彩雲国×十二国記
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秀麗は病弱な体で生まれてきたようだ。それは私がいても変わらないことなようだ。父も母も秀麗にかかりっきりなため私のそばにはほとんど黎深か玖琅がいる。それは別にいいのだがすごく退屈だ。毎回思うが赤子とはなんて退屈なのだろうか、そろそろハイハイぐらいはやってもいい気がする。体も動かしたいんでやることにしよう
「李彩食事の時間じゃ」といきこんでいたら母親である薔薇姫が私のもとに来た。食事をくれる薔薇姫に感謝した
「李彩、きちんと喋れるようになったら李彩のこと聞かせて欲しいゆえ早う大きくなるのじゃぞ」
「かーさ」
「わかっておる。それは気にしなくてもいいのじゃ。そなたは妾と邵可の娘であることに変わりはないしそなたをあいしていることもじゃ」
「あーがと」
「おや、黎深殿李彩を見に来てくれたのかえ」
「義姉上」
「では妾は秀麗の方へ行ってくるゆえ黎深殿と仲良くじゃ、李彩」と言う薔薇姫に私は頷いた。それを見た薔薇姫は部屋から出て行った。ここに残ったのは私と黎深だけだ。私と二人きりになると誰も止めるものがいないのでいつも以上にでれでれニヤケ顔になっている
「李彩!本当になんて可愛いんだ。誰にも嫁にやらんぞ。それより本当におじちゃんの嫁になりなさい」とまたも真顔で言われた。キリッとして言われれば頷いてしまいそうなほど美青年なのにもったいないと思いながらも私はニコニコしていた
「れー」と言いながら私は黎深に向かって手を伸ばした。それに対し黎深は恐る恐るといった感じで私に向かって手を差し出した。私は小さい手で黎深の指を握った
「李彩」と何かを言いかけて頭を横に振る黎深に不安を覚えた。私は笑顔で返すだけだった
黎深は私が父様の娘ではなかったら見向きもしなかっただろう。どこぞのそこら辺のぺんぺん草と同じにしか私を見なかっただろう。それは理解できる。もしかしたらこんな風になれるかもしれないが無条件でこんなになるのは父様の娘だからか・・・まだ黎深と会わぬ黄鳳珠、鄭悠舜はすごいと関心してしまう。もちろん養い子の李絳攸も妻になる百合姫も・・・それでも私を好いてくれる黎深が私は「しゅき」だ。私の好きが聞こえていたようで黎深の動きが完璧に止まった。そしてはっとしたと思ったら、屋敷全体に聞こえるぐらいの大声で「私も李彩が大好きだ」と言ってくれた黎深に私はまた嬉しくなり笑顔になった
黎深好き事件から父邵可と母薔薇姫が私に好きと言わせようとする姿が見られた
それから少し経ち黎深が紅家当主になった。そうして私たちは追い出されるかのように紅家から去った
紫州にに行くついでに茶州に行き第二公子・清苑を拾い茈静蘭と名づけ、一緒に紫州に向かった
それから私と秀麗が5歳になり夏が来きあの日まで幸せが続いた。あの夏の雷が鳴り響くあの夜までは
雷が鳴り響く夏の夜私は薔薇姫の室にいた
「母様行くの?」と母様の室の寝台で薔薇姫に質問する李彩に「そうじゃ」と肯定の意を示す
「私のせい?」
「いやそれは違うぞ李彩。妾はそなたに感謝しておる。そなたが妾の子になってくれて本に嬉しい」
「それでも」
「これは妾の我儘じゃ、そなたに頼めば延命できようしかしの・・・」
「なら私の我儘で貴女を生かす。それに天帝には好きに生きろと言われている。だから私の好きにさせてもらう。貴女を私と秀麗を産む前の体に戻す。時の移動《タイムトラベラ-》」
「李彩そなた!」
「大丈夫だよ母様心配しないで。それと今ので貴女の体を私たちを産む前の体に戻しただけだ。時が経てばまた貴女の体を蝕む事になる。こんなことしかできない私を許して・・・そして今は眠って私が一時的に秀麗を助けるからじゃ、母様お休みなさい」
「待て李彩。まだ体ができていないのにこれ以上技を使えば」
「わかってるよ。それでも母様を死なせるよりはずっといいだから眠れ‘我 汝に安息を与え ひと時の夢にいざなわん’スリーピング」と私が唱え終わると薔薇姫は死んだように眠ってしまった。私は父様と静蘭がいる秀麗のもとに向かった
「父様、静蘭母様が・・・」と言った瞬間二人は私と秀麗を置いて薔薇姫のもとに行った。その間に私は秀麗を治療する。でもこの治療は一時的なものもう少しの間だけ秀麗に母の温もりをあげたかった私の自己満足だ
「よく寝てる。でも苦しそう。今楽にしてあげるからね。‘聖なる癒しのその御手よ 母なる大地の息吹よ 願わくば 我が前に横たわりしこの者を その大いなる慈悲にて救いたまえ
’リザレクション!これで秀麗も母様も延命できる・・・ああ、眠い」と言って李彩はその瞳を閉じた。雷の音を子守唄にして
その頃薔薇姫の部屋では邵可と静蘭が薔薇姫を見守っていた
「起きてくれお願いだ」と言う邵可の声に薔薇姫は反応する「薔君」「奥様」と言う二人の声に完全に覚醒した薔薇姫は慌てて起き上がり秀麗の部屋に急いだ
「大丈夫なのかい?」と言う慌てた邵可の声にも耳を貸さず薔薇姫は急いだ。大切な我が子のもとへ。そんな薔薇姫を見た二人は慌てて後を追った
「李彩、李彩」と叫びながら秀麗の室に向かう
「李彩早まるでない」と言いながら秀麗の室に入った薔薇姫が見たものは死んだように眠る李彩だった
「母様私元気になったよ。母様の二胡聞かせて」と今までの苦しそうな秀麗が嘘のように元気になっていた
「っつ、秀麗元気になったのじゃな。よかった」と言った時秀麗は自身の横に寝ている李彩に気がついた
「姉さま?姉さま?」
「・・・李彩は眠っておる」
「姉さまお寝坊さんだね母様」
「そ、そうじゃな」と今にも泣きそうな声で秀麗と会話をしていたところに邵可と静蘭が秀麗の室に入ってきた
「父様、静蘭!私元気になったよ」と笑顔で言う秀麗に二人は笑顔になった
「姉さま、姉さま起きて!朝だよ。私元気になったから一緒に遊ぼ」
「・・・」と微動だに動かない李彩。そんな二人のやり取りを見て邵可と静蘭はおかしいと感じ李彩と秀麗のもとに駆け寄った
「秀麗、李彩は当分遊ぶことはできないのじゃ。李彩は眠りについたのじゃ。いつ起きるか分からぬ眠りに。妾が不甲斐ないばかりに李彩が・・・」と薔薇姫は涙を流した
「母様?何で泣いているの」
その日の明け方に李彩は雷鳴に連れ去られるかのように眠りについた。いつ起きるか分からぬ眠りに