第3章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「訓練は終了だ。解散。」
短く告げて、俺は踵を返した。
誰かの返事を待つ事もなく、状況の確認もしない。
もう、必要なものは見た。
背後で装備を外す音や、息を吐く気配が広がる。
その中に、ユニの動きもあるはずだ。
……だが、振り返らない。
今は──見たら、足が止まる。
向かう先は、ひとつ。
団長室。
廊下を進み、迷いなく扉の前に立つ。
ノックはしない。
許されている。
それに──今さら礼儀を整える気もなかった。
扉を開ける音が、少し大きく響く。
「……!」
書類から顔を上げたエルヴィンが、一瞬だけ目を見開いた。
それから、すぐに苦笑する。
「びっくりしたな……。どうした、リヴァイ。訓練終わりか?」
俺は返事代わりに一歩、室内に入る。扉は、閉めない。
逃げ道を残すためじゃない。今の話に、"外"は関係ないからだ。
「決めたぞ、エルヴィン。」
その一言で、空気が変わる。
エルヴィンはペンを机に置き、背もたれに軽く体重を預けた。
「……ほぅ。」
興味と、確信が混じった声。
「班の件か。」
「そうだ。」
俺は、短く頷く。
言葉を選ばない。回りくどい説明も、いらねぇ。
「ユニを入れる。」
一拍。
エルヴィンは、すぐには口を開かなかった。
だが、驚いてはいない。
「……理由を、聞いてもいいか?」
静かな問い。
確認であって、詮索じゃない。
──分かってる。
どんな理由でも、エルヴィンは首を縦に振る。
それを分かった上で──答える。
「俺が、必要だと判断した。」
それだけ。
余計な説明はしない。功績も、理屈も、並べない。
現場で見た。判断した。それで十分だ。
エルヴィンは、一瞬だけ目を細めてから──
小さく、息を吐いた。
「……それでいい。」
即答。
書類に視線を戻しながら、だが声ははっきりしている。
「お前がそう判断したなら、それが最善だ。」
ペンを取り、何かを書き加える。
「あとは、俺が引き取る。」
つまり──承認は、もう終わっている。
俺は、短く頷いた。
「……助かる。」
それ以上、言葉は交わさない。用件は、もう済んだ。
踵を返す。
扉を出る、その直前。
背後から、穏やかな声が落ちてきた。
「リヴァイ。」
足を止める。
「いい班になる。」
断言。
振り返らずに、俺は答えた。
「……当たり前だ。」
そうじゃなきゃ、意味がねぇ。
廊下に出る。
歩きながら、訓練場の方角を思い浮かべる。
──あいつは、まだ知らない。
だが、それでいい。
伝えるのは、選んだあとだ。
俺は、もう決めた。
リヴァイ班に──ユニを入れる。
それだけで、十分だった。