845年~851年
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「なんで、こんな事に…。」
エルヴィン団長の、団長室。団長が休暇を取るためにハンジさんを呼ぶと何故かリヴァイまで着いてきて、わけを聞くと私を探し歩いていたところをハンジさんが見かけ「それならエルヴィンと一緒に団長室にいるはずだ。私はエルヴィンに呼ばれたんだけど、一緒に行くかい?」と声をかけここまで一緒に来たらしい。そこまではいい。そこまでは。
そこから休暇の話をして「そういう事なら…OKだ。了解した」と丸く納まったはずなのだが、なぜか久しぶりにお酒を飲もうという話になり、今に至る。エルヴィン団長は隠しきれないフェロモンを垂れ流しているし、ハンジさんは楽しそうにベタベタとダル絡みを始め、リヴァイはそれを鬱陶しがっている。私はあまりお酒を好まないので耐えているが、そろそろそれも限界そうだ。
序盤の方からハンジさんは「ユニも飲もうよ〜」と酒を勧めてきていたのだが、私が断り続けるのに業を煮やし、とうとう「飲め!」と無理やり押し切ろうと首根っこを掴まれた。そしてグラスを私の口に押し付け傾けるので、私はゴク、と飲み込むほかなかった。
「ん…!!っは…!ちょっとハンジさん、無理やり飲ませないでください。」
「まぁまぁ。君が頑なに飲まないからだぞ。さぁ、どんどん飲むんだ。」
「ちょっ…やめてください!やめ、…!」
抵抗虚しく、口に注がれるお酒。エルヴィン団長の部屋を汚すわけにはいかないと少しずつ飲み込んで、ようやくグラスが離れていった時には空になっていた。それを確認した途端に、頭がふわふわしてくる。
「うぅ…、ハンジさん…、許さない…。」
「あはは!かわいいなぁ、ユニ。まさかそんなに弱いなんて!」
「団長…。こんな人が次期団長だなんて信じられません…。考え直してください。付き合わされる団員達が可哀想です…。」
「かわいい君の頼みなら、聞かなければならないな…。致し方ない。」
頭が重くてしゃがみこんで、そばにあった団長の長い足に縋りついた。そうしたらヨシヨシと頭を撫でられて、その上かわいいだなんて嬉しい言葉を頂いてしまった。好き…。
「なになに〜?かわいいだって?君達ってそういう関係〜?」
「おい、やめておけ、ハンジ。」
「だってさぁ〜!正直もう言っちゃえよって思うだろ?隠そうとはしてるんだろうけど、無理があるだろ。ねぇエルヴィン、実際のところそうなんでしょ?」
「あぁ、そうだ。」
「!」
「そもそも俺は、元から隠すつもりもない。聞かれなかったから言わなかっただけだ。」
「だろうな。ところ構わずイチャついてりゃ、嫌でも気がつくだろ。…コイツは、そうは思ってねぇみてぇだが。」
そんなの、初めて知った。確かに内緒にしようだなんて言われた事もないが、彼は団長という立場だから、そういうのは公にしない方が良いと…勝手に、思い込んで……。それに、一応時と場合を選んでいるつもりで…、あぁでも、生きていた事が嬉しくて団員の前で抱きついた事が…。あれがいけなかったのか。
「…こういうところが、かわいいだろ?」
「チッ。気色悪ぃ。何が嬉しくて上司2人の色恋沙汰を見せられなきゃならねぇんだ。」
「リヴァイは面白くないだろうね〜?かわいいユニは、自分の上司のエルヴィンのものなんだもんね?」
「あぁ?ハンジテメェ、喧嘩売ってるのか?」
「まさか!ユニはモテモテだなぁと思ってさ。新兵にも人気だって知ってる?ユニはいくつなのか、いい人はいるのか、一体何人に聞かれた事か!」
そんなの、初耳だ。リヴァイとの立体機動訓練の時は良く思われていないのかと思っていたのだが、そんな事はなかったという事だろうか。
「あはは。みんな私がただの優しいお姉さんだと思ってるんだよ。」
「違ぇねぇな。」
「そういえばユニは、エルヴィンの友人に相当な恨みを持ってるんだって?エルヴィンに聞いたよ〜?憲兵師団長に向かって無能だって言い放ったって。」
「だって本当の事だから。」
「あっははは!君のそういうところ、私も最高に好きだよ。もっと出していきなよ。」
「何言ってる。近頃はすぐ出るだろ。」
「はは、そうだな。力では勝てない相手にも喧嘩を売るんだが、それが子猫の威嚇みたいでかわいいんだ。」
「そんな事を言ってるんじゃねぇ。黙ってろ酔っ払い。」
「あはは!酔ってないのはリヴァイ、君ぐらいだよ!」
リヴァイはお酒にとても強いらしい。こういう人の事をザルというのだろう。私はだめだ。前に貴族の集まるパーティーに連れていかれた時はシャンパンだったからマシではあったが、飲んだあとからなんだか楽しくてふわふわして、終始笑顔を浮かべていたらしい。一応記憶は残っているし余計な事は口走ったりしなかったのだが、リヴァイの言う通りただでさえストッパーが緩くなったいま外で酒を飲むのは控えた方が良さそうだ。なんて事を考えながらぎゅっと抱きしめたのがエルヴィン団長の脚だというのを思い出して彼を見ると、「ユニ、そろそろこっちにおいで」と優しい顔で言うので有難く隣へと腰を下ろした。それはもう、隙間がないくらいピッタリくっついて。
「はぁ…、もう離したくない…このまま眠りたい…。」
「いいなぁ、エルヴィン。私にもちょっと分けてくれよ。」
「ダメ。私は全部、エルヴィン団長のものなの。髪の毛1本だってハンジさんにはあげない。」
「えぇ〜!…っあははは!リヴァイきみ、なんて顔してるんだよ!」
「リヴァイ、残念だったな、諦めろ。」
「…うるせぇな、殺すぞ。」
「まぁまぁ。ユニに振られた者同士、仲良くしようじゃないか、リヴァイ。」
「おい、ベタベタするんじゃねぇ。」
「ふふ…私は、みんな好きだよ。エルヴィン団長が一番だけど。」
「ユニ…!!」
エルヴィン団長はもちろん、リヴァイもハンジさんも、みんな好きだ。エレンやアルミン、ミカサ…104期生のみんなもだ。目を閉じる最後にはみんなにぎゅっと抱きしめられるような感覚を感じたが、瞼が開く事はなかった。次に瞼が開いた時には外が明るくなり始めていて、そして、ものすごい頭痛に襲われていた。ただ私を大事そうに抱えたエルヴィン団長の両脇にリヴァイとハンジさんがもたれ掛かるように眠っていて、幸せだなぁ、としみじみ思った。