第二章
夢小説設定
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「では以上でガラルの祭典、ジムチャレンジ開催式の説明会を終わります」
ローズタワーに集められたジムリーダーやスタッフ達、今日はもうすぐ始まるジムチャレンジの説明会だった
段取りは毎年同じであり変わらぬメンバー達は慣れたように書類に目を通し会議は問題なく終わる
敢えて言うならばジムリーダーの一人が欠けているが、これも毎年の事であり全員が空気を呼んでいる
「ネズの分の書類は私が持ってくわ」
ダンデが手に持つ二つの書類
一つは彼のだが、もう一つは今回も顔を出さなかったジムリーダーのネズの分だった
「いいのか?スパイクタウンならルリナよりキバナの方が近いと思うが」
「おい!何自然にオレさまを巻き込もうとしてんだよ、今日はこの後用事があるから無理だっつーの」
会議室から一人また一人と帰る中ルリナとダンデの会話を聞きキバナは嫌そうに目を細めた
「君何だかんだ言ってネズにいつも書類とか必要な物届けてくれるだろ?」
「そりゃ暇な時はな、今日はジム戦に向けて新しい戦略を試したいから無理」
ダンデに向かって舌を出した彼は大きな体をのっそりと揺らしながら部屋を出ていってしまい残ったルリナと目が合う
「じゃあ…頼む、すまないな?俺も用事があって今日は無理だったんだ」
「いいのよ、どうせ今日はスパイクタウンに遊びに行くつもりだったから」
書類を快く受け取るルリナは何処か機嫌が良さそうだ、いつもなら小言の一つも浴びせてくるというのに…
「スパイクタウンに?珍しいな…ソニアとか?」
ここで相手を聞いてしまうのがダンデだ
もし恋人だったら等考えもせず疑問に思った事を素直に口にすると彼にとって信じられない相手の名前が出た
「いいえ、ナマエとよ?」
「ナマエとっ!なっ、何故だ?なんで君と彼女が?」
一体二人はいつ知り合ったのか
何も知らなかった彼にとっては驚くしかない
チャンピオンであり同期の男が慌てる姿は面白くルリナは意地悪く笑みを深めた
「そんなのデートに決まってるでしょ?野暮な事聞かないで頂戴」
クスクスと笑い部屋を出ようとするがダンデは慌ててルリナの後を追いかけ必死に詳しく聞いてくる
のらりくらりと彼の問いかけを意地悪く流すとダンデは顔を曇らせ口元を片手で隠した
「ルリナとナマエがデート?……デートって…事は…ルリナは彼女が好きなのか?…女の子同士だよな?んん?ありなのか?いや、だとしたらライバルという事じゃ…」
「……………本当に恋愛方面はポンコツね」
友愛のデートも知らないダンデに呆れつつローズタワーを出ると彼女は振り返り、いつまでもブツブツと呟きながらついてくる彼を見上げた
「ダンデ、貴方は用事があるんでしょ?こんなところで油売ってていいのかしら?」
「うっ!確かに…時間がないが…」
正論だがナマエが絡むならそちらの方が気になる、悔しげに顔を歪めた彼は何かを我慢する子供のように体を強張らせ小さく震える
「ルリナっ!これだけ聞かせてくれ!」
「なぁに?」
「その……君はナマエが好きなのか?」
ダンデの聞きたい好きは恋愛感情があるのかという事だろう
切羽詰った顔で問いかける彼が面白くてルリナは大人気なく冗談を口にする
「ええ、好きよ」
「っっ!!」
雷にでも撃たれたようにショックを受けた彼は体を固めたまま動かなくなり、その隙にとルリナは今度こそ待ち合わせのスパイクタウンへと向かった
スパイクタウンー
寒気から町を守る為アーケードで町全体を守っている、そのせいで昼でも薄暗くシャッターが降りた廃れた店舗達を赤やピンクのネオンの光がぼんやりと照らしパンクなイメージを与えた
目立った店はなく唯一目印となるポケモンセンター前でルリナとナマエは待ち合わせをした
『なんか凄い町ですね?町の人達も他とは全然違う雰囲気だし』
「ふふっ見た目はね?でも怖がらなくていいわよ、中身は良い人達ばかりだから」
ルリナの腕にしがみついて怯えてしまう彼女の気持ちも分かる
ハロンとは違った雰囲気を持つ人々は皆目つきが鋭く探るようにこちらをじっと見てくる
彼らはただジムリーダーであるネズの妹マリィの敵になるかどうかを探ってるだけであり悪気はないのだが、ナマエに分かるわけがない
ルリナは怯える小動物が可愛くて事実を隠しながら目的地へと向かった
そこは町の奥にある野外ライブスタジオだった
今日は歌手でもあるネズのライブ日
チケットを貰っていたルリナはガラルの有名な歌手だとナマエに教え今回のライブに誘ったのだ
会場にはスパイクタウンの外から来た人々も多く集まっておりナマエは内心ホッとし、漸くルリナの腕から離れステージを見つめた
「ほら、来たわよ!」
『あの人がネズさん?』
白と黒の長い髪をした細身の男性は猫背でダラダラと歩きマイク前へと向かう
これから歌うにはテンションが低い、本当に彼が歌うのかと疑問に感じていると彼はマイクを握り大きく息を吸い込み
「行くぞっってめぇらあぁぁっ!!!」
ビリビリとした大声と迫力
マイクを握った途端眠そうな目つきは鋭くなり会場が盛り上がる
彼の声は低く透き通った聞きやすい声をしており独特の哀愁を孕んだ曲だった
ネズの事を何も知らなかったナマエは彼の見た目と違うギャップに惹かれ気がつけばライブに夢中になりルリナと感想を話す間もなかった
バラードやテンポの速い曲
ライブは最後まで観客の熱気に包まれ歌い終えると汗を額にと滲ませたネズは満足気に長い前髪を払い小さく微笑んだ
「終わったわね、あら?どうしたの?」
ライブが終わりネズがステージから消えると人々は疎らに帰っていく
だがナマエはまだ初めてのライブの熱が抜けずぼんやりとステージを見つめたままだった
顔の前で手を振ってみるが遠くを見たような彼女にどうしたものかとルリナが迷っていると
「ルリナ、珍しいですね…貴女がオレなんかのライブに来るなんて」
「ネズ!」
二人の元に現れたのはさっきまでステージにいたネズ本人だった
これにはナマエも我に帰り緊張のあまり背筋を真っ直ぐに伸ばした
「そちらのレディは?」
「彼女は私の友達のナマエよ」
『と、友達っ!ああああたし友達でいいんですか!』
今更ながら友達というポジションだった事に驚きルリナに顔を向けた彼女は信じられないとばかりに目を輝かせ、ネズは小首を傾げルリナを見つめた
「…………本人めっちゃ驚いてますが?」
「貴女と私は友達よ!当たり前じゃない!」
『〜〜〜っ!嬉しいですっ!』
嬉しさのあまりにルリナに抱きつくと彼女は一瞬驚きつつも嬉しそうに抱き返し、ネズは何を見せられているんだとじっとりとした視線を向けた
「………あ?」
そこでふとネズの視界に紫の物体が入り込んだ
三人から少し離れた建物の影に隠れているそれはサングラスにマスクと怪しさが溢れているが、紫の長い髪…そして何よりも目立ったチャンピオンユニフォームらしき服は一人しか浮かばない
「(………何やってやがんだ?アイツ)」
隠れている変質者もといダンデは壁に隠れつつナマエと抱き合うルリナに嫉妬の炎を燃やしており
「(なんで抱き合ってるんだっ!まさか本当にルリナはナマエが好きなのかっ!!)」
掴んだ建物の壁に指がめり込む程動揺していた
ローズタワーに集められたジムリーダーやスタッフ達、今日はもうすぐ始まるジムチャレンジの説明会だった
段取りは毎年同じであり変わらぬメンバー達は慣れたように書類に目を通し会議は問題なく終わる
敢えて言うならばジムリーダーの一人が欠けているが、これも毎年の事であり全員が空気を呼んでいる
「ネズの分の書類は私が持ってくわ」
ダンデが手に持つ二つの書類
一つは彼のだが、もう一つは今回も顔を出さなかったジムリーダーのネズの分だった
「いいのか?スパイクタウンならルリナよりキバナの方が近いと思うが」
「おい!何自然にオレさまを巻き込もうとしてんだよ、今日はこの後用事があるから無理だっつーの」
会議室から一人また一人と帰る中ルリナとダンデの会話を聞きキバナは嫌そうに目を細めた
「君何だかんだ言ってネズにいつも書類とか必要な物届けてくれるだろ?」
「そりゃ暇な時はな、今日はジム戦に向けて新しい戦略を試したいから無理」
ダンデに向かって舌を出した彼は大きな体をのっそりと揺らしながら部屋を出ていってしまい残ったルリナと目が合う
「じゃあ…頼む、すまないな?俺も用事があって今日は無理だったんだ」
「いいのよ、どうせ今日はスパイクタウンに遊びに行くつもりだったから」
書類を快く受け取るルリナは何処か機嫌が良さそうだ、いつもなら小言の一つも浴びせてくるというのに…
「スパイクタウンに?珍しいな…ソニアとか?」
ここで相手を聞いてしまうのがダンデだ
もし恋人だったら等考えもせず疑問に思った事を素直に口にすると彼にとって信じられない相手の名前が出た
「いいえ、ナマエとよ?」
「ナマエとっ!なっ、何故だ?なんで君と彼女が?」
一体二人はいつ知り合ったのか
何も知らなかった彼にとっては驚くしかない
チャンピオンであり同期の男が慌てる姿は面白くルリナは意地悪く笑みを深めた
「そんなのデートに決まってるでしょ?野暮な事聞かないで頂戴」
クスクスと笑い部屋を出ようとするがダンデは慌ててルリナの後を追いかけ必死に詳しく聞いてくる
のらりくらりと彼の問いかけを意地悪く流すとダンデは顔を曇らせ口元を片手で隠した
「ルリナとナマエがデート?……デートって…事は…ルリナは彼女が好きなのか?…女の子同士だよな?んん?ありなのか?いや、だとしたらライバルという事じゃ…」
「……………本当に恋愛方面はポンコツね」
友愛のデートも知らないダンデに呆れつつローズタワーを出ると彼女は振り返り、いつまでもブツブツと呟きながらついてくる彼を見上げた
「ダンデ、貴方は用事があるんでしょ?こんなところで油売ってていいのかしら?」
「うっ!確かに…時間がないが…」
正論だがナマエが絡むならそちらの方が気になる、悔しげに顔を歪めた彼は何かを我慢する子供のように体を強張らせ小さく震える
「ルリナっ!これだけ聞かせてくれ!」
「なぁに?」
「その……君はナマエが好きなのか?」
ダンデの聞きたい好きは恋愛感情があるのかという事だろう
切羽詰った顔で問いかける彼が面白くてルリナは大人気なく冗談を口にする
「ええ、好きよ」
「っっ!!」
雷にでも撃たれたようにショックを受けた彼は体を固めたまま動かなくなり、その隙にとルリナは今度こそ待ち合わせのスパイクタウンへと向かった
スパイクタウンー
寒気から町を守る為アーケードで町全体を守っている、そのせいで昼でも薄暗くシャッターが降りた廃れた店舗達を赤やピンクのネオンの光がぼんやりと照らしパンクなイメージを与えた
目立った店はなく唯一目印となるポケモンセンター前でルリナとナマエは待ち合わせをした
『なんか凄い町ですね?町の人達も他とは全然違う雰囲気だし』
「ふふっ見た目はね?でも怖がらなくていいわよ、中身は良い人達ばかりだから」
ルリナの腕にしがみついて怯えてしまう彼女の気持ちも分かる
ハロンとは違った雰囲気を持つ人々は皆目つきが鋭く探るようにこちらをじっと見てくる
彼らはただジムリーダーであるネズの妹マリィの敵になるかどうかを探ってるだけであり悪気はないのだが、ナマエに分かるわけがない
ルリナは怯える小動物が可愛くて事実を隠しながら目的地へと向かった
そこは町の奥にある野外ライブスタジオだった
今日は歌手でもあるネズのライブ日
チケットを貰っていたルリナはガラルの有名な歌手だとナマエに教え今回のライブに誘ったのだ
会場にはスパイクタウンの外から来た人々も多く集まっておりナマエは内心ホッとし、漸くルリナの腕から離れステージを見つめた
「ほら、来たわよ!」
『あの人がネズさん?』
白と黒の長い髪をした細身の男性は猫背でダラダラと歩きマイク前へと向かう
これから歌うにはテンションが低い、本当に彼が歌うのかと疑問に感じていると彼はマイクを握り大きく息を吸い込み
「行くぞっってめぇらあぁぁっ!!!」
ビリビリとした大声と迫力
マイクを握った途端眠そうな目つきは鋭くなり会場が盛り上がる
彼の声は低く透き通った聞きやすい声をしており独特の哀愁を孕んだ曲だった
ネズの事を何も知らなかったナマエは彼の見た目と違うギャップに惹かれ気がつけばライブに夢中になりルリナと感想を話す間もなかった
バラードやテンポの速い曲
ライブは最後まで観客の熱気に包まれ歌い終えると汗を額にと滲ませたネズは満足気に長い前髪を払い小さく微笑んだ
「終わったわね、あら?どうしたの?」
ライブが終わりネズがステージから消えると人々は疎らに帰っていく
だがナマエはまだ初めてのライブの熱が抜けずぼんやりとステージを見つめたままだった
顔の前で手を振ってみるが遠くを見たような彼女にどうしたものかとルリナが迷っていると
「ルリナ、珍しいですね…貴女がオレなんかのライブに来るなんて」
「ネズ!」
二人の元に現れたのはさっきまでステージにいたネズ本人だった
これにはナマエも我に帰り緊張のあまり背筋を真っ直ぐに伸ばした
「そちらのレディは?」
「彼女は私の友達のナマエよ」
『と、友達っ!ああああたし友達でいいんですか!』
今更ながら友達というポジションだった事に驚きルリナに顔を向けた彼女は信じられないとばかりに目を輝かせ、ネズは小首を傾げルリナを見つめた
「…………本人めっちゃ驚いてますが?」
「貴女と私は友達よ!当たり前じゃない!」
『〜〜〜っ!嬉しいですっ!』
嬉しさのあまりにルリナに抱きつくと彼女は一瞬驚きつつも嬉しそうに抱き返し、ネズは何を見せられているんだとじっとりとした視線を向けた
「………あ?」
そこでふとネズの視界に紫の物体が入り込んだ
三人から少し離れた建物の影に隠れているそれはサングラスにマスクと怪しさが溢れているが、紫の長い髪…そして何よりも目立ったチャンピオンユニフォームらしき服は一人しか浮かばない
「(………何やってやがんだ?アイツ)」
隠れている変質者もといダンデは壁に隠れつつナマエと抱き合うルリナに嫉妬の炎を燃やしており
「(なんで抱き合ってるんだっ!まさか本当にルリナはナマエが好きなのかっ!!)」
掴んだ建物の壁に指がめり込む程動揺していた