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あなたは上着を脱いでグレーのシャツ姿になり、ソワソワしながら公園沿いを歩き始めた。
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公園の入り口前を通る。
茶髪の少年と白髪の少女を視界の隅に捉えながら、素知らぬ顔をして通り過ぎた。 -
瑞希……ねぇ、見た?
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渡里
う、うん

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瑞希なんかさ、すっごく
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瑞希……寒そうじゃなかった⁉︎
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渡里
……うん、わたしも思ったかも

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渡里
半袖だと寒いよね?

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瑞希ものすごく暑がりさんだったのかな?
上着持ってたのに着てなかったよ -
瑞希すごい!
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瑞希よ〜し、僕も負けてられないよね!
北風小僧にならなきゃ! -
渡里
……え?

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渡里
北風小僧に、なるの……?

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瑞希僕は風!
冬を連れてくる風だ〜!
秋がなんだい!
まだまだ半袖短パンでいられるんだからね! -
渡里
ねぇ、瑞希くん……

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瑞希なぁに? 渡里ちゃんも一緒に公園走ろうよ!
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瑞希子供は風の子って言うもんね
動いて遊ぶのが一番だよ! -
渡里
えっと……

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渡里
わたしはベンチで待ってるね……?

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瑞希そう? じゃあ行ってくるね!
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渡里
すごい、速い……
行っちゃった……
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渡里
……瑞希くん

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渡里
勝負、忘れちゃったのかな

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渡里
さっきの人、グレーのシャツに黒いズボンだったから、「黒い服」を選んだわたしの勝ち……なのに

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渡里
……

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渡里
こんなちっちゃいこと、気にしてるほうがダメだよね

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渡里
そもそもわたしがゲーム持ってきてたら、瑞希くんが暇で困ることもなかったんだもん

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渡里
もしかして、怒らせちゃったのかな……

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渡里
わたしってほんとに……ダメだなぁ

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しばらくすると、公園の入り口に彼らの友達なのであろう子どもたちが集まってきた。
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後半はなんだか静かだったが、もしかして服装が良くなかったのだろうか。
しょんぼり歩く少女の背中が目に入る。
もし今度同じ機会があったら、正解の服装で現れよう。
そう思うあなたなのでした。 -
瑞希……あれ、なんか忘れてる気がする
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瑞希なんだっけ?
う〜ん -
瑞希服装……黒……
渡里ちゃん……そういえば黒って言ってたっけ? -
瑞希……!
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瑞希わ、忘れてた……!
渡里ちゃーーん! -
瑞希そんな顔しないで〜〜‼︎
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