《みなだれかの愛し子だつた》
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【とほき日の茨の谷にて】
・宵闇の衣のごとき翼の翳に生まるる星は夢を見ており
・碧落へわれを誘いし焔(ほむら)ありその緑色(りょくしょく)の美(は)しき鋭さ
【翠ヶ原の走る城壁】
・頭(こうべ)垂れ赤き血ながす肉叢(ししむら)の沈黙からも咲く野ばら
・淘汰したたましひ跨ぎ進む地やわく此処に誰かの日々ありて
【野ばら城の夜明け】
・人の世の夜明けに竜の鱗散りまなこ閉じゆく王国の刻(とき)
・はてしなき虚(うろ)のみ抱(いだ)く城壁に白き朝日はいよよ煌めく
【旅路にて】
・われもまたこの世界の棄児(きじ)などと酔言ごと安酒煽りて
・正義といふカタストロフィ獣(けだもの)の血のにほいのする慟哭よ
【赤竜の国】
・死の淵で叫ぶ名前もなきわれに伸ばされし腕のあたたかさ
【揺籃の塔】
・静寂(しじま)とは《ファークライ・クレイドル》永遠(とわ)に朽ちぬ日々の聲なき聲
・葬(はふ)りつづけた手のひらに雷(いかづち)の熱き残光生命(いのち)の軋み
・二百夜の夢の曠野のその果てに産声あげし次の世の刻(とき)
【茨の谷の家】
・ただ睡れうすき瞼の底ならば悠久の花もありなむと
・野いばらの垣根を越へて春来たる 芽吹きのやうな「とと」と呼ぶ声
・引き攣れた傷ひめたる手のひらにおかれた木の実宝玉として
【星に願いを リリア/シルバー】
・落つる星を美しと思ふやうに夜ごとの過去の幻影も いつか
・星 永遠(とわ)を願うには速すぎる光 この夜にさえ終わりがある
【野ばら城の祝福】
・ミスティウム 今はただ泣く子らを抱く腕(かいな)となりて生きたしとこふ
・前(さき)の世のしろき幻影ゆらめいてワルツのリズムで降る野いばら
・夢の舟つける波止場は未だまだとほく 旅のあらたな始まりに立つ
・まなうらの闇に煌めく星々よ みなだれかの愛し子だつた
・祝福を やがて去りやがて失うひとびとに夜がやさしくあるやうに
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