第3章
夢小説設定
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──来る。
廊下の角。足音の重なり方で、分かる。
速い。重い。あの体格──ミケだ。
以前ならユニが弾かれて、俺が受け止めて終わりだった。
二度目は肩を掴んで、軌道をずらした。
──三度目は。
俺は、半歩だけ前に出る。声は出さない。
ユニの進路を、体で切る。同時に、背中へ手を回した。
掴まない。引き寄せない。ただ──"そこにある"だけ。
衝突の衝撃は、俺が受ける。
「……悪い。見えなかった。」
低い声。ミケのいつもの台詞。
ユニの体が一瞬だけ揺れて、すぐに止まる。
俺の胸にぶつかりかけて──踏みとどまった。
「……大丈夫か。」
自然に、口が出た。
ユニは一拍遅れて、俺を見る。
──目が合う。
「……はい。」
短い返事。けれど──呼吸は乱れていない。
良い反応だ。
俺は、手を離す。
離した──のに、ユニは一歩も退かない。
……慣れやがった。
ミケが一瞬だけこちらを見て、小さく肩をすくめる。
「次から、気をつける。」
「……あぁ。」
それだけ返す。
去っていく背中を、目で追う事はしない。
視線を戻すと、ユニが首を傾げた。
「……今の、」
「止まれ。」
被せる。
「反射で前に出るな。次は、俺が合図する。」
「……はい。」
素直だ。だから、余計に──
俺は、息を吐く。
守るのは、簡単だ。受け止めるのも、慣れてる。
だがこうして"事前に"位置を取るのは、別の判断がいる。
危険を潰す。同時に、あいつの足を奪わない。
……ややこしい。
歩き出すと、ユニが半歩遅れて並ぶ。
距離は、近い。近すぎない。ちょうどいい。
「……リヴァイ兵士長。」
「何だ。」
「さっきの……、」
言いかけて、言葉を探している。
俺は、前を見たまま言った。
「気にするな。"衝突しなかった"なら、それでいい。」
ユニは少しだけ考えて──
「……分かりました。」
納得した声。
それでいい。
三度目は、吹き飛ばさない。掴みもしない。ただ、当たらせない。
それが、今の俺の選択だ。