中々聞かせるじゃないか、ケフカ

では、道化

だろう。新しくお迎え（購入）した愛し子（ドール）の為に新調したのだ

と言う訳で、ドール撮影に協力してくれ。お前の住処はスチパン系や廃墟系背景に最適だからな

今の俺がナンバリングⅦ内をウロウロしてみろ。目立って仕方無い

クックッ…人一倍奇抜な身なりをして、そのくせ妙な所で生真面目なんだよな、ケフカは

戯れでは無く、親しみを込めて呼んでいるのだ…それでも嫌か？

つれないな。俺が童心に戻れるのは、同じ趣味を解するお前だけなのに

他が望むのは、最強の英雄で有ったり、完成された作品で有ったり、冷酷な支配者で有る俺だ…

そんな事より、お前もドールを持って来い。合わせ撮影をしよう

何だ、やはり酒の席の話を覚えていたんだな。だから俺は、即売イベントに誘ったのに

どうした？今日は、お前にしては覇気が無い

大丈夫か？

おい！

…全く、元々細いのが、こんなに痩せさらばえて。無理をし過ぎだ

ベッドに運ぶぞ。良いな

さあ、ゆっくり休め

これからは、もっと吐いて聞かせろ。眠る事が出来ないのか？

瞳を閉じても心が煩雑な怒りに覆われ、休まらない。そうでは無いか？

そうか。俺にも、そんな時期が有った…

取り敢えず、キッチンを借りるぞ。冷蔵庫は…殆ど空だな

よし、牛乳は残っていたな。これを、鍋で温めて…

程良く、砂糖を入れて…

ホットミルクだ。幼い頃、ガスト博士が良く作ってくれた…

これを飲むと、少し気分が良くなるぞ。ほら、カップ…持てるか？

…根本的な解決には、なりはしないがな。選ばれし相手に滅ぼされるまで、解決はしない。これは、我々の背負う宿命で有ると共に、存在理由でも有るのだろう

…しかし、それまでの僅かな間だけでも、喜びを私に贈ってくれた…ケフカ、お前には感謝しているのだ

フフッ…違う。爪だ

お前の、綺麗な、紅い爪…切ってくれたろう？

私の背中の傷は、すっかり治癒している…流石は魔導士、白魔法の腕も大したものだ

だがその上で、爪を切ったと言う事は…

また私にしがみつく時に…

ハハハ…どうした、急に元気だな！

解ったから…もう光を放つのをやめろ。この塔までもが、壊れてしまうぞ

おい、大丈夫か？！

…おや、眠っている……

…心は凪いだか？ケフカ…

……何よりだ…。元気になって、何時もの滑稽なお前を取り戻し…

…そしてまた、俺の前でだけ、真の美しさを見せてくれ…

それからな、今夏こそは共にドールイベに赴こうな！凄い限定が出たのだ。共にお迎えしよう、な！