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灯色
……おかしいな、あれは昨日、確かに…… (迫る気配には覚えがある、『獣鼻』を鳴らしながら位置を探ると、相手が飛びかかってきたその瞬間『爪』を振り下ろした)
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灯色
(──深々と切り裂かれた相手は、血溜まりの中に倒れ込む) えっと、なんていうか……ほんとゴメン!! (ぱっ、と手を合わせるとそそくさとその場を立ち去った)
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灯色
おっ、ここなら休めそうかな〜 (カンテラを掲げてトンネルの中を覗く……と、ぎらりと反射する二つの光。獣の吐息を感じ取った瞬間、飛び退いた) うおっ、あっっぶな!!
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灯色
よく分かんねーけど邪魔すんなよ!! (勢いのままにトンネル内部に『火玉』を放つ、黄昏色の炎が煌々と燃えて──) あ……これじゃ休めねーや、失敗失敗……
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灯色
うへぇ、ゴミだらけだ。でも、なにか使える物があるかも…… (カンテラを掲げて探索すると、きらり、と光が反射する) おっ、なんだこれ。笛かな？
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灯色
(軽く汚れを落として吹いてみる、しかし思ったような音は出ない) んー、これもしかして“犬笛”ってやつか……？
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灯色
よく分かんないけど、使えるかもしれないし持っとくか！ (犬笛をポケットに忍ばせるとその場を後にした)
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灯色
むむっ、これは前にも見たやつ！ 今度は負けないぞ!! (深く息を吸い身構えると、相手と同じ『爪』を目一杯開き、意を決して飛び掛かった――)
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灯色
ん〜……やっぱここにもなんかいるな。入らない方がいいよなこれ…… (トンネルの外から遠巻きにカンテラを掲げ、しかしやはり奥に何かの気配を感じて)
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灯色
仕方ない、休むのは諦めて── (からん、とカンテラを振ると『火玉』が燃え盛りトンネル内部を焼き尽くす) “敵”だけでも倒しておかないと、な
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灯色
う……、嘘、まって、やめて、 (彼の懇願が聞き届けられる事は無い、這い蹲る彼の首に縄がかけられようとした、その時──)
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灯色
──犬、笛……！ (目の前に転がっていたそれを口に銜えて、思い切り息を吹いた)
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灯色
(それは異形の者にしか聞こえない、耳を劈くような甲高い音が辺りに響き渡って──)
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ウタカタ……そこのおばあさん、何してるの。
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ウタカタ
あ、ちょっと、 (老婆は第三者が現れた事に気付くと、慌ててその場から逃げ出していく)
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ウタカタ
……何だかよく分からないけど、まあいいか (青年は灯色を一瞥すると、しかし何を言うでも無くその場を立ち去って行った)
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灯色
……助かった、のかな (その場に一人取り残される、未だ身体は毒で動けないがじきに回復するだろう) それにしても、今の、誰だったんだろ……
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灯色
ひいっ!? ま、待って!! 何しようとしてるの!!? (大声で叫びながら自警団らに呼びかける) 俺は、ほら、まだそんな、怪物とかじゃあないよ!!?
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灯色
(自警団らは何やら言葉を交わすと審議を始めた、どうやら彼の“異形度”について話し合っているようだ、やがてその数名が頷くと――)
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灯色
(――彼の身は解放された) よ、よかったぁ…… (火花を散らす架線の切れ端に視線を向けながら、心底胸を撫で下ろした)
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