845年~851年
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久しぶりに街に出ると、そこには異様な空気が漂っていた。それに……どこか騒がしい。
聞いた話では、リヴァイは104期生達と班を組みエレンとヒストリアの護衛をしているのだという。早く合流しなければ。早く、リヴァイに会いたい。
私服のローブのフードを目深に被って、立体機動でその騒ぎの方を目指した。
ワイヤーを巻き取る勢いで体が痛むが、我慢できない程じゃない。
今のこの騒ぎの中心にはきっとリヴァイがいるはずだと確信を持って進んでいくと、ずっと先の方に立体機動をしている人影を確認した。
あの動きは、リヴァイじゃない。彼に比べると、ずっと下手くそだ。
104期生の誰かか、敵か。それを見定めるまで、気づかれぬよう立ち回らなければ。警戒しながら迂回すると、どうやら敵であるらしい事が分かった。数人で動いているし、武器は超硬質ブレードではなく、銃。銃相手に戦わなくてはならないなんて…骨が折れる。
「……!」
とうとう、その敵達に追われるリヴァイの姿を捉えた。巨人相手に立ち回るのとは違い、その動きは気迫に満ち溢れていて……遠目からチラリと見ただけだというのに鳥肌がたった。
そのリヴァイは手持ちの超硬質ブレードを使い着実に1人ずつ敵を倒していき、やがて街の酒場めがけて突っ込んでいった。
ガチ、
大きな音を立てぬよう、比較的静かに、ブレードを装填する。
まだ、リヴァイに会えてもないのに…どうやらリヴァイに会うためには、私はあいつらを倒さなくてはならないらしい。
ふぅ、と息を吐いて、肩の力を抜いた。
固唾を呑んで機を待っていると、リヴァイの逃げ込んだ酒場から立て続けに何かが飛び出してきて、敵の視線がそこへと集まった。
「ここだ…!!」
パシュ、とアンカーを飛ばした先は、敵の首。「グッ…!」という呻き声が耳障りで、耳を塞ぎたくなった。しかしその腕は、代わりにその人間を切り裂くために振るわれた。
ザシュ、
……気分が悪い。胸も腕も痛いし、人を切った感触に少し手が震える。しかし今は、まだ残っている敵を殺す事に集中しなければならない。無理やりに思考を止めて、次のアンカーを飛ばす。慌てた様子の敵が銃を撃つが、冷静じゃない時に撃った弾など、当たるはずもない。
ギュィィィイイ!とワイヤーを強く巻き取ったその勢いのまま、2人の首を刎ねた。
「…ッ、ユニ!!」
私の名を呼ぶ、リヴァイの怒号。フードで顔を隠しているというのに、もうバレてしまったらしい。くるりと方向転換して、リヴァイのいる方へと体を翻した。
こんな時に何だが……久しぶりの立体機動、楽しい…!!と、体が喜んでいるのが分かる。初めて人を殺したばかりで、気持ちが昂っているのかもしれない。
「お前…ッ、こんなところで、何してる!!」
「それはッ…、あとででいいかな!?敵を殺さなきゃならないのは、分かってる…!!どこに向かえば良い!?」
「…ッ、向こうだ!」
建物のある立地で、良かった。向こう、と指し示された方をチラリと見て、再度方向転換をしリヴァイから離れた。
追いかけっこは、追う方が有利。それは鉄則だ。しかしそれは、足の速さが同等レベルだった時の話。それに逃げる側が建物という障害物を上手く使えば、逃げる方にも十分に勝算はある。
こちらは今、私とリヴァイの2人。殺す技術は向こうの方が上かもしれないが、こと立体機動においては、私達の方が上だ。
ヒラヒラと銃弾を避け、こちらの立体機動装置のアンカーの射程圏内に入ってきた奴を狙い、着実に1人、また1人と処理していく。巨人に比べれば、楽だ。ただ、彼らは人間。考える頭があるし、動きも機敏だ。一瞬油断した隙に視界外から銃口を向けられているのに気づき、冷や汗をかいた瞬間──
リヴァイに、蹴り飛ばされた。
「ウッ…!あ…ありがと…!」
未だ完治していない傷がズキ、と痛んだが、止まっている余裕はない。気が付かないふりをして、各々目的地を目指した。
「!」
下に立体機動装置を着けた人間がいると身構えたら、104期生の面々。すぐに意識を、後ろから来る敵に戻した。
「リヴァイ!9時の方向から1人!」
進行方向を0時として、9時。リヴァイはそちらに背を向けていたが…さすがと言うべきか、迅速に処理をしていた。私も、1人。今ので、何人目だろうか。
「馬車を追うぞ!」
「あの馬車ね…、OK!」
人の肉を切ったブレードは、脂のせいで切れ味が落ちていた。それならば…と体を反転させ、敵めがけて飛び込んだ。
「っユニ!!」
グサ、カチ、
ブレードが肉を貫く感触は……すぐには慣れそうにない。
「…いいか?奴らは対人の戦闘に慣れてる。もう3人やられた。エレン達を取り戻すためには、躊躇するな。殺せる時は殺せ。分かったか?」
「……了解。」
「アルミン、ジャン!馬車に移れ!他は援護だ!!」
リヴァイの合図で、各々配置につく。斬っても斬っても、向かってくる敵。それに向こうは遠距離武器で、一瞬足りとも目が離せない。
「ジャン…!!」
パン──!
間一髪のジャンを救ったのは、声を上げたミカサではなく、アルミン。所持していた銃で、ジャンが撃たれるよりも先に引き金を引けたのだ。
「!まずいっ…、アルミン!ジャン!」
安心したのもつかの間。敵が陣形を組み、馬車へ突撃。射殺されそうになる2人を助けるのに精一杯で、馬車を奪われてしまった。
私達はまた、エレンを奪われた。
「それで……テメェはなぜ、こんなところにいる。」
「…そんな怒らないでよ。怒るだろうとは、思ってたけど…。」
「ほぅ…なら覚悟してたんだろ?なぁ…?」
「いたたたた!!暴力!暴力反対!!」
ギリギリと、リヴァイの手が私の頭を締め付ける。こんなに小さい男のどこにそんな力があるのか不思議だ。リンゴくらいは片手で握りつぶせるんじゃないだろうか。
「リヴァイに…会いたくて…。」
「……は…?」
「…エルヴィン団長は、私を外に出さないようにしてたの。安全なところに閉じ込めて、外で何が起こっているか教えてくれなかったの。それが苦しくて…、リヴァイに、どうしても会いたくなっちゃった。」
「……、…そうかよ。」
「…だからあの…、この手、離してくれない?」
掴んだまま感傷に浸るのは、勘弁して頂きたい。