第一章
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「いい加減帰りやがれ、クソドラゴン」
ダンデのデート申し込み事件から二週間
キバナは家にも帰らず逃げ込むようにネズの自宅へと入り浸っていた
仕事には顔を出しているようだがリョウタに頼み込みナマエと合わないよう根回ししてもらい彼女から逃げて回っていた
「酷くなーい?傷ついたオレさまが可哀想って思わねぇの?」
「生憎ミリも思わねぇですね、離れたいなら女々しくスマホチェックするんじゃねぇ!」
「だって…気になんだもん」
ネズのベッドを我が物顔で占領し寝そべりながらスマホを弄る彼はナマエからのメールを見ては辛そうに顔を険しくさせ、操作していた指の動きを鈍くさせる
全て自分を心配してくれる内容のせいで余計に罪悪感が募るが今まで通りに接する程大人になりきれない自分がいる
「いっそ告ってフラれてきんしゃい、そうすりゃ長年の戦いに蹴りがつくでしょう」
「は?オレがフラれるわけねぇじゃん」
何言ってんだ?とさも当たり前のようにネズに顔を向けると作曲をしていたネズは青筋をこめかみに浮かべながらギロリと睨んできた
「ならとっとと告っちまえ」
「……………やだ」
「はぁぁぁっ、くそうぜぇ!」
ネズとしては大事な曲の作曲の時間を邪魔され大迷惑だ、静かな空間で一人で没頭するのがいいのであって恋愛相談なんてしている暇はない
ましてや長年片思いしている事を知っていた為に二人の関係を聞いては歯痒くて苛立っていた
恋する乙女モードなキバナは特に面倒だ
普段は自信に満ち溢れているというのに彼女に関わる事には臆病な面がある
「(だってもしフラれたら…オレ立ち直れねぇし、いや寧ろ認める事できねぇよ!オレ以外にいい男いねぇし)」
彼女の隣は自分が相応しい
そう信じてきたが、ダンデとナマエが楽しそうに話している姿を思い出し自信が消えていく
「(もし…ダンデとデートしてナマエがアイツに惚れたらどうしたらいいんだ?いい男なら彼氏ができておめでとうって祝ってやるべきだろうけど…絶対無理だよな)」
他の男と手を繋ぐのも、ましてやキスさえも見たくない
考えるだけで胸焼けのような不快感が沸き上がりキバナはのっそりとベッドから起き上がった
「………帰るわ」
「はいはい、とっとと帰ってください」
漸く曲に集中できると肩の力を抜きペンを握るが
「風呂入ったらまた来るわ、オマエん家の風呂小さくて肩凝ってオレさまには駄目だわ」
部屋の扉を閉めると同時に聞こえた言葉にネズの限界ともいえる物がプツンと切れ
「二度と帰ってくんなっっ!!!」
握っていたペンを乱暴に扉に投げつけ大声で暫く叫んでいたらしい
ナックルに戻ると辺りは暗くすっかり夜になってしまっていた
郵便受けに溜まった大量の郵便物を回収し久しぶりの自宅に入るとほんのりと空気が淀んでいる感じがした
「あ〜やべ、掃除もしねぇとな」
二週間とはいえ人の手が入らなかった部屋は何処か埃っぽく空気が悪い
風呂に入る事が目的だったが掃除が先だ
全ての部屋に明かりをつけパタパタと掃除機をかけ室内を掃除していると寝室に飾っていた昔の写真に目が止まる
幼い自分とナマエのツーショット写真
今とあまり変わらない容姿の彼女の写真を見つめ手に取るとキバナはそっと彼女の顔を指先でなぞり唇を噛み締めた
「……先生……オレってアンタのなんなの?」
先生と生徒の関係は年をとっても変わる事なく続いている、キバナにとってはそれ以上の関係になれると信じて距離を縮めてきたつもりだったが…
「他の男のデートの誘いは受けるのに…大事な時はオレにだけ頼るって……狡いだろ」
特別だけど特別じゃない
なんとも微妙な関係がキバナの心を苦しめ逃げ回るという手段を選ばせてしまった
「…………ナマエ」
キバナは切なげにゆっくりと目を閉じると写真の彼女へと小さくキスをした
キバナが自宅に帰って数十分後、事件がおきた
『キバナくん?いるんでしょ?少し話せない?』
たまたま近くを通ったナマエはここ最近明かりのつかなかったキバナの自宅に漸く明かりが見え急いで玄関へと向かい呼び鈴を何度も鳴らした
いつもならスマホにメールを一つ入れようものなら秒で返事が返って来るのに、この二週間は既読にしかならず反応がなかった
ジムに行ってもすれ違いや会議中だと会う事も許されず避けられているのを感じていた
『ちゃんと話そうよっ、て…あれ?鍵あいてる』
掃除に気が向いてしまい鍵をかけ忘れたらしい
ナマエは玄関へと入り込みもう一度彼の名前を呼んでみたが反応がなく、仕方なく中へと入り込んでいった
『キバナくん?いないの?』
ペタペタと廊下を進みリビングを確認するが誰もいない、ならばとキッチンやトイレ…恐る恐るシャワー室にも声をかけたが彼はいなかった
『もしかして本当にいない?鍵開けたまま出かけたのかな』
物騒な事をするなぁと困っていると僅かにキシッと物音が聞こえた
寝室からだ
『(まさか…泥棒?)』
鍵を開けたまま出かけたのなら泥棒が入っていてもおかしくない
ナマエは足音を立てないように静かに物音がする寝室へと向かうと腰に下げたボールを一つ手の中に握りドアノブを握った
次の瞬間
ガタンッ!!
『何してるの!!』
扉を開けつつボールをすぐに投げれるように構え寝室の中を睨むと、そこには泥棒はおらず代わりに
「………へ?」
『………あれっ?キバナくん?』
そこにいたのはベッドに腰掛けたキバナだった
よく見れば彼はナマエの写真を片手に握っており不思議には思ったが、ナマエは漸く会えた事にホッとし会話を続けようとした
『もう!全然会えなくて心配した…んだ…か…ら……』
寝室に入り彼の側に行こうとすると彼のもう片方の手が何かを握っていた
それは下半身のズボンの中から出した彼の立派すぎるキバナだった
『ーーーーっ!!』
ギョッと目を丸くさせ声にならない悲鳴を上げると放心状態だったキバナはやっと我に帰りベッドから立ち上がった
「違っ!これはっ!」
『いやっっ!待ってまずそれっ!しまって!』
動揺しているのはお互い様だ
ブツをしまい忘れ立ち上がり弁解しようとするキバナと顔を真っ赤にさせ彼の物から目が離せないナマエ
「ちょっ、待て!何から説明すればっ!あっ!言っとくけどオレさまのこれまだ半勃ちだからな!キョダイマックスしたらこんなもんじゃねぇから誤解すんなよっ!」
『なんの誤解よっ!いいからしまってっ!!うわぁっ!こっち来ないでっ!!』
ギャーギャーと騒ぐ二人は色気には程遠く
彼の物が萎えた頃、肩で息をする二人は漸く話ができる雰囲気となったがどちらも気不味く何から口にすればいいのか分からず目線を泳がせていた
「(やべぇ…オナニーしてんの見られた!なんて言えばいい?ここで告白はダセェし…だからってたまたま持ってたのは無理あるよな!つーかなんでフル勃起じゃねぇ時に見んだよ!キバナさまご自慢の息子がつまらねぇ平均サイズって誤解されるじゃねぇか!)」
『(えっと、えっと、なんだっけ?なんで来たんだっけ?あ、明かりが見えて…入って…泥棒さんかと思って?そしたらなんか…凄い物が見えて…今更見てないよなんて嘘通じないしどうしよっ!)』
ダラダラとお互いに冷や汗をかきだし息苦しい
どうしたものかとキバナが悩んでいると
『げ、元気だった?』
「お?おおっ、元気、ナマエは?」
『うん、元気…だったけど…キバナくんがあたしの事避けてるみたいで…ちょっと元気なかった…かな?』
話を逸らしてくれたのは感謝するが、ここ最近の事になりキバナは気不味そうに自分の耳朶にあるピアスを指で弄った
「あ〜……ちょっと忙しくてよ」
『嘘っ、だってメールも既読で返事くれないじゃない!いつもならすぐ返してくれるのに』
「………それは」
理由を言うべきか迷い言葉を濁らせるとナマエは眉を下げ唇をきゅっと結んだ
『嫌いになったなら……言ってよ』
「は?」
ボソリと呟いた声はしっかりとキバナの耳に届きいじっていたピアスから腕を降ろす
もう一度聞こうと彼が手を伸ばしかけるが、ナマエは直ぐ様寝室を抜け出しその手は虚しくも宙を彷徨った
僅かに見えた彼女の横顔
その目は潤んでおり泣いているようにも見えキバナの足は床に縫い付けられたかのように重くなり動けなかった
どれくらい時間が経ったか
やっと動けるようになったキバナはスパイクタウンのネズのベッドへと戻りジメジメといじけ、そんな彼にネズは怒声を響かせながら最高の曲ができたらしい
ダンデのデート申し込み事件から二週間
キバナは家にも帰らず逃げ込むようにネズの自宅へと入り浸っていた
仕事には顔を出しているようだがリョウタに頼み込みナマエと合わないよう根回ししてもらい彼女から逃げて回っていた
「酷くなーい?傷ついたオレさまが可哀想って思わねぇの?」
「生憎ミリも思わねぇですね、離れたいなら女々しくスマホチェックするんじゃねぇ!」
「だって…気になんだもん」
ネズのベッドを我が物顔で占領し寝そべりながらスマホを弄る彼はナマエからのメールを見ては辛そうに顔を険しくさせ、操作していた指の動きを鈍くさせる
全て自分を心配してくれる内容のせいで余計に罪悪感が募るが今まで通りに接する程大人になりきれない自分がいる
「いっそ告ってフラれてきんしゃい、そうすりゃ長年の戦いに蹴りがつくでしょう」
「は?オレがフラれるわけねぇじゃん」
何言ってんだ?とさも当たり前のようにネズに顔を向けると作曲をしていたネズは青筋をこめかみに浮かべながらギロリと睨んできた
「ならとっとと告っちまえ」
「……………やだ」
「はぁぁぁっ、くそうぜぇ!」
ネズとしては大事な曲の作曲の時間を邪魔され大迷惑だ、静かな空間で一人で没頭するのがいいのであって恋愛相談なんてしている暇はない
ましてや長年片思いしている事を知っていた為に二人の関係を聞いては歯痒くて苛立っていた
恋する乙女モードなキバナは特に面倒だ
普段は自信に満ち溢れているというのに彼女に関わる事には臆病な面がある
「(だってもしフラれたら…オレ立ち直れねぇし、いや寧ろ認める事できねぇよ!オレ以外にいい男いねぇし)」
彼女の隣は自分が相応しい
そう信じてきたが、ダンデとナマエが楽しそうに話している姿を思い出し自信が消えていく
「(もし…ダンデとデートしてナマエがアイツに惚れたらどうしたらいいんだ?いい男なら彼氏ができておめでとうって祝ってやるべきだろうけど…絶対無理だよな)」
他の男と手を繋ぐのも、ましてやキスさえも見たくない
考えるだけで胸焼けのような不快感が沸き上がりキバナはのっそりとベッドから起き上がった
「………帰るわ」
「はいはい、とっとと帰ってください」
漸く曲に集中できると肩の力を抜きペンを握るが
「風呂入ったらまた来るわ、オマエん家の風呂小さくて肩凝ってオレさまには駄目だわ」
部屋の扉を閉めると同時に聞こえた言葉にネズの限界ともいえる物がプツンと切れ
「二度と帰ってくんなっっ!!!」
握っていたペンを乱暴に扉に投げつけ大声で暫く叫んでいたらしい
ナックルに戻ると辺りは暗くすっかり夜になってしまっていた
郵便受けに溜まった大量の郵便物を回収し久しぶりの自宅に入るとほんのりと空気が淀んでいる感じがした
「あ〜やべ、掃除もしねぇとな」
二週間とはいえ人の手が入らなかった部屋は何処か埃っぽく空気が悪い
風呂に入る事が目的だったが掃除が先だ
全ての部屋に明かりをつけパタパタと掃除機をかけ室内を掃除していると寝室に飾っていた昔の写真に目が止まる
幼い自分とナマエのツーショット写真
今とあまり変わらない容姿の彼女の写真を見つめ手に取るとキバナはそっと彼女の顔を指先でなぞり唇を噛み締めた
「……先生……オレってアンタのなんなの?」
先生と生徒の関係は年をとっても変わる事なく続いている、キバナにとってはそれ以上の関係になれると信じて距離を縮めてきたつもりだったが…
「他の男のデートの誘いは受けるのに…大事な時はオレにだけ頼るって……狡いだろ」
特別だけど特別じゃない
なんとも微妙な関係がキバナの心を苦しめ逃げ回るという手段を選ばせてしまった
「…………ナマエ」
キバナは切なげにゆっくりと目を閉じると写真の彼女へと小さくキスをした
キバナが自宅に帰って数十分後、事件がおきた
『キバナくん?いるんでしょ?少し話せない?』
たまたま近くを通ったナマエはここ最近明かりのつかなかったキバナの自宅に漸く明かりが見え急いで玄関へと向かい呼び鈴を何度も鳴らした
いつもならスマホにメールを一つ入れようものなら秒で返事が返って来るのに、この二週間は既読にしかならず反応がなかった
ジムに行ってもすれ違いや会議中だと会う事も許されず避けられているのを感じていた
『ちゃんと話そうよっ、て…あれ?鍵あいてる』
掃除に気が向いてしまい鍵をかけ忘れたらしい
ナマエは玄関へと入り込みもう一度彼の名前を呼んでみたが反応がなく、仕方なく中へと入り込んでいった
『キバナくん?いないの?』
ペタペタと廊下を進みリビングを確認するが誰もいない、ならばとキッチンやトイレ…恐る恐るシャワー室にも声をかけたが彼はいなかった
『もしかして本当にいない?鍵開けたまま出かけたのかな』
物騒な事をするなぁと困っていると僅かにキシッと物音が聞こえた
寝室からだ
『(まさか…泥棒?)』
鍵を開けたまま出かけたのなら泥棒が入っていてもおかしくない
ナマエは足音を立てないように静かに物音がする寝室へと向かうと腰に下げたボールを一つ手の中に握りドアノブを握った
次の瞬間
ガタンッ!!
『何してるの!!』
扉を開けつつボールをすぐに投げれるように構え寝室の中を睨むと、そこには泥棒はおらず代わりに
「………へ?」
『………あれっ?キバナくん?』
そこにいたのはベッドに腰掛けたキバナだった
よく見れば彼はナマエの写真を片手に握っており不思議には思ったが、ナマエは漸く会えた事にホッとし会話を続けようとした
『もう!全然会えなくて心配した…んだ…か…ら……』
寝室に入り彼の側に行こうとすると彼のもう片方の手が何かを握っていた
それは下半身のズボンの中から出した彼の立派すぎるキバナだった
『ーーーーっ!!』
ギョッと目を丸くさせ声にならない悲鳴を上げると放心状態だったキバナはやっと我に帰りベッドから立ち上がった
「違っ!これはっ!」
『いやっっ!待ってまずそれっ!しまって!』
動揺しているのはお互い様だ
ブツをしまい忘れ立ち上がり弁解しようとするキバナと顔を真っ赤にさせ彼の物から目が離せないナマエ
「ちょっ、待て!何から説明すればっ!あっ!言っとくけどオレさまのこれまだ半勃ちだからな!キョダイマックスしたらこんなもんじゃねぇから誤解すんなよっ!」
『なんの誤解よっ!いいからしまってっ!!うわぁっ!こっち来ないでっ!!』
ギャーギャーと騒ぐ二人は色気には程遠く
彼の物が萎えた頃、肩で息をする二人は漸く話ができる雰囲気となったがどちらも気不味く何から口にすればいいのか分からず目線を泳がせていた
「(やべぇ…オナニーしてんの見られた!なんて言えばいい?ここで告白はダセェし…だからってたまたま持ってたのは無理あるよな!つーかなんでフル勃起じゃねぇ時に見んだよ!キバナさまご自慢の息子がつまらねぇ平均サイズって誤解されるじゃねぇか!)」
『(えっと、えっと、なんだっけ?なんで来たんだっけ?あ、明かりが見えて…入って…泥棒さんかと思って?そしたらなんか…凄い物が見えて…今更見てないよなんて嘘通じないしどうしよっ!)』
ダラダラとお互いに冷や汗をかきだし息苦しい
どうしたものかとキバナが悩んでいると
『げ、元気だった?』
「お?おおっ、元気、ナマエは?」
『うん、元気…だったけど…キバナくんがあたしの事避けてるみたいで…ちょっと元気なかった…かな?』
話を逸らしてくれたのは感謝するが、ここ最近の事になりキバナは気不味そうに自分の耳朶にあるピアスを指で弄った
「あ〜……ちょっと忙しくてよ」
『嘘っ、だってメールも既読で返事くれないじゃない!いつもならすぐ返してくれるのに』
「………それは」
理由を言うべきか迷い言葉を濁らせるとナマエは眉を下げ唇をきゅっと結んだ
『嫌いになったなら……言ってよ』
「は?」
ボソリと呟いた声はしっかりとキバナの耳に届きいじっていたピアスから腕を降ろす
もう一度聞こうと彼が手を伸ばしかけるが、ナマエは直ぐ様寝室を抜け出しその手は虚しくも宙を彷徨った
僅かに見えた彼女の横顔
その目は潤んでおり泣いているようにも見えキバナの足は床に縫い付けられたかのように重くなり動けなかった
どれくらい時間が経ったか
やっと動けるようになったキバナはスパイクタウンのネズのベッドへと戻りジメジメといじけ、そんな彼にネズは怒声を響かせながら最高の曲ができたらしい