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ガレキの塔・屋上にて
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食物や日用品を山程抱え、遠くジドールの街から飛んで戻って来た、三闘神が一柱・鬼神
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ケフカ鬼神、買い出しご苦労!近頃はジドール位にしか、ロクな物置いてないからねぇ…
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鬼神
…………

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ケフカそうね、後で台所係の魔神が整理するだろうから、取り敢えず…冷蔵庫に詰めるべきものは、全部詰めちゃってくれる?
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鬼神
…………(頷き

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ケフカ其れにしても魔神てば、急に熱出して寝込んじゃうって…一応は神なんでしょうに
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鬼神
…………(怒

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ケフカひゃひゃ、そんな不摂生だなんて言わんでおあげなさいな、風邪、流行ってるんだから
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ケフカお前や女神ちゃんも気を付けんさいね、手洗いうがいを、ちゃんとして…
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鬼神
…………(頷き

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甚だしく感涙しつつ、買い出しの荷物を手に下階へ降り行く鬼神をケフカは見遣りながら、
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ケフカアラむせび泣いて…鬼神も風邪の引き始めかしらん
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ケフカ…しかし寒っ!ぼくちんもさっさとお部屋に戻って、あったかくしよ!
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ガウ
ガウ!

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ケフカ…………
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ガウ
ケフカ、黙ったのか?

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ケフカウン…またアレでしょ、チミは…
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ガウ
ガウちかみちで来た!

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ケフカウン、ウン…あのねぼくちん、ラスボスなワケ。だからチミに何度もフレンドリィに押し掛けられても、困るのね
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するとガウは下唇を噛みながらうつ向いて、
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ガウ
ガウ、いま、困ってる…

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ケフカだからって、何でぼくんトコ来るの…?
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ガウ
……ガウ…

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ケフカあー寒い!お前の話はゆっくり聞くから、兎に角中に入りんさい!
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ガウ
はう!ガウ、ケフカん家に上がり込むー!

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ダイニングルームにて
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椅子に腰掛け、長テーブル上に用意したティーセットで、自分と向かいに座ったガウとに、熱いアッサムティーを入れるケフカ
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ケフカ三月とは言え未だ冷えるのに…チミ大丈夫なの?そんな半裸みたいなカッコで、ウロチョロしてて
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ガウ
へいき!

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ケフカ…ま、バカは風邪引かんと言うしね…
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ケフカはい、お茶どーぞ。ミルクや砂糖はお好みで
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ガウ
ありがと、ガウ!

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ケフカ…砂糖を肴に、ミルクをピッチャーから直飲みして、紅茶は置いてけぼり…ウン、通常運転ね
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ケフカ……なんつったっけ、お前
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ガウ
ガウ!

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ケフカ鳴き声?はいいよ…お前のお名前、聞いてんの
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ガウ
ガウ!

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ケフカ…あ、名前がガウっつーのね?いやはや何と安直な…
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ケフカじゃあねガウ君。ちょいと其処に忘れ去られてるティーカップに、目を向けてみんさい
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ガウ
ガウ!ミルク、おかわりー!

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ケフカいいからホラ、紅茶がメインと認識しろや!
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ガウ
…はう

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ケフカ…ウン…そんでね、其の目の前のお紅茶に、先ずはお砂糖を二カケ、入れてみんさい
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ガウ
茶色いおゆに、あまいのを二つ、入れればいいのか?

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ケフカそう。そしたらね、其処で、このミルクを入れるの
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ガウ
ミルクおかわり、来たー!

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ケフカΣ其のまま飲むんじゃねー!だから、紅茶に程良く入れるもんなんだよ、ミルクは!
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ガウ
…は、はうぅ……

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ケフカ…ホラ溢れる溢れる!もうその辺で止めて!
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ガウ
…ウ?

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ケフカウン…したら、このティースプーンで、掻き混ぜるの
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ガウ
キラキラ!ピカピカ!

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ケフカΣ懐に忍ばすな!超必食らわすぞオラ!ちゃんと、こう、手に持って!
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ガウ
…はうぅ……

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ケフカしたらお茶を掻き混ぜてみんさい、ほれ、ぐーるぐーる…
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ガウ
ぐーるぐーる…

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ケフカんで、其れを頂いて
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ガウ
ぐーるぐーる……

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ケフカいいから飲めや!冷めんだろうが!
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ガウ
はう…

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ガウはティーカップを両手で掴み、紅茶をコクリと一口飲み下す
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ガウ
は…はうぅ…!!

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ガウ
お…い…し…い…

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ケフカ…でしょ?作法を守るってのは、最大限に楽しめるって事にも繋がるのよ、お解り?
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ガウ
…おかわり、いいか?

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ケフカどーぞ。今度は一人で、出来ますかね?
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紅茶に角砂糖を二個入れて、ピッチャーのミルクを程良く入れて、ティースプーンで掻き混ぜた後、ニコニコと飲み始める、ガウ
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ケフカ…アラ、出来んじゃない。根はお利口なのね、この子
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ガウ
ぷはー、うまかった、ガウ!

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ケフカ…其れで、お悩みって?
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ガウ
…ウ?

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ケフカ何か困ってるって言ってたじゃない、屋上で
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ガウ
…ウ、…オカエシ…

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ケフカ…お返し?
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ガウ
ばれんたいん…に、ガウ、チョコ、もらった!

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ガウ
リルムと、ティナと、セリスが、チョコくれた、ガウ!

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ケフカアラ呑気ね…も少しキツめに、世界を壊して行くべきかしらん
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ガウ
ほ…ほわいとでー……

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ケフカあー、何かそんなもんも有るねぇ、七面倒臭い…
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ケフカ…つまり何、チミは女の子達からお返し、期待されちゃってんの?
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ガウ
…ガウ……(頷き

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ケフカそーんなの!ワザワザ私の所に来なくたって、スケコマシ王やバンダナ野郎に御相談すりゃ宜しい!
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ガウ
お菓子…

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ケフカはい?
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ガウ
…オカエシはお菓子がいい、エドガー、言った…

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ケフカ…ふぅん?だからって、ナゼに私のトコへ
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ガウ
…ケフカの食い物、いつも、うまい……

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ケフカああそう。まぁね、私は自分が納得した物しか食べませんし、お出しもしませんからね
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ケフカ…でもお生憎様。其の美味しいものを何時も作っている魔神が、今、風邪で寝込んじゃってるのよ
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ガウ
…ウ?

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ケフカだからね、ガウ君無駄足だったワケ!うひゃひゃ、ゴメンナサイね!
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ガウ
ケフカ、お菓子、作れないのか?

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ケフカ…へ?
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ガウ
ケフカ、世界でいちばんつよい…けものがはらでも、ひょうばん!

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ケフカまぁ、そりゃそうですよ。皆さん、崇め奉るが良いですよ
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ガウ
…なのに、お菓子、作れないのか?

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ケフカ…………
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ケフカΣ出来らぁ!ぼくちんに不可能はナーイ!!
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ガウ
ケフカ、すごい!!

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ケフカそーよ、ぼくちんスゴいんだから!
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ケフカは立ち上がり部屋を出、程無くしてお菓子の教本を片手に再び席につき、向かい席のガウにも見えるよう卓上に置いた其れのページをペラペラと捲ると、
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ケフカどーせならお前も手伝える、お手軽なのが良いよねえ…
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ケフカコレ、クッキーなんてどう?混ぜて焼くだけ…日持ちもするし
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ガウ
ガウ!

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ケフカじゃあ決まり!キッチンへ移り、先ずはお手手を綺麗に洗いましょー!
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キッチンにて
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ケフカさってっと、作業に邪魔なお化粧髪飾りマントは取って、エプロンしっかり付けまして…
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ケフカほらガキ、お前もエプロン付けんさい、貸したげるから
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ガウ
…えぷ…?

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ケフカあーメンドクサーイ!ホラ後ろ向いて、着せたげるから
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ガウ
ガウー!ガウガウー!!

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ケフカΣだからグルグル回んじゃねー!もう手伝わんぞ、コラ!
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ガウ
…はう……

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ケフカはガウのエプロンの紐をキュッと結んで、
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ケフカほら似合うじゃなーい!チミ、ちゃんとしてれば結構サマになるんだから
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ガウ
ウ?

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ケフカハイそしたらね、このバターを、エイッ、ボウルに入れて、こやってね、泡立て器でねりねりっとこうしてね、掻き回すでしょ?(早口)
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ガウ
……(バター、ぶん投げた…)

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ケフカそしたらお砂糖、お塩、お卵を、こう入れんのね、で、お粉もブワーッと入れたら後はへらでサクッと、こやって、掻き混ぜんの(早口)
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ガウ
……(ざいりょう、周りにこぼれまくり…)

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ケフカ♪タラララッターターラー タララララッタータラララ、
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ガウ
……(きゅうに、歌いだした…)

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ケフカハイ、生地がぼろぼろっとなったかんね、こう、ギュギュッとね、纏めてラップで包んで冷蔵庫にエイッ、オーブンも180℃に予熱!(早口)
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ケフカ…ふう〜っ、平野レミも真っ青な、この腕前!
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ガウ
……(ひら…の…?)

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ケフカそして冷蔵庫に"ヘイスト"を掛け、30分間休ませたのと同等なクッキー生地が、こちらになります
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ガウ
ガウも、てつだう〜!

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ケフカアラそうだったね…んじゃ、麺棒で伸ばした生地を、お好きなクッキー型で抜いたんさい
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ガウ
かたち…たくさん、ある!

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ケフカふふ…ハートの形は、良く考えて使わなきゃダメよん
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ガウ
……、ガウッ!

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沢山揃ったクッキー型の中の一つを、目を輝かせながらつまみ上げる、ガウ
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ケフカん?クマさんの型がいいの?
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ガウ
これ…同じ!ガウのクマと、同じ!

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ガウは腰の巾着袋をガサゴソとやり、中から小さくボロボロなクマのぬいぐるみを取り出して、ケフカへと見せる
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ケフカあのねぇ、お菓子作り中に其れは、ちょいと不衛生よ?
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ガウ
…ガウのオヤジ…昔オフクロ死んで、ほんとが見えなくなって、ガウを捨てた、けものがはらへ…

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ケフカふん?イキナリ昔語り?
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ガウ
…でもオヤジ、ほんとが見えなくなっても…オフクロころして生まれたガウに、クマ持たせた…血まみれの、こころで!

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ケフカ…………
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ガウ
……こないだ知った…オヤジ、いきてた…まだほんとが、見えないままで…

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ガウ
…でも、ここに、ほんと、ある!このクマが、オヤジの…ほんと!!

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ガウは其処まで話すと、クマのぬいぐるみをまた大切に袋へと仕舞い込み、ケフカの勧めで手を洗う
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ケフカ…ま、お前の思い入れはね、伝わったけど…
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ガウ
…ケフカは、見えなくなる前のほんと、のこってないのか?

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ケフカはぁ?!
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ケフカ…あ、ホラ、型には少し薄力粉を付けた方が、やり易いって
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ガウ
はう!

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ぺた、ぺた…と、クッキングペーパーを引いた天板をクマ形の生地で埋めて行く、ガウ
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ケフカ……(見えなくなる前…魔導注入の前って事かしらん?)
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ケフカ……(生憎、何一つとして残っていない…)
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ケフカ……(そもそも、主観の囚人に真偽など…フフ、何の意味が有る…?)
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ガウ
ケフカ

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ケフカ…………
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ガウ
ケフカ!

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ケフカ…あ、ハイ、なんざんしょ
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ガウ
型抜き、おわった!

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ケフカあーハイハイ、こりゃまた沢山抜いたね…じゃあオーブンに、はいよっと
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其れから十分程度が経ち───
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ケフカほーら焼けたぁ!
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ガウ
はう…!いい、におい…!

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クッキーに思わず手を伸ばそうとするガウに、
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ケフカこら、味見は未だダメよん…ちゃーんと冷まして、固まってからね
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ケフカ其の間に、女の子ウケするラッピングを選ぼう!
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ガウ
ら…ぴんぐ…?

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ケフカそう!女ってのは何時だって雰囲気が大事なのよ、シャレオツなね
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ケフカ…まぁクッキーだから、クリア袋でいいかしらん…割れない為に厚紙と…其れにビッと映えちゃう、おリボンなんて有ったかしら
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ケフカはその場を離れると、直ぐにきらびやかな飾り紐を幾つか持ち、戻って来る
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ケフカ取り敢えず、ぼくちんが何時も御髪を纏めてる紐を持って来たわ…どれも結構、お高いんだけど
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ガウ
これと、これと、これが、特に…ピカピカ!

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ケフカ高価トップ3を…お目が高いねぇ…(汗
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ケフカさて、そうこうしている内に、クマさんクッキー冷めたんじゃない?
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ガウ
ガウ、味見するー!

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ケフカぼくちんもー!
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ガウ
ガウ…ゥ…!お…い…し…い…

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ケフカホント、美味しいねぇ!形も綺麗に出たし…うんうん、上出来♪
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ケフカじゃ、コレを包んじゃおう!綺麗なペーパーナプキンでくるんだ厚紙と共に袋に入れて、紐でお口を閉じまして…
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ガウ
(ワクワク…)

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ケフカほら、三つカーンセーイ!いやん、映える映えるー!
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ガウ
…もいっこ!

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ケフカへ?
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ガウ
らっぴんぐ、もいっこ…

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ケフカ…いいけど、クッキー沢山余ってるし。何、自分も欲しくなっちゃった?
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ガウは、ラッピングした四袋の内の一つを手に取ると、
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ガウ
みつけた!これ、ケフカの、ほんと!

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ケフカ…はい?!
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ガウ
このクッキーは、ケフカの、ほんと!

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ガウ
だからガウ、大事にする…ずっと!ずっと!

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ケフカ…あのねぇ、主観的価値観も大概に…
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ガウ
…ウ?

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ケフカは、困り笑顔に溜息ひとつ、
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ケフカ未だ余ってるクッキーお茶受けに、もっかい熱い紅茶でも、飲む?
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ガウは、満面に心からの笑みをたたえて、
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ガウ
はう!!

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