彩雲国×十二国記
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「今日も目覚めない」と彼女の頬を撫でながらいうのは、藍家直系四男である
「いつになったら目覚めるのかな眠り姫。君の瞳を見てみたい。それに君の声も聞きたい」と毎日必ずこの部屋に来て李彩を眺めていく
彼女がここ、藍家総本山に運ばれてきたのはかれこれ四年前だ。それから清苑公子探索に家を空けた以外で彼女に会わないときはなかった。その空白の時以外は必ず一回は会いに来ている
彼女のことを詳しくは知らない。そう名前すら私は知らされていない。兄たちが教えてくれないのだ。だから私は安直だが眠り姫と読んでいる
彼女が来たとき珍しく兄たちが慌てていたのを今でも覚えている。それほどまでに大切な人なのかと驚愕したものだ。しかし邸に来たのは5歳ぐらいの小さな女の子だった。ただその子は死んだように眠っていた。私はその子を見た瞬間何かが体を通り過ぎていった感じがした。まだ義姉上のことを思っていたにもかかわらず彼女を見た瞬間にそれは彼方へ飛んでいってしまったようだ。
美しい黒髪をした人形のような彼女を兄上にお姫様抱きされながら現れた彼女に、私は恋をした。一目ぼれというものは確実にあったようだ
「早く目覚めてくれ」と言って初めて彼女の唇に私の唇を当てるだけの接吻をした。そして私は彼女から体を離し寝台の横に置いてある椅子に腰掛けようとした時「ん」と彼女の口から声が漏れた。そして慌てて彼女の顔を見ようとした。その時彼女の目が開いた
「起きましたか眠り姫」と私が言うと眠り姫は目だけ私の方へ向け「・・・・お、はようございます」と言う。「少し待っていてくださいね」といい私は兄のもとへ向かった。もう少しだけ彼女を一人で堪能したいが、それが後でバレたら怖いので今は一刻も早く兄のもとへ報告をしに向かった
兄がいる部屋に入り「目を覚ましました」と言うと兄達三人は慌てて部屋から飛び出していった。こんな兄は初めて見たと思いながら私も急いで彼女のもとに向かった
目が覚めるとこそには藍色の着物を纏った美男子がいた。藍?何で藍?ここはどこ?
その美男子は私が考え事をしている間にこの部屋から出て行った。何か言っていたきがするけど何だっけ?まだ頭が回らない・・・
少し時間が空いて扉の向こう側が騒がしくなった。そして扉が開きそっくりな美男子三人が中に入ってきた。彼らの服も藍色
「本当に目が覚めているみたいだね李彩」と言って二人は椅子を持ってきて座りもう一人は元から置いてあった椅子に座った
「・・・あの」と困惑した声で言う李彩に安心させるように三人の会話が続く
「ああ、知らない人に名を呼ばれて戸惑っているようだよ雪」
「そのようだね月」
「じゃ、自己紹介しようかな。私は藍家当主。藍雪那。まぁ李彩は雪と呼んでいいよ」
「えっと雪様」この人が藍家当主。本当に三人とも似ている
「私は月だよ。よろしくね李彩」
「え!あっ宜しくお願いします月様」
「私は花だよ。李彩」
「はい、花様宜しくお願いします」
「目が覚めたのはいいけど、辛いとことはないかい?」と心配そうに聞いてくるので私は正直に言うことにした
「えっと、寝すぎたせいで体が動きません」
「ま、そうだろうね」
「体が動くよになるまでここにいていいからね李彩」と納得しほかに辛いところがないか聞いてくれたが本当に大丈夫だったのでないですと答えた
「ありがとうございます。あの知っていると思いますが私は紅李彩です。宜しくお願いします」
「偉いね。あと申し訳ないけど紅姓をここでは名乗らないでね。色々と面倒なことになるから」
「面倒?」と疑問に思った事が口から出てしまったようだ
「そう、面倒事になるよ。う~ん結婚とかね」
「結婚ですか・・・政略結婚ですね。はい、分かりました。姓は言わないことにします。あのそれで私どのくらい寝てましたか?」
「う~んここに来たのは約三年と半年前だよ」
「その前の年の夏に君が眠りについたと聞いたから」
「約四年間だね」
「四年ですか・・・」と言って私は考え込んでしまった。原作では現在王位争い真っ最中だ。予定では原作の1年目まで寝ている予定だったので大いに困惑した
「大丈夫?」
「はい。大丈夫です。あのここはそのどこですか?」
「ああ、ここはね九彩江だよ」
「九彩江・・・天帝め、いらんことを・・・」と聞き取れないほど小さな声で言うと
「うん?何か言ったかい?」
「あの、家族がどうなっているか分かりますか?」
「無論だよ。君の母以外存命だよ」
「そうですか・・・「失礼します」」と私の返答に被さるように部屋に入ってきたのは先ほど私が目覚めた時いた美男子だった
「なんだ楸瑛か」
「まぁ、あれはほっといて話の続きをしようか」
「君の母君は二年前に亡くなったそうだよ」
「2年前・・・」私の目から涙が流れていた。後悔の涙だと思う。原作のためとはいえ母を見殺しに見たのだから・・・見殺しにしなければ今度は秀麗が・・・これこそ負のスパイラルか
「今、父様たちは」
「王位争いが起こっていてね。藍州まで余波は来ていないが紫州貴陽は大変なようだよ。でもね山は超えたようだから大丈夫だよ」
「よかった」
「さて、私たちは父君にに手紙を書いてくるから」と言って三つ子は部屋から去っていった。そして部屋に残っていた楸瑛が先程まで三つ子が座っていた椅子の一つに座り
「ごめんね。騒がしくて兄上たちも君が起きて嬉しいんだ」と笑顔で言う楸瑛
「いえ、えっと楸瑛様でよろしいんですよね」と名前を確認ついでにそう聞くと申し訳なさそうな顔をした楸瑛がいた
「私としたことが自己紹介をしていなかったとは・・・私は藍楸瑛宜しく眠り姫。君の名前を教えてはくれないかい?」と甘い甘い声を出して言う楸瑛に若干引きながら私は名を繋いだ
「李彩です。宜しくお願いします」
「・・・李彩殿か、貴女にぴったりの名だ。だが君の姓は教えてくれないのかな?」
「えっと、雪那様に姓は誰にも教えてはいけないよと言われたので・・・すみません」
「そう、じゃ聞かないことにするよ。兄たちがそう言うんなら意味があるのだろうしね(だが、何故?彼女の姓がそれほど厄介なのか)」
「すみません」と謝る私に楸瑛は困ったような顔を向け
「李彩殿が気にすることではないよ。兄たちが言ったことなんだろ。ならしょうがないさ」
「有難うございます」
「さてと長居しすぎてしまったかな?少し休むといい。起きたばかりだけれど、体は休息を必要としていると思うから」
「はい、そうですね」
「じゃ、私は失礼するよ」
楸瑛は部屋から出て行った