845年~851年
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ユニ…お前はここにいろ。絶対に部屋から出るんじゃねぇ。分かったな?」
「うん…分かったってば。ありがとね、リヴァイ。ハンジさんにも、そう伝えといて。」
リーブス商会協力のもと、ニック司祭を殺した実行犯2人を捕らえる事に成功した。そしてこれから、彼らの拷問が始まる。リヴァイとハンジさんがその役を買ってでてくれたが、私も…と立ち上がるとリヴァイに強制的に椅子に座らされた。いくらなんでもそんなもの見せたくないからと頼み込まれ、仕方なく部屋へと残った。
「んー…、この悲鳴を聞いてると、気が滅入りそう。外にも出るなって言ってたし、みんな、何か楽しいお話でもしようよ。」
「正気ですか、ユニさん…。」
「正気…ではないかもしれないけど、このままこの叫び声を聞き続けても、頭がおかしくなっちゃうよ。私はしばらく入院してて、特に面白い話もないし…ね、お願い。」
「んなかわいく言われても…。」
「はい!私から質問、いいですか!」
乗り気じゃない他の子達とは違い、サシャだけは元気よく手を挙げ私に顔を近づけた。…なんだか、ハンジさんみたいだ。
「質問コーナーも良いね。じゃあサシャ、どうぞ。」
「ユニさんとリヴァイ兵長はその…、男女の関係なのでしょうか!」
ああああああああぁぁぁ──
一際大きな悲鳴が、部屋に響いた。この部屋の中の空気は、凍りついていた。私とサシャを除いては。
「ふ…、あははっ!」
「…ユニさん…?」
「そんな怖がらなくていいよ。別に教えるし。私とリヴァイはね、そういうんじゃないの。お互いを信頼し合っている…戦友?みたいなものでね。私から見たリヴァイは、かわいい部下だよ。お互い依存し合ってるから、そう見えるのも仕方ないかもね。」
「かわいい…ですか…?」
「うん。私だけに懐いてる、かわいい黒猫だと思ってる。」
「ブッ…!ゲホッ、…!」
ジャンが吹き出したところでようやく、みんなの緊張が解れた。連日神経をすり減らしているから、みんな休める時には休んでほしい。
「リヴァイ兵長がかわいいなんて…ユニさんしか思ってないッスよ。」
「そうかなぁ?エルヴィン団長だって、思ってると思うけど。」
「そうだ、エルヴィン団長は?団長とは、どういう関係なんですか?」
「…エルヴィン団長?そうだなぁ…、神様…もしくは教祖。」
「は?」
「ふふっ、内緒!」
「えぇ!?答えてくれるって言ったじゃないですか!」
「確かに。んー、じゃあ……エルヴィン団長は、私の希望…とだけ言っておこうかな。」
「えぇ〜!」
あまりに抽象的すぎるが、私とエルヴィン団長の関係を他者に話すには、ややこしすぎた。それに関係を語るにはエルヴィン団長の夢の話が必要不可欠で、勝手に話すわけにはいかなかったのもある。
ガチャ、ギィィ──
「…なんだ、葬式みてぇな雰囲気を醸し出してるかと思ったが、随分と楽しそうじゃねぇか、お前ら。」
「リヴァイ。終わったの?」
ガタ、と椅子から立ち上がりリヴァイへ近寄ろうとすると、サッと両手を上げ止まるようジェスチャーしてきた。
「先にコイツを捨ててくる。話はそれからだ。」
コイツ、とは、返り血の付いたエプロンや手袋の事だろう。一体どんな事をすれば、拷問であんなに血が流れるのだろうか…と想像しそうになったが、頭の中から打ち消した。
「…待たせたな。」
数分の後に戻ってきたリヴァイはもういつものリヴァイで、ハンジさんに拷問の末聞き出した事を話すよう促した。そうしてやっと語られた事実は、私達の想像を遥かに超えるものだった。
「正統な王位継承者…。…ヒストリアが…。」
つまりは、今の王は偽物。そんな事が、あっていいのだろうか。…今すぐ、エルヴィン団長に会いたい。だって、あの仮説は……。
そりゃ、王政はエレンとヒストリア、どちらも欲しいはずだ。我々調査兵団に匿われていれば、いつその事実を公表されるか分かったもんじゃない。
「…ユニ、ハンジを見なかったか?」
「多分地下じゃないかな?さっき、サネスをラルフのいる牢に連れていくって言ってたから。」
「そうか…一丁前に、考え事か?」
何気なく始まった雑談。しかしリヴァイの足は地下へと続く階段の方へと向いていて、一緒に行くつもりのようだ。仕方なく、私もそちらへと歩き出した。
「考え事、というほどじゃ…。ただ、ライナー達との戦いのあとから立て続けに色んな事が起こって…情報の整理をしてたの。私はエルヴィン団長みたいに、頭の回転が早くないから…。」
「あぁ。頭が痛くなるな。」
「本当だよ。…エルヴィン団長、今頃どうしてるかな…。」
情報の整理をしていた頭の中は、一瞬でエルヴィン団長の事でいっぱいになる。彼は片腕だから、色々と不便だろう。ご飯を食べるのも書類に記入するのも全て、左腕だけ。私がこっちに来たのは間違いだっただろうか。なんて考えたが、私があちらに残っていたって、役に立てるのはそれくらい。だからやはり、こっちにいるのが最善だ。
ドォン──!
階段を降りた先の狭い部屋。そこに、ハンジさんはいた。チラリと見えたが、ハンジさんの長い脚がテーブルを粉々にしたように見えた。なんだか、相当イラついているようだ。
「悪いね、散らかしちゃって…。ゴキブリがいたんだよ。」
「…そうか。だがお前の一撃で、粉々に消し飛んだはずだ。…アイツらに例の件を話してやれ。」
「おっと…そうだったね。」
「例の件?」
「あぁ。お前には俺から、先に言っておこう。簡潔にな。」
リヴァイの話は、簡潔だった。
エレンがライナー達に攫われた時に彼らが話していた内容を書き記して、ハンジさんへと渡していたらしい。その内容を見るに、ユミルはライナー達の仲間の内1人を食い、人間に戻った。そして巨人化できる人間になったのではないか。つまり、巨人化できる人間を食えば、人間に戻れる。そしてその巨人特有の能力は、そのまま受け継がれる。…また、新しい事実。いや、仮説か?よく分からなくなってきた。
「…そういやお前、怪我は大丈夫か。」
「ん…、あぁ、大丈夫だよ。良くも悪くも、変わりない。無茶な飛び方したと思ったけど、案外立体機動装置って頑丈なんだね。中を開けて見てみたけど、あの飛び方でもそんなに消費してなかったから、もっとギリギリを攻めてもいいかも。そうしたら今よりもっと、上手く扱えるかもしれない。」
「お前…。…俺は、お前の怪我の具合を聞いたんだが?」
「…あれ?本当だ。」
「……どうやらお前にも、休息が必要らしいな。」
「え?そんな、大丈夫だよ。確かに怪我はまだ完治してないけど…今までずっと療養してたんだから。」
「だからこそ、だよ。ずっと引きこもってたのにいきなり外に出て、人を何人も殺して…。体の方は大丈夫でも、精神的に疲れているんだと思うな。まぁ、体も全然大丈夫じゃなさそうだけど。」
「……そう、なんですかね…?っわ!」
ガシ、と頭を抑えるのは、リヴァイしかいない。一歩前を歩くハンジさんはこちらをチラリと見て、また前に視線を戻した。
「お前が潰れたら、誰がここにいる奴らのケアをするんだ。」
「そ、れは、リヴァイだってできるでしょう?」
「あ?できねぇよそんなモン。仮にできたとして、俺が全員のケアをしたその後は、誰が俺のケアをする。」
「……えーと、えーと……、ハンジさん?」
「本気で言ってるんだとしたら、殺すぞ。」
理不尽!!
「さ、2人ともイチャつくのはあとにして、みんなに話をしよう。」
「イチャついてないっ!虐められてます!」