第3章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
訓練場。
立体機動用のワイヤーが、木々と建造物の間を縫って張られている。
今日は、個人技の確認じゃない。連携前提の高速移動訓練だ。
俺は、前に出る。
いつも通りだ。最前線で切り込む役。
一瞬で距離を詰め、模擬標的を潰す。
その直後──振り返る。
……いる。
いや、もう動いている。
俺が進んだ進路の後方。
ユニは塞がれるはずだった進路を先に潰し、別の班員の速度を落とさない位置を確保し、次に俺が戻るであろうルートを、すでに空けている。
誰にも言われていない。俺も、指示していない。
それが当たり前みたいな顔で。
……前は違った。
俺を見て、動いていた。確認して、追随していた。
だが今は──状況を見て、先に動いている。
俺が振り返った時には、「次の一手」が、もう置いてある。
……俺が"指示を出す側"じゃなくなってるな。
その考えが頭をよぎった瞬間──
訓練は続く。
次の想定。地形が変わる。
視界が一瞬、切れる。ほんの、一瞬だけ。
判断が、遅れた。
地形。他班員の位置。想定より速い移動。
……チッ。
その刹那──前に出てこない。
だが、空いてはいけない場所が、埋まった。
──ユニだ。
無理に俺を助けに来たわけじゃない。俺の横でも、前でもない。
[ここに誰かがいなきゃいけない]
その位置に、最初から決まっていたみたいに立っている。
ワイヤーが張られ、退路が繋がる。
俺は、動ける。
……助けられた、じゃねぇ。
役割を、果たされた。
やがて、訓練が終わる。
号令がかかり、兵士達が散っていく。
俺は、ユニを見る。
いつも通りの顔だ。達成感も、誇示もない。
ただ「終わった」と理解しているだけ。
……違うな。
こいつは、俺の補助じゃない。俺の後ろを走る存在でもない。
俺と同じ速度で、同じ地平を見ている。
──片翼だ。
そう思った瞬間、迷いは、もうなかった。
班員の顔が、頭の中で静かに並ぶ。
そして最後に──ユニの位置が、自然に収まる。
選ぶ、じゃない。もう、決まっていた。
俺は目を伏せて、
短く息を吐いた。
面倒な決断だと思ってたが──
違ったな。
これは、確認だ。