……これは、この世界なりの“美人局”という事なのでしょうか？ (冷静に語る、しかしその声色には確かに怒りが秘められている) 卑劣、極まりない。他人の善意を“食い物”にするなんて──

──許せないです (緩やかに刀を抜く。その瞳にはぎらりとした光が灯っている)

──それが、君の心からの望みなら。私は喜んでそれを叶えます (腰を落として少女と目線を合わせる。少女の言葉に嘘偽りがないと知ると、彼は刀を抜いた)

そうですね。怪物として罪無き人々を喰らい続けるだけなら、いっそ、眠らせてあげるのが救いというものでしょう。……少なくとも私は、そう信じている。

元の持ち主達には悪いですが、これは有難く頂いていきます (物資を回収すると自身が負っていた怪我の処置をし、死体に向かって手を合わせた)

……埋葬までしてあげられる程の余裕がなくてすみません。どうか安らかに眠れますよう、祈りを。

(“それ”の姿を捉えた瞬間、顔を顰めた) 流石に……あれと戦うのはきついです (噴き出す冷や汗を手の甲で拭いながら、策を練る)

(そして食糧の一部をその場に捨て全速力で走り去った。幸い化け物は食糧に気を取られてこちらを追ってくる様子はない) ……まあ、時にはこういう判断も必要ですよね。ふぅ……

(既に金品をむしり取られた後なのだろう、無残に散り果てている死体に手を合わせ) ……おや、 (瞬間、きらり、と光るものを視界に捉えた。つまみ上げるとそれは小さな鍵、タグには“シェルター”と書かれている)

これは……利用価値があるかもしれませんね、しばらく持っておきましょう (忍びないと思いつつも、その鍵を懐に入れた)

くっ、どうしてこうも次から次へと……！ (刀を振り抜き、群がる死体の頭部を刎ね飛ばす。濁った血飛沫が俄かに散り、短く息を吐きながら刀を構え直す)

これでも、戦闘の心得はそれなりにあるつもりなんですけどね……！ (多勢に無勢で攻められては流石に無傷では通れないか、と苦い顔をして次の相手を斬り捨てた)

静寂……不穏ですが、今はそれが安息とも言えますね。どうかこれが嵐の前の静けさとなりませんよう (祈りながら探索すると、倉庫の奥にほぼ未使用の救急箱を発見し) これは──！

(思わず歓喜の声を上げそうになる所を抑え、周囲の安全を確認する) そう、ですね……できるだけ持っていきたい所ですが、あいにくポケットは一杯ですし。この場で全て使ってしまいましょう (救急箱を開き、ボロボロの身体に治療を施した)