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コルツ山にて
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ナンバリングⅦとの境界線の避け目から、勢い良く飛び出したユフィ
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ユフィ
…よっと!
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ユフィ
へへー、また来ちゃった。ケフこ元気にしてるかな?
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土産に持参した、アダマンタイマイの亀ゼリー入りの包みを見遣ったのちに空を仰ぎ、
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ユフィ
ひゃー、其れにしてもめっちゃサワヤカな青空だね!風も涼しいし、草木もモリモリ茂ってる!
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額に手を翳し、遠目して、
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ユフィ
…おー、小鳥もめっちゃ飛んでるぅ!
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ユフィ
今迄、荒れたひっどい景色ばっかだったから、Ⅵの人達かわいそーって思ってたのに…
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ユフィ
…この分だと、ケフこも珍しくゴキゲンかもね。またからかってやるんだ、うっふっふ…楽しみー!
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麓へ向け、元気に駆け出して行く
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ツェン近郊にて
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記憶に残る、ガレキの塔への方角目指して歩むクラウドとティファ
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クラウド
にわかに信じられないな…
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ティファ
何言ってるの!ケフカさんには本当に御世話になったんだよ、私達
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クラウド
……ティファは、ディシディアでの記憶がしっかり浄化されているから、そんな風に構えていられるけど…
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クラウド
…あいつは、言葉の通じる相手じゃ無い。その場を引っ掻き回して楽しむ様な…
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クラウド
…正直、異常者と言っても良い奴だったんだ
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ティファ
…私、あの後ネットで、ケフカさんの事調べてみたの。彼がそうなさいって、言ってたから…
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ティファ
……確かに、とんでもない悪人だったわ。私達の世界にも、そうは居ない位のね
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ティファ
…でもあの人、魔晄中毒のクラウドに過去の自分を重ね合わせて、親身にもなってくれてたわ…
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クラウド
………………
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ティファ
…其れに私、あの人の助けが無かったらクラウドを見失って、
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ティファ
途方に暮れて…挫けちゃってたかも知れない
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クラウド
…ティファ……
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ティファ
だからね、クラウドももう一度会って、きっちりお礼を言うべきよ
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クラウド
…そうだな。どう言う風の吹き回しか、確かめる為にもな
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ティファ
未だそんな事言って、全く!
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帝国・ベクタ城下街にて
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ユフィ
あっれー!?あーんなデッカイ塔が、何処にも無い!!
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ユフィ
代わりに、お城と街…何だか物々しいフンイキだね
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ユフィ
一体、どうなっちゃったんだろ…?あっ、あの人に聞いてみよ!
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ユフィ
ねぇ、ちょっと其処のおじさん!
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帝国兵
…むっ、何だ小娘…
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帝国兵
邪魔だ、どけ!
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ユフィ
(何だよイバっちゃってさ…)まぁまぁ、ちょっと聞きたいだけだから!
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ユフィ
あのさ、此処に建ってた、こーーーーんなおっきい、塔知らない?
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両腕を目一杯広げて、塔の大きさを示して見せるユフィ
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帝国兵
そんな物が有った事は無い。此処は38年前のベクタ創立から、この様に機能している!
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ユフィ
えー!!ばんなそかな!
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帝国兵
其れよりお前…怪しいな。まさか、反帝国組織のスパイじゃ無いだろうな!
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ユフィ
何だよ、其れ!違うよー!
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帝国兵
五月蝿い!面倒事になる前に、片付けておいてやる…
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腰のサーベルを抜き放つ帝国兵に、ユフィは不倶戴天を構え、
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ユフィ
ムッ!レベルカンスト、Ⅶ残イベはラスダンのみのユフィさんを、お舐めでないよ!
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数秒後、ズタボロになる帝国兵
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帝国兵
ま…待ってくれ!悪かった、俺の勘違いだ!!
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ユフィ
ふん。どうだ、参ったか!
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帝国兵
…お前、とんでも無く強いな……解った、入隊志願者だろ?即採用だと思うぞ!
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ユフィ
違うよ!アタシは只、ケフこ…じゃ無くて、ケフカの居場所を知りたいだけ!
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帝国兵
ケ……ケフカ…??!!
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ユフィ
…そうだよ。何、変な顔をもっと変にしちゃって
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帝国兵
入隊なら、ケフカだけは、本当に其れだけは、マジで、やめとけ!!
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帝国兵
悪い事は言わん、レオ将軍かセリス将軍の隊にするんだ。大丈夫、お前の強さなら、存分に選り好み出来る!
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ユフィ
もー、アタシは只、ケフこに会いたいだけなのに!訳解んないよぉ!!
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ティファ
ユフィ!
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ユフィ
あっ、ティファ!クラウドも!
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クラウド
ユフィも、来てたんだな
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ユフィ
うん。おっきい塔に住んでる、面白いおじさんを探してて…
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ティファ
其れって、ケフカさんの事?
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ユフィ
そう!あれ、皆もケフこの事知ってんの?
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クラウド
ああ。俺達も、そいつに会いに来たんだ。しかし…
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クラウド
奴のラストダンジョンが消え、光景が元に戻っている……
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ティファ
…エンディングを、迎えてしまったのね……
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ユフィ
え?…どゆこと??
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クラウド
…ケフカは、このナンバリングⅥの、ラスボスだったんだ
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ティファ
ナンバリングⅥには、私達のⅦと違い、続編が無いわ…
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クラウド
そしてケフカにはセフィロスの様に、復活の設定も無い…
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クラウド
一度滅んだなら、其処で終わり。真っ新から、やり直しだ
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ユフィ
え?え…?
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ユフィ
ケフこ…死んじゃったの……?
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ティファ
……私達の知る彼についてなら、……そうなるわね…
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ユフィ
…やだよ……やだよぉ……
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ボロボロと泣き始める、ユフィ
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クラウド
奴が倒されなければ、均衡を欠いたⅥの世界は、死に行くだけ…
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クラウド
…ケフカは、其れだけの事をして来たんだ
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ユフィ
そんなの…知らないよぉ!!!
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ユフィ
アタシは、何も悪い事されてないもん!!
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ユフィ
ケフこは、美味しーもの、いっつも御馳走してくれて…
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ユフィ
女子バナも、楽しくてっ…
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ユフィ
…ひっく…ひっく…、亀ゼリー、一緒に食べよって、折角…、持って来たのに…っ
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ティファ
……ユフィ、私も、…辛いわ……
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ティファも涙ぐみつつ、
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ティファ
…風変わりな人だったけど…私も彼には、良い思い出しか無いから……
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クラウド
………一言位、礼を言わせてくれても、良かったのに、とは思う…
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ティファ
…でもね、また会えるわよ
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ユフィ
え…?
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クラウド
待っていればな…、この世界も、一巡する
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クラウド
そしてケフカがラスボスまで上り詰めたなら、神や其れに倣う者から再び召喚もされ、
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ティファ
…ディシディアや、他の共闘ゲームでも、しばしば顔を合わせられる…
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ユフィ
でも、新しいケフこはアタシの事、全然知らないんでしょ?
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ティファ
…思い出は、また新しく作ればいいわ
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クラウド
…そして俺達も、俺達の世界を早く回して行こう
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クラウド
……今回の事はきっと、幾度も巡る…異なる世界同士が出会った事で生まれた、
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クラウド
…奇跡なんだと、思うから………
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フィガロ城周辺・砂漠にて
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ケフカ
ふう〜
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ケフカ
ガストラ様の命令とは言え…、全くエドガーめ!
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ケフカ
こんな場所に、チンケな城を建てやがって
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ケフカ
偵察に派遣された私の身にも……、んん?
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砂漠の陽炎の中に、突如として現れる黒い人影
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セフィロス
………………
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ケフカ
…何だ、お前は。葬式帰りか?
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セフィロス
……ケフカ……
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ケフカ
様を付けろや、白髪野郎
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ケフカは同行の兵士達に向け、
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ケフカ
おい、この怪しい奴を縛り上げろ!
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帝国兵
はっ!
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セフィロス
…………
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セフィロスは、己を捕えに掛かる兵士達を難なく分身のように避けてケフカを捕えると、其のまま胸に強く抱き込む
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ケフカ
∑∑イヤー!誰かァー!!
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ケフカ
サンダラ!∑サンダラー!!
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セフィロス
…………
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自慢のサンダラが全く効かず、更に強く抱き込んで来るセフィロスに色を失ったケフカは、更に兵士達へ、
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ケフカ
ぼやぼやしとらんでこいつを殺せ、早く!!
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セフィロス
………ケフカ、
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ケフカ
何!一体、誰お前!!
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セフィロス
……待っている、あの場所で……
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セフィロス
……俺はお前の後と、先をも生き、
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セフィロス
……何時でも、幾度でも、お前を、待っている………
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ケフカ
…こりゃアレだ。砂漠の暑さにヤラレた類いの、アレですね
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ケフカ
コラお前達ー!早く殺せと言っとるだろうが!!
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帝国兵
しかしそいつは、全く捉え所が無く…
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セフィロス
……暫し、お別れだ……
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ケフカの髪にそっと口付けて、フッと、幻の様に消えたセフィロス
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ケフカ
……………
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帝国兵
ケフカ様、お怪我は!
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ケフカは手をヒラヒラと振り、
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ケフカ
……ああ、ダイジョブダイジョブ…
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ケフカ
(今の奴…見た事も無い筈なのに、何故か既視感が……)
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ケフカ
……いやん、熱中症かしら
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帝国兵
水分補給、されます?
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ケフカ
うっせー!嗚呼、モヤモヤする…
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ケフカ
ほれ、クツの砂!
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帝国兵
……おみ足、綺麗な様ですが…
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ケフカ
…え、アレッ…?ウソ、何で…?あんなに砂まみれだったのに…
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ケフカ
ブツブツ…(此処は笑っておかないと…折角SEも用意されてる、ぼくちんの見せ場なのに…)
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帝国兵
……ケフカ様、大丈夫ですか?
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ケフカ
∑うっせーわ!
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兵士の頭を強く叩き、
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ケフカ
ホワッホッホッホッホッ!
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ケフカ
…つまらん!
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帝国兵
少し無理の有る、流れでしたね
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ケフカ
……………
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突如、虚空を見詰め出すケフカ
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ケフカ
………消えずに、壊れずに……待っていると言うのですか、貴方は………
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帝国兵
は?
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ケフカ
……へ?何も言うとらんが?
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帝国兵
…そうですか…(全く、キ印も大概にしてくれよコイツ…)
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ケフカ
さてと!気を取り直して、フィガロ城へと急ぐぞ!
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帝国兵
ははっ!
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ケフカの歩む先、遠く照らし覧る空と荒漠とした砂の海とが、果てしなく続いている───
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