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張芳【牡丹楼】
え?え?
蘇榕どの?
な、何をなさるので? -
臥龍(蘇榕)
何とは…。
公子は私に囲碁で負けたのですよ? -
張芳【牡丹楼】
いや、だからと申しても…。
何故こんな近くにお座りに?
え!
し、しかも…。 -
臥龍(蘇榕)
ご存知でしょう?
私は、囲碁に勝った相手にのみ体を許します。 -
張芳【牡丹楼】
そうですが…。
私は、貴公に負けました。
ですから…、その、ち、近すぎ…。 -
臥龍(蘇榕)
そう。
勝ったのは私です。
ならば負けた貴方を好きにしても良いのでは? -
張芳【牡丹楼】
そ、それは…、違うと存じますが…。
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臥龍(蘇榕)
この私を、お厭いですか?
私は…、初めてお会いした時から…。 -
張芳【牡丹楼】
えぇっ!
お放し下さい…。
や、ダメです…。 -
臥龍(蘇榕)
拒まれますのか?
哀しいことです。
ほら、私の胸がこれほどに高鳴っておりますのに…。 -
張芳【牡丹楼】
腕を、お放し下さい。
帯を…解かないで下さい。
-
臥龍(蘇榕)
おや。
お体がこんなに熱くなって…。
お熱でもおありですか。 -
張芳【牡丹楼】
あぁっ!
そんな…、伸し掛かられては…。
困ります、蘇榕どの。 -
臥龍(蘇榕)
可愛らしいお方ですね。
ああ、やはり肌もこれほどお美しいとは…。 -
張芳【牡丹楼】
や、…いや…。
お許しください。蘇榕どの。 -
臥龍(蘇榕)
ご安心なさいませ。
陸禅どのは、今はお留守。
芳公子どのさえ何も言わずにおられれば…。 -
張芳【牡丹楼】
いやです。
私は…、私は陸禅の…。
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臥龍(蘇榕)
言葉ではそのように…。
コチラの方は、素直であられまする。 -
張芳【牡丹楼】
ぃやあっ!
あ…、あ…ん…。 -
臥龍(蘇榕)
芳公子…。
私が、お慰めいたしますゆえ…。 -
張芳【牡丹楼】
あ…、はあ…はあ…。
や、やめて! -
小燕
臥龍~!
見て、見て~! -
臥龍(蘇榕)
!!
-
張芳【牡丹楼】
!!
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張芳【牡丹楼】
お放し下さい! -
臥龍(蘇榕)
え、燕燕?
お前、庭で遊んでいろと…。 -
小燕
え~どうしたの?
なんで張芳に追い被さってるの? -
張芳【牡丹楼】
こ、これは、武術の練習です!
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臥龍(蘇榕)
芳公子⁉
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張芳【牡丹楼】
いいですか。
蘇榕どのと私は、組手の練習をしていたのです。 -
小燕
えー!
張芳も武術をやるんだ~。
何で俺も誘ってくれないのさ! -
張芳【牡丹楼】
……。
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臥龍(蘇榕)
……燕燕。
その、ふくれっ面はやめなさい。
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張芳【牡丹楼】
小燕は、丁禛たちの武術訓練に出ているのでしょう?
私が勝てるはずがありませんよ。 -
小燕
そうか~♪
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臥龍(蘇榕)
で、では…。
今日は、この辺りで失礼いたします。
また、次回の囲碁対決をたのしみにしておりますぞ。
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張芳【牡丹楼】
……。
考えさせていただきます。 -
張芳【牡丹楼】
先ほどのことは、冗談だったのか???
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臥龍(蘇榕)
まだまだ初心でからかいがいのあるお方だ。
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小燕
本気で、アレで誤魔化せたと思ってるのかな。
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小燕
オトナって単純だな。
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結局、蘇榕が張芳を翻弄したように見えて、一番の小悪魔は小燕だったようである。
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