銀河防衛軍 GDF
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今日私は銀河帝国首都星オーディンについた。久しぶりのオーディンだが全然嬉しくないのは弟の死のせいか
弟の死を知ったのは二ヶ月前だ。弟が亡くなって一ヶ月後にようやく私の元に電報が届いた。直ぐにオーディンに行きたかったが私の立場がそれを阻んだ。ようやくオーディンに行けるようになった時には1ヶ月が過ぎていた。そしてここからオーディンまで約一ヶ月かかる。それで約三ヶ月かけて私はオーディンに戻ってきた
宇宙港からまず実家に行き、両親に挨拶をしてその日はそのまま実家で過ごした。久しぶりの我が家だがなんだか味気ないものだった。それだけこの家に弟は必要だったのだと感じる
次の日に私は朝一で弟の墓参りに向かった
朝一ということもあって人は余りいない、情報によるとアンネローゼがこの近くに住んでいるらしいがそれは今はどうでもいい。アポイントも取ってない状態では取り次いでもくれないだろうから。今彼女は銀河帝国元帥兼帝国宰相の姉なのだから少なからず警護もいるだろうしね
まずは墓参りをしてそれから考えよう。会うか会わないか・・・
それにしても「早すぎるよジーク、順序が逆じゃないか・・・私との約束を破って、本当にしょうがない子だね。守れない約束はするんじゃないよ全く」と言いながら花を供えた
[我が友]とだけ書かれている碑銘は彼らしいといえば彼らしいと思うが友なら何故・・・と思う気持ちもある。私の大切なたった一人の弟は貴方のために亡くなったのに何故貴方はと責たくなるがそんなことをしても死者が生き返ることはないのでそんなことはしないし、両親がそれをしないのに私がするのはどうかと思ってしまうのが心情だ。だが割り切れるものではないのでやはり会わない方がいいのかもしれない。考え込んでいたら見知った気配を感じた。これはフェザーンであったある人ものだった。その気配が近づき止まったのは私の後ろだった。彼もここに用があるようだ。
「ジーク彼らに会って、彼らと共に歩いて君は幸せだったかい。やはり彼の口から君の最後を聞かないといけないかな?それとも・・・」と言い私は後ろにいる彼の方に振り向き軽く会釈をし歩きだそうとした
「フロイライン」と呼び止められたので私は今一度彼に向き直り「何か」という
「キルヒアイス提督とどのような関係か?」と言う。彼は私のことなど忘れているようだ。あのフェザーンでの思い出を・・・そう思った瞬間私は無言で歩き出していた。子供みたいに拗ねているのが恥ずかしくもあった
「お待ちになられよフロイライン」とまた私をフロイラインという彼に怒りがこみ上げてきた。確かに別れたけど、別れたくて別れたわけではないのに、私には大切な思い出でも彼にとっては、そうでなかったというかのようで・・・もしかしてこの黒いベールのせい?でも顔ははっきり見えるわけだしやっぱり忘れているということよね・・・まぁ、しょうがないか相手は大将閣下。私は一市民だからねここでは・・・
「まだ、何か」と冷たく言ってしまったのは大人気ないと思うけれど出てしまった言葉を引き込めることはできない。彼は少し言いよどんで「いえ」と言ってもう追求してこなかった。それが寂しいと思ってしまうのは私の我儘だと知っている
「そうですか、それでは失礼いたします。ミュラー大将閣下」といい私はまた歩き出そうとしたが歩くことはできなかった。彼ミュラーが私の腕を掴んだからだ
「待たれよフロイライン」と声をかけられた。その声には緊張と動揺が感じ取れた。そして「何故私の事を」と続けて聞かれた。腕も捕まえられているので動く事ができない私は真っ正面から彼を見る事にした
「・・・出世したら忘れてしまうものなのかなナイトハルト、まぁ貴方が中尉時代の女の顔なんて覚えている訳も無いか」と強く言ってしまう私はなんて子供なのだろうかと思いながらも彼の答えを待った
「フィー?」と私の愛称。彼以外が呼ぶ事を許さない愛称で呼んでくれた事に私は嬉しさと愛しさを感じだ。そう私はまだ彼を愛していた。あのときだって本当は別れたくなかったでも別れるしか無かった。遠距離で彼を繋ぎ止めておける自信が無かったからだ。私は学生で彼は駐屯武官だったのだから
「思い出してくれたみたいで良かったは、ミュラー大将閣下。腕を放してくださいますか」
「フィー?君が何でここに?」と言いながら腕を放しながら聞いてくる彼に私は「墓参り」と
「そんなことは分かっている。何故フィーがキルヒアイス提督の」
「・・・私がジークの墓参りにくる事がそんなにおかしい?」
「ああ、キルヒアイス提督とどんな関係が、まさか」
「・・・ミュラー大将閣下が思っている事とは多分全然違うよ」
「では、関係は?」
「何でそんなに気にするかな?ミュラー大将閣下には関係のない事でしょ?私が個人的にジークの墓参りしてはいけないの」
「そうではないが」
「・・・フィルーナ・キルヒアイス」
「え?」
「私のフルネーム」
「ではフィーは」
「そう、ジークの姉」
「あね・・・」
「そう、ジークフリード・キルヒアイスは私の弟」
「そうだったのか・・・知らなかった」
「そういえば姓を名乗る事無かったからねミュラー大将に」
「先程から気になっていたがミュラー大将と言うのは何故だ?」
「じゃあ、ヘル・ミュラー」
「昔のようには呼んでくれないのかと」
「・・・勘違いされて困る方とかいないの?ヘル・ミュラー」と言うとミュラーは慌てたように「勘違い?・・・いる訳がない。俺は五年前からずっとお前の事を」
「ずっとね。そのわりには私を見ても中々思い出さなかったのに」
「そ、それは似てるとは思ったが本人がここにいるとは思わなかったからで・・・」と慌てて弁解するミュラーに苦笑を向けながら、慌てたミュラーが可愛く愛しく思ってしまったのは惚れた弱みかもしれない
「・・・私がまだ貴方のファーストネームを呼んでいいのかしら」
「当たり前だ。家族以外で君以外にフィー意外に呼ばれる事などないさ」
「そう、ではナイトハルト改めて久し振り」
「ああ、久し振りフィー元気そうでよかった」と笑顔で私に言うミュラーに私も笑顔で答えることにした
「ナイトハルトはジークに用があったのよね?私は先に失礼するわね」
「待って、フィー」と慌てていうミュラーに笑ってしまいそうになったがなんとか耐え「少し行ったところにベンチがあったからそこで待ってるわ」と言って私は歩き出した。今度は呼び止められることもなく私は指定したベンチに向かって歩き出した