845年~851年
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コンコン、
「エルヴィン団長、ユニです。」
ひたすらにリヴァイの話を聞き、気持ちも落ち着いてきたかというところでベッドへ寝かせて十数分程で寝息が聞こえてきて、ようやくひと息つけた。今日は朝から予定がびっしりで、おまけにどれも内容が濃く、長い1日だった。お肉もたらふく食べさせられたし正直言うともう寝てしまいたかったが、眠るにしたってエルヴィンの顔を見てから眠りたいと、こうして遅い時間にも関わらず足を運んだ次第だ。
「どうぞ」という声ははっきりとしていて、彼もまだ眠っていなかったのだとホッと一安心し部屋へと入ると、彼は既に部屋着に着替えていたし髪の毛のセットもされておらずキュンと胸の奥が疼いた。
「ずいぶん遅かったな。リヴァイか?」
「はい、まぁ…。…今日はさすがに疲れました…。シャワーをお借りしても?」
ぽす、と軽くエルヴィンの胸に身を預けると、背中に優しく腕が回された。労わるように撫でられる背中が、温かくて気持ちいい。
「あぁ。…いや、俺が洗ってやろう。うちの団長補佐は、相当お疲れのようだからな。」
「はっ…?洗うって、何を…?」
いい具合にリラックスして今さらながら眠気がやってきそうだと思った矢先、爆弾発言を落とされて一気に頭が覚醒し、敬語を使うのも忘れて彼を見上げた。彼は変わらず優しい笑みで私を見下ろして、そこに含まれた意味は分からなかった。
「君の髪も体も、全て洗ってあげよう。心配するな。君の体に負担をかけるわけにはいかないからな、誓って変な事はしない。」
「へ…変な事って…、…エルヴィンがそれを望むのなら…分かりました。…お願いします。」
彼が私の体を気遣っているのは確かだ。決して無理な事はしないはずだと信じて、身を委ねた。恥ずかしさはあるが今さらだと自分に言い聞かせて軽く両手を上げると彼は軽々と片腕で私の体を下から持ち上げて、シャワー室の方へと歩を進めた。
「君は小さくて、相変わらず軽いな。肉は食ったんだろう?」
「食べましたよ…。リヴァイが"摂れる栄養は全て摂れ"と、自分の分まで分けてくれて…。」
「はは、まるで親鳥だな…。着替えを持ってくるから、服を脱いで待っていてくれ。体を冷やさないように、シャワーは出しておくんだぞ。」
「はい…。」
大切なものを扱うようにゆっくりと床へと降ろされ、おでこにキスをひとつしてから脱衣所から出ていく彼を見送ってから、ジャケットに手をかける。こうなったからには覚悟を決めて全て受け入れようと心を決めて、シャツを脱ぎズボンを脱ぎ、そして下着まで取り払って最初に脱いだジャケットを上から掛けてそれらを全て隠した。何度か使用した事のある団長室のシャワールームの勝手は、もう分かっている。中へ入って椅子に腰掛け、シャワーのハンドルを捻ってしばし待つと蛇口から出てくる水は段々とお湯に変わり、適温に達したところで足からお腹、そして肩まで温めた。
「待たせてしまってすまない。…これはまた、ずいぶんと色っぽいな。」
「!…あまりまじまじと見ないでください。頭も体も、綺麗にしてくれるんでしょう?」
「あぁ、そうだったな。…既にさっきの約束を、後悔しているよ。」
「ふふ、もう…。約束は約束ですからね。」
「とても残念だ。…では早速だが、上を向いてくれるか?」
出しっぱなしのシャワーはエルヴィンの手に奪われ、背中へと当てられる。彼の言葉に従って上を向くと、結いたままだった髪の毛が解かれて背中に張り付いた。彼は片腕だから、濡れた髪を解すのは自分でやるしかない。腕を上げて指を通すと少しずつ解れていって、やがて頭皮まで水分が行き渡った。無意識に閉じていた瞳を開けると彼と目が合って、どちらともなく微笑みあった。
「ふふ…気持ちいい…。」
いつの間にか、片手でシャンプーをするのにも慣れたのだろう。彼の動きは驚くほどスムーズで、そして丁寧だった。体にはずっとシャワーのお湯がかけられて温かくて、あまりの気持ちよさにこのまま眠ってしまいそうだ。
「明日は…君の家に、挨拶に行こう。」
突然の脈絡のない話題に、ぱち、と目を開ける。私の家に挨拶、という事は、母に会いに行くという事で…確かに、妊娠したという報告くらいはさすがにするべきではある。
「…調査兵団団長であるエルヴィン・スミスが家に来たら、さすがの母も驚いちゃいます。」
なんてったって、処刑寸前から革命を起こしたその張本人なのだ。今やこの壁内で彼を知らない者はいないだろう。そんな人が「娘さんの恋人で、お腹には子供もいます」なんて言い出したら、さすがの母だって驚いて腰を抜かすくらいはするかもしれない。
「君が嫌だと言っても、一人で行くからな。君の生家がどこにあるかは、もう調べがついている。」
「そんな、人を犯人みたいに…。…行きますよ。ただ、そうですね…私服で行きましょう。調査兵団だと一目で分かると、人集りができて騒ぎになってしまうかもしれないので。」
「…そんなにか?君は心配性だな。」
「エルヴィン…もしかして、あなたは自分の顔の良さを知らないんですか…?身長も高いし体も大きいし、とても目立つんですよ?」
「…そうか…。分かった、そうしよう。」
何かを言いかけて飲み込んだその表情は、あまり理解をしていないような微妙な表情だった。が、まぁ了承を得られたのだから良いかと、私も言葉を飲み込んだ。
ザァァア─と泡を流して、コンディショナーをして、また流して。上を向いていたのを元に戻そうとすると頬に温かい手の感触がして目を開けると愛おしそうな笑顔が逆さまに見えて、もう一度目を閉じた。
「…この体勢のキスは、エルヴィンが辛いのでは?」
「フッ…、そうだな。だが、どうしても今したくなったんだ。」
「ふふ…、それで体を痛めたら、どうするおつもりですか?2日後の作戦に参加させてもらえなくなりますよ。」
「それは困るな。普通にキスする事にしよう。」
いつの間にか石鹸を片手で器用に泡立てて、その泡だらけの左手が私の体を滑らかに滑る。どうしてもその動きが性行為を想像させて、キスの合間に吐息が漏れる。
「は…っ、エルヴィン…服、が…。」
ぴったりと密着した上半身はそもそも服を身につけていなくて、直接触れ合う肌と石鹸の泡の感触も相まってそういう気分になってくる。しかし、彼は部屋着のズボンは履いている。今どういう体勢なのか私からは分からないが、私達の身長差から察するに既にびしょ濡れになっている事だろう。
「濡らすつもりはなかったんだが…君の体に触れるのに、冷静でいられるわけがなかったな…。」
「…あとは自分で洗いますから、着替えてください。」
「いや、最後までさせてくれ。君にたくさん触れたいんだ。」
そんな熱烈なお願いを、私が断れるわけもなく…体を全て洗い終える頃にエルヴィンは頭の先から足のつま先までびしょびしょに濡れてしまっていた。その姿を見てしまっては、もう気持ちよさだとか恥ずかしさだとか、そういうのは全てどうでも良くなってしまった。
「お着替え、持ってきますね。」
「あぁ、すまないな…。」
私に夢中になってびしょ濡れびしょなるだなんて、こんなに嬉しい事はない。エルヴィンは時たま、ごく稀に、こういう事をするから愛おしい。
「今日は、一緒に寝てもいいですか?」
「もちろん。そのつもりで来たんだろう?」
お互い寝巻きに着替えて、ベッドに寝転ぶ。エルヴィンは体が大きいから二人で横になると狭いのだが、その分密着して眠れるから、私は好きだった。
「…エルヴィン、いい匂い…。」
「そう言ってもらえると、安心するよ。」
「?」
「いや、気にするな。ほら、もう寝なさい。」
「ん…、おやすみなさい、エルヴィン。」
ぎゅう、と彼の胸に顔を埋めて、彼の匂いを肺いっぱいに取り込んで目を閉じた。そうしたら一気に瞼が重くなって、あっという間に夢の中。次に目を覚ました時にどんな夢を見たかは忘れてしまうけど、幸せな夢だった事はきっと覚えてる。