それも完全にオベロンの都合で用意されたものに、どうも落ち着かない。
「またせたね」
久方ぶりに履いた上履きの感触を確かめていると、教室の前のドアから、再びオベロンが現れた。
上質な黒の生地に金の釦、いわゆる学ランを纏って。
「…………」
「何か不満?」
「……王様な上に既婚者の立場のひとが学生服着てるのってさ、本来『キツい』んだよね。カルデアいると麻痺してくるけどさ」
「っ…………」
オベロンは小さく動揺を漏らす。
(前に学生設定の話に食いついてきたのに……?)
***もそのことを察して、自分の意見に付け加える。
「あっ前に話した転校生のオベロンの話は、あのオベロンは王様じゃないし既婚者の設定でもないからアリだったんだよ」
「……ああ、わかったよ」
「でもオベロンも学生なの〜〜? 導いてくれる立場の方がよかった〜〜〜、コーチ〜〜〜〜、パパ〜〜〜〜」
「そう言うと思ったよ。俺が先生やったら難易度下がりすぎるだろ」
身も蓋もない言い方をしてしまえば、『プレイとして成立してしまう』から駄目なのだ。今回は一応***の精神修行のため。その側面は残しておかなければならない。実際オベロンは***を案じてもいるのだ。
「じゃあ先生にも入ってきてもらおうか」
ということなら必然、教師役は第三者に担当してもらわなければならない。ドアから入ってきたのは──
「クク、僕を教師に選ぶとはわかっているじゃないか。では今日の授業を始めるとしよう。内容はおまえたちでも作れるようさらに手順を簡易化した、『死者を蘇らせる薬の作り方』だ……!」
「それ教わっちゃダメなやつじゃない!?」