第二章
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開会式
ガラル中の人々が集まったのではないかと思える程の観客はスタジアムの客席を埋め尽くし歓声とシャッター音が鳴り止まない
委員長であるローズの長い演説の後にジムリーダー達が先にコートへと姿を現しテレビ局のアナウンサーが一人一人紹介している
その様子を控室のテレビ画面で見ていたナマエは今更ながらルリナとキバナがどれ程有名な人物なのかを思い知る
『(ルリナさんは勿論だけど、キバナさんも凄い人なんだ…そんな人とさっきまで一緒だったなんて不思議)』
画面を見る限りダンデの姿はない
少し残念に感じつつ、何処か別の場所にいるであろう彼を思い出すと胸の辺りがソワソワとし落ち着かない
「チャレンジャーの皆さん!スタッフの指示に従って入場してください!」
次はナマエ達の入場の番だ
ホップとマサルはワクワクといった様子で先にコートへと足を進めナマエも遅れて最後尾についていく
控室とコートを繋げる暗い廊下を進み足先が光に包まれたと思った瞬間、体全体に感じる観客からの声の迫力
ビリビリと肌に感じるそれを浴びながら辺りを見回し、指定された場所へと立つとあまりの広さに口が勝手に開いてしまう
『(こんなに…沢山の人の前でバトルするの?)』
ジムバトルではこの広いコートの上に立つのは自分と対戦相手だけだ
全員の視線を浴びながら戦うのはどれ程のプレッシャーか…想像するだけで今から震えてしまいそうだ
『(頭痛い…緊張しすぎたかな)』
ズキズキと額に感じる痛み
ローズの話を聞こうにも痛みが勝り話が入ってこない、早く座りたくて眉間にシワがよってしまい彼女の顔色の悪さにとある人物が気がつく
「大丈夫?」
声をかけてくれたのは自分より年下の女の子だった、刈り込みが入った黒髪の少女はこっそりとナマエに声をかけ心配そうに眉を下げた
『あ…うん!大丈夫です、ありがとう…えっと名前を聞いてもいい?』
「マリィ」
『あたしはナマエ、ありがとうマリィちゃん』
本当は痛くて堪らない
それでも心配してくれる少女にこれ以上心配かけたくなくて強がり嘘の笑顔を向ける
あと少し…
あと少しで退場できる
一時間もないというのに長く感じた開会式は漸く終わりそれぞれがコートから退場を始める
ナマエも早く休もうと暗い廊下を目指すが体は重く言う事を聞かず
ふらついてしまうと誰かの胸に頭をぶつけてしまった
『あ…すみませんっ』
よろけつつ謝罪をするが、相手は離れようとした彼女の腕を掴み
「……ほら見ろ、だから言ったじゃねぇか」
顔を上げれば見えたのはコチラを見下ろす青い瞳、開会式前に世話になったキバナだった
『キバナさんっ…ぅ』
「ったく……触るけど騒ぐなよ?」
青い顔をする彼女を見ていられずキバナは苦しむ彼女を横抱きに抱き上げると退場中のチャレンジャーの間を避けて通り大股で廊下を突き進む
多くの人に見られてしまったが今はどうこう言う元気もない
ぐったりと体から力が抜けキバナの胸に頰を寄せ目を瞑ると一瞬眠ってしまったのか…
次に目を覚ますとそこは医務室だった
「ナマエ?ああ…起きたのね?大丈夫?どこか具合悪い?」
『……ルリナさん?あれ?あたし…』
「もう心配したわよ!いきなり倒れてっ」
記憶が抜けている事に困惑していると、視界の中にルリナの他にもう一人現れベッドで横たわる自分を見下ろしてくる
「極度の緊張と微熱だとよ、だから無理すんなって言ったろ?」
『キバナさん…すみませんでした』
ゆっくりと上半身を起こすと腕に点滴の管がつながっていた
薬のお陰だろうか?頭痛は和らぎ気分も随分楽に感じた
「もう少し寝てな?着替えとか荷物はロッカーからスタッフに持ってきて貰ったし体調が戻ってから出発した方がいいぜ?」
「そうよ、これから長い旅になるんだから今治さないと!」
ルリナが彼女の頭を撫で困ったように微笑むとバタバタと廊下を誰かが走る音が響いた
その足音は一度医務室を通り過ぎるが、また慌ただしい音をさせ戻ってきた
「ナマエっ!!大丈夫かっ!」
ガラリと乱暴に開け払った扉と共に大声を上げたのはダンデだった
彼は肩を大きく上下に揺らし息を荒げており、急いで来てくれたのが分かる
『……ダンデさん』
「っ!」
ベッドに座る彼女の側には点滴がありダンデは悲しげに顔を歪めるとキバナやルリナが見えていないようにナマエの側へと急ぎ、その透明な管が繋がった手を両手で優しく握り包みこんだ
「心臓が…張り裂けるかと思ったぜ」
『ぁ…すみませんっ!ちょっと風邪ひいてたんですが…どうしても式だけは出たくて無理しちゃいました』
「もう無理はしないでくれ、式なんかより君の体が大事だ」
握りしめた彼女の手の甲にキスをしリップ音を鳴らすとナマエは恥ずかしさに首から顔を真っ赤に染め気まずそうだ
「……え?てか…オマエらってどういう関係?」
二人のやりとりを見ていたキバナが声をかけるとダンデは漸くキバナとルリナの存在に気が付きキョトンと大きく目を見開く
「なんだ、君達もいたのか?」
「いやいやずっといたろ!どんだけ見えてねぇんだよ!」
「全く…相変わらずね」
ルリナにしてみればダンデの反応は予想済みだ、しかしキバナは二人の関係はチャレンジャーと推薦状を送った人物としか知らない
いくら自分が推薦した選手だからと言ってもここまで心配するだろうか
疑問を浮かべているとダンデは照れたように笑い答えを口にした
「君にも何回か相談に乗ってもらったが、彼女が俺の好きな人なんだ」
「え?て…事は……ナマエちゃんってダンデの彼女?」
本当かと彼女を見ればナマエは恥ずかしそうに俯き頰を染めている
それを見たキバナはゆっくりと自分の口元を片手で隠した
「へぇ……そうなんだ」
片手で隠された口元は誰にも見えない
その隠れた口元が妖しくつり上がっているのを誰も知らなかった
その後も何度も彼女の具合を甲斐甲斐しく聞いてくるダンデの執着ぶりをキバナは暫く細めた瞳で眺め、漸く片手を下ろすといつもの人懐っこい笑顔を浮かべていた
「んじゃオレらはお邪魔虫になるし、そろそろ行くわ!な?ルリナ」
「ええ、そうね…またねナマエ」
『はい!ありがとうございます』
ルリナは別れを惜しむようにナマエの額にキスを送りダンデに睨まれながらも部屋を出ていった
キバナも彼女の後を追い医務室から出ようと扉に手をつけると顔だけをもう一度振り向かせる
「じゃあまたな、ナマエちゃん」
ウィンクを一つし部屋を出ていくキバナを見送るとナマエはふぅ、と肩の力を抜きまだ扉を睨むダンデへと視線を向けた
やっと二人っきりだ
嬉しさと照れくささに顔がニヤけそうになり唇に力を入れていると
ダンデが突然ベッドの上に飛び乗り彼女の上に馬乗りとなった
『っ、あ、あの?何?』
動揺している彼女と違いダンデはむすっと口元をへの時にさせると彼女の背中側にあるベッドの柵に手をかけ、背中を丸めつつじっと彼女の顔を覗き込んだ
「君は隙がありすぎるぜ」
『隙…ですか?』
「ああ!今だってルリナにキスされただろ!俺以外が君に触れるなんて許せないぜ!」
何を怒っているかと思えば別れ際に額にキスされたのが気に食わないらしい
訳がまだ分かっていない彼女の額にダンデは自分の額をコツンと触れさせると長い睫毛を伏せ悔しげに顔を歪めた
「……心が狭いと…笑うか?だがこれが俺なんだ…君を独占したくて堪らない一人の男だ」
クシャリと乱れた二人の前髪
鼻先が掠り吐息が近くに感じる
ドキドキとした心音がどんどんと早まり身体中の血が熱くなっていくようだ
「こんな俺は……嫌だろうか?」
じっとこちらを見つめてくる金色が愛しくてスミレ色の瞳は細められる
『……いいえ…嬉しいです』
「………ナマエ」
喜びに浸りダンデは顔を傾けキスを強請るが、彼の唇に触れたのはナマエの手だった
「む?」
『風邪なので…その……だめです』
恥ずかしそうにキスを妨害してくる恋人が可愛くてダンデは堪らず、柵を握っていた両手で彼女の手と顎を掴むと噛み付くようにキスを贈った
『んっ!〜〜っ、ぷはっ!ダンデさん!風邪がっ』
「ふふ、君の風邪なら喜んで貰うさ」
『そんなっ、んぅ!』
文句を言う前にもう一度キスで唇を塞ぎよろめく彼女はダンデに押されるがままベッドへと体を戻していく
触れた唇は柔らかく熱くて気持いい
触れるだけのキスではあるが二人はお互いの愛を確かめるように何度もリップ音を響かせた
ガラル中の人々が集まったのではないかと思える程の観客はスタジアムの客席を埋め尽くし歓声とシャッター音が鳴り止まない
委員長であるローズの長い演説の後にジムリーダー達が先にコートへと姿を現しテレビ局のアナウンサーが一人一人紹介している
その様子を控室のテレビ画面で見ていたナマエは今更ながらルリナとキバナがどれ程有名な人物なのかを思い知る
『(ルリナさんは勿論だけど、キバナさんも凄い人なんだ…そんな人とさっきまで一緒だったなんて不思議)』
画面を見る限りダンデの姿はない
少し残念に感じつつ、何処か別の場所にいるであろう彼を思い出すと胸の辺りがソワソワとし落ち着かない
「チャレンジャーの皆さん!スタッフの指示に従って入場してください!」
次はナマエ達の入場の番だ
ホップとマサルはワクワクといった様子で先にコートへと足を進めナマエも遅れて最後尾についていく
控室とコートを繋げる暗い廊下を進み足先が光に包まれたと思った瞬間、体全体に感じる観客からの声の迫力
ビリビリと肌に感じるそれを浴びながら辺りを見回し、指定された場所へと立つとあまりの広さに口が勝手に開いてしまう
『(こんなに…沢山の人の前でバトルするの?)』
ジムバトルではこの広いコートの上に立つのは自分と対戦相手だけだ
全員の視線を浴びながら戦うのはどれ程のプレッシャーか…想像するだけで今から震えてしまいそうだ
『(頭痛い…緊張しすぎたかな)』
ズキズキと額に感じる痛み
ローズの話を聞こうにも痛みが勝り話が入ってこない、早く座りたくて眉間にシワがよってしまい彼女の顔色の悪さにとある人物が気がつく
「大丈夫?」
声をかけてくれたのは自分より年下の女の子だった、刈り込みが入った黒髪の少女はこっそりとナマエに声をかけ心配そうに眉を下げた
『あ…うん!大丈夫です、ありがとう…えっと名前を聞いてもいい?』
「マリィ」
『あたしはナマエ、ありがとうマリィちゃん』
本当は痛くて堪らない
それでも心配してくれる少女にこれ以上心配かけたくなくて強がり嘘の笑顔を向ける
あと少し…
あと少しで退場できる
一時間もないというのに長く感じた開会式は漸く終わりそれぞれがコートから退場を始める
ナマエも早く休もうと暗い廊下を目指すが体は重く言う事を聞かず
ふらついてしまうと誰かの胸に頭をぶつけてしまった
『あ…すみませんっ』
よろけつつ謝罪をするが、相手は離れようとした彼女の腕を掴み
「……ほら見ろ、だから言ったじゃねぇか」
顔を上げれば見えたのはコチラを見下ろす青い瞳、開会式前に世話になったキバナだった
『キバナさんっ…ぅ』
「ったく……触るけど騒ぐなよ?」
青い顔をする彼女を見ていられずキバナは苦しむ彼女を横抱きに抱き上げると退場中のチャレンジャーの間を避けて通り大股で廊下を突き進む
多くの人に見られてしまったが今はどうこう言う元気もない
ぐったりと体から力が抜けキバナの胸に頰を寄せ目を瞑ると一瞬眠ってしまったのか…
次に目を覚ますとそこは医務室だった
「ナマエ?ああ…起きたのね?大丈夫?どこか具合悪い?」
『……ルリナさん?あれ?あたし…』
「もう心配したわよ!いきなり倒れてっ」
記憶が抜けている事に困惑していると、視界の中にルリナの他にもう一人現れベッドで横たわる自分を見下ろしてくる
「極度の緊張と微熱だとよ、だから無理すんなって言ったろ?」
『キバナさん…すみませんでした』
ゆっくりと上半身を起こすと腕に点滴の管がつながっていた
薬のお陰だろうか?頭痛は和らぎ気分も随分楽に感じた
「もう少し寝てな?着替えとか荷物はロッカーからスタッフに持ってきて貰ったし体調が戻ってから出発した方がいいぜ?」
「そうよ、これから長い旅になるんだから今治さないと!」
ルリナが彼女の頭を撫で困ったように微笑むとバタバタと廊下を誰かが走る音が響いた
その足音は一度医務室を通り過ぎるが、また慌ただしい音をさせ戻ってきた
「ナマエっ!!大丈夫かっ!」
ガラリと乱暴に開け払った扉と共に大声を上げたのはダンデだった
彼は肩を大きく上下に揺らし息を荒げており、急いで来てくれたのが分かる
『……ダンデさん』
「っ!」
ベッドに座る彼女の側には点滴がありダンデは悲しげに顔を歪めるとキバナやルリナが見えていないようにナマエの側へと急ぎ、その透明な管が繋がった手を両手で優しく握り包みこんだ
「心臓が…張り裂けるかと思ったぜ」
『ぁ…すみませんっ!ちょっと風邪ひいてたんですが…どうしても式だけは出たくて無理しちゃいました』
「もう無理はしないでくれ、式なんかより君の体が大事だ」
握りしめた彼女の手の甲にキスをしリップ音を鳴らすとナマエは恥ずかしさに首から顔を真っ赤に染め気まずそうだ
「……え?てか…オマエらってどういう関係?」
二人のやりとりを見ていたキバナが声をかけるとダンデは漸くキバナとルリナの存在に気が付きキョトンと大きく目を見開く
「なんだ、君達もいたのか?」
「いやいやずっといたろ!どんだけ見えてねぇんだよ!」
「全く…相変わらずね」
ルリナにしてみればダンデの反応は予想済みだ、しかしキバナは二人の関係はチャレンジャーと推薦状を送った人物としか知らない
いくら自分が推薦した選手だからと言ってもここまで心配するだろうか
疑問を浮かべているとダンデは照れたように笑い答えを口にした
「君にも何回か相談に乗ってもらったが、彼女が俺の好きな人なんだ」
「え?て…事は……ナマエちゃんってダンデの彼女?」
本当かと彼女を見ればナマエは恥ずかしそうに俯き頰を染めている
それを見たキバナはゆっくりと自分の口元を片手で隠した
「へぇ……そうなんだ」
片手で隠された口元は誰にも見えない
その隠れた口元が妖しくつり上がっているのを誰も知らなかった
その後も何度も彼女の具合を甲斐甲斐しく聞いてくるダンデの執着ぶりをキバナは暫く細めた瞳で眺め、漸く片手を下ろすといつもの人懐っこい笑顔を浮かべていた
「んじゃオレらはお邪魔虫になるし、そろそろ行くわ!な?ルリナ」
「ええ、そうね…またねナマエ」
『はい!ありがとうございます』
ルリナは別れを惜しむようにナマエの額にキスを送りダンデに睨まれながらも部屋を出ていった
キバナも彼女の後を追い医務室から出ようと扉に手をつけると顔だけをもう一度振り向かせる
「じゃあまたな、ナマエちゃん」
ウィンクを一つし部屋を出ていくキバナを見送るとナマエはふぅ、と肩の力を抜きまだ扉を睨むダンデへと視線を向けた
やっと二人っきりだ
嬉しさと照れくささに顔がニヤけそうになり唇に力を入れていると
ダンデが突然ベッドの上に飛び乗り彼女の上に馬乗りとなった
『っ、あ、あの?何?』
動揺している彼女と違いダンデはむすっと口元をへの時にさせると彼女の背中側にあるベッドの柵に手をかけ、背中を丸めつつじっと彼女の顔を覗き込んだ
「君は隙がありすぎるぜ」
『隙…ですか?』
「ああ!今だってルリナにキスされただろ!俺以外が君に触れるなんて許せないぜ!」
何を怒っているかと思えば別れ際に額にキスされたのが気に食わないらしい
訳がまだ分かっていない彼女の額にダンデは自分の額をコツンと触れさせると長い睫毛を伏せ悔しげに顔を歪めた
「……心が狭いと…笑うか?だがこれが俺なんだ…君を独占したくて堪らない一人の男だ」
クシャリと乱れた二人の前髪
鼻先が掠り吐息が近くに感じる
ドキドキとした心音がどんどんと早まり身体中の血が熱くなっていくようだ
「こんな俺は……嫌だろうか?」
じっとこちらを見つめてくる金色が愛しくてスミレ色の瞳は細められる
『……いいえ…嬉しいです』
「………ナマエ」
喜びに浸りダンデは顔を傾けキスを強請るが、彼の唇に触れたのはナマエの手だった
「む?」
『風邪なので…その……だめです』
恥ずかしそうにキスを妨害してくる恋人が可愛くてダンデは堪らず、柵を握っていた両手で彼女の手と顎を掴むと噛み付くようにキスを贈った
『んっ!〜〜っ、ぷはっ!ダンデさん!風邪がっ』
「ふふ、君の風邪なら喜んで貰うさ」
『そんなっ、んぅ!』
文句を言う前にもう一度キスで唇を塞ぎよろめく彼女はダンデに押されるがままベッドへと体を戻していく
触れた唇は柔らかく熱くて気持いい
触れるだけのキスではあるが二人はお互いの愛を確かめるように何度もリップ音を響かせた
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