彩雲国×十二国記
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目が覚めてから3ヶ月程たち楸瑛が州試を受けに九彩江の邸から離れた。そして私も三つ子と一緒に九彩江から離れることになった。行き先は藍州、州都・玉龍にある藍本家の居城、湖海城である
この三ヶ月で三つ子との友好は良好だと思う。本当の妹になってくれてもいいんだよと言われるぐらいには仲良くなっている。この藍州にいるのも後数ヶ月だ。無論今は歩くことも走ることもできる。帰ることもできるのだが心配だからと言って帰らせてくれない。楸瑛が国試に紫州に行くときに一緒に行きなさいと言われてしまった。それに父様からも、そうしなさいという文が届いた。父様も三つ子も心配性だ
「ここが李彩の部屋だよ。ここからの眺めはいいから気に入ってくれるといいんだけど」と私を見ながら聞いてくる雪様に私は頷きながら部屋に入った。
それから少し経って楸瑛が州試を及第したと伝えに来てくれた。あと少しでこことも終われかと思い窓から外の風景を眺めていた
「李彩」と私を呼ぶのは楸瑛だった
「うん?どうしたの?」と私が楸瑛に聞くと
「なんだか李彩が溶けていなくなってしまいそうでね」と不安そうな声で言う楸瑛に私は簡単に答えるしかできなかった。
「そっか・・・」
「そうだ李彩これから街へ降りないか?」
「街へ?」
「兄上の許可をもらったしいかないかい?」
「うん。行こうかな」と笑顔で返すと楸瑛も嬉しそうな顔で私の手を取り街に向かって歩き出した
楸瑛と楽しく街を見て回る。そんな時間が続けばいいと思ってしまうのは楸瑛が私を甘やかすからだ。これに慣れてしまっている私は家に帰ったら寂しい思いをするんだろうなと思いながら楸瑛と過ごす
そんな事を考えていると、一つの簪が目に入った。あ、いいなと思い私はそれを手にとった。
「なにか気になったものでもあったかい?」と聞きながら私が手に持っていたものを見てふむとひと呼吸ついてから店の人にこれをと言い、その簪を買ってしまった
「楸瑛様!」
「いいんだよ李彩。私が君に贈りたいだけだから・・・受け取ってくれるかい?受け取ってくれないと私もこの簪も困るのだけれどね」
「・・・楸瑛様」
「それにね李彩。これは私にとって大切な物なんだよ。」
「大切?」
「そう、もう少ししたら紫州に行く、そこで君と離れることになる。君は家に帰るのだけどね。」
「楸瑛様」
「君がどん女性になっても間違えない自信はあるけどね。それでも君だといえる証拠を君に持っていてもらいたい」
「・・・」
「君にまた会いたいからね。お願いだよ李彩」
「分かりました。ずっと身に着けていますね。楸瑛様つけてくださいますか?」
「勿論だよ李彩」と言いながら笑みながら楸瑛は李彩に簪を付けた。
「よく似合ってるよ李彩」
「本当ですか?ありがとうございます。楸瑛様」
そして楸瑛が紫州に行く日がやってきた。
それは李彩が家に帰る日でもある。
そして、紫州に着く
船から降り、共に違う道を進もうとした時、楸瑛は李彩の名前を叫んだ。
「李彩!」
「楸瑛様、長い間お世話になりました。」
「・・・」
「楸瑛様?」
「君を・・・嫌なんでもない。気を付けて李彩」と少し苦しそうな声で私を送り出そうとする楸瑛様に胸が苦しくなった。
「はい、ありがとうございます。楸瑛様も国試頑張ってください」
「ああ、頑張るよ」
「それでは、楸瑛様・・・」
「ああ、李彩も・・・」
そして二人が再開するのは始まりの風が吹く春の日である