煜瑾ちゃんの成長日記03

  • 茅執事

    お帰りなさいませ、旦那様。

  • 煜瑾ちゃん

    あ~ん、あ~ん!
    イヤでしゅ~。
    煜瑾、イヤなのでしゅ~!

  • 煜瓔お兄さま

    おやおや、煜瑾は相変らず「イヤイヤ期」なのかね?

  • 茅執事

    はい。朝から晩まで、「イヤ」と言えばいいと、お思いのご様子で、皆、困っております。

  • 煜瓔お兄さま

    そうか、そうか。
    そうやって一歩一歩、煜瑾も成長しているのだ。皆も見守ってやってくれないか。

  • 茅執事

    はあ…。

  • 煜瑾ちゃん

    イヤなのでしゅ~。
    煜瑾、イヤでしゅ~。

  • 煜瓔お兄さま

    それで、今日の煜瑾は何を怒っているのかね?

  • 茅執事

    はあ…。
    それが…。

  • 煜瑾ちゃん

    あ~ん、文維おにいちゃま~。
    煜瑾を置いて、お帰りになっちゃイヤでしゅ~。

  • 煜瓔お兄さま

    文維?
    包文維が来ているのかね?
    (イラッ)

  • 茅執事

    はい。
    煜瑾坊ちゃまの遊び相手に来て下さったのですが、もうお帰りになるとおっしゃったとたんに、これです…。

  • 煜瑾ちゃん

    イヤ~。
    文維おにいちゃま、お帰りになってはイヤ~。

  • 包文維

    ダメですよ、煜瑾。
    そんな分からないことを言っては。

  • 煜瑾ちゃん

    分からなくないでしゅっ!
    煜瑾は、文維おにいちゃまがお帰りになってしまわれるのが、イヤなのでしゅ!

  • 包文維

    煜瑾…。
    私だって、君と離れ離れになるのはイヤですよ。

  • 煜瓔お兄さま

    (イライラ)
    で、こんな状態はいつから?

  • 茅執事

    そうですね~。
    かれこれ1時間近く、膠着状態でございます。

  • 煜瓔お兄さま

    い、1時間も!
    さすがに、放ってはおけないだろう。

  • 煜瑾ちゃん

    文維おにいちゃま~、お帰りになってはイヤでしゅ~。
    じゅっと、じゅっと、煜瑾といっしょに居て欲しいのでしゅ~。

  • 包文維

    煜瑾…。
    そんなに泣かないで下さい。
    カワイイお目めが真っ赤になりますよ。

  • 煜瑾ちゃん

    だってぇ、だってぇ~。
    煜瑾は、イヤなのでしゅ~。
    あ~ん、あ~ん。

  • 煜瓔お兄さま

    ただいま、煜瑾。
    何を大きな声で泣いているのだね。

  • 煜瑾ちゃん

    あ~ん、煜瓔おにいしゃま~。
    煜瑾、文維おにいちゃまが、お帰りになってはイヤなの~。
    あ~ん、あ~ん。

  • 煜瓔お兄さま

    ああ、煜瑾。
    そんなに悲しそうに泣かないでおくれ…。
    私も悲しくなってしまうよ。

  • 煜瑾ちゃん

    あ~ん、あ~ん。
    文維おにいちゃま~、煜瑾を置いて行かないで~。

  • 煜瓔お兄さま

    さあ、煜瑾、もう泣き止みなさい。
    包文維先生にもご都合があるのだからね。

  • 煜瑾ちゃん

    イヤ~、イヤ~。
    煜瑾、文維おにいちゃまといっしょがいいのでしゅ~。

  • 茅執事

    さあさ、煜瑾坊ちゃま。こちらへ。
    お顔を洗って、後で煜瑾坊ちゃまのお好きなイチゴのアイスをいただきましょうね。

  • 煜瑾ちゃん

    イヤでしゅ~!
    イヤなのでしゅ!

  • 茅執事

    煜瑾坊ちゃま、そんな風にワガママをおっしゃってはいけません。

  • 煜瓔お兄さま

    煜瑾。お兄さまが抱っこしてあげるから、文維先生にさようならって言いなさい。

  • 煜瑾ちゃん

    イヤでしゅ~。
    文維おにいちゃまに抱っこがいいでしゅ~。

  • 包文維

    煜瑾…。
    では玄関まで、私が抱っこしていきましょうね。

  • 煜瑾ちゃん

    イヤ~。
    じゅっと、文維お兄ちゃまに抱っこして欲しいのでしゅ~。

  • 煜瓔お兄さま

    い、煜瑾!
    なんてことを!
    抱っこなら、煜瓔お兄さまがしてあげようね。

  • 煜瑾ちゃん

    イヤっ!

  • 煜瓔お兄さま

    煜瑾が…、煜瑾が、またしても私を拒絶するというのか…

  • 茅執事

    ああ、もう、また面倒くさい展開になりそうですね。
    包先生、この際、せめて煜瑾さまがお休みになるまで、唐家にお留まり下さい。

  • 煜瑾ちゃん

    煜瑾、文維おにいちゃまとごいっしょしゅるの~。

  • 茅執事

    さっそく煜瑾坊ちゃまのご機嫌が直ったようですね。
    いいですか、煜瑾坊ちゃま。包先生がいらっしゃる間は「イヤ、イヤ」はいけませんよ。

  • 煜瑾ちゃん

    は~い。
    文維おにいちゃま、煜瑾のお部屋で、いっしょに絵本を読んで欲しいでしゅ。

  • 包文維

    では、お言葉に甘えて、しばらくお邪魔します。
    煜瑾、今日は夜まで一緒ですよ。

  • 煜瑾ちゃん

    うれしいでしゅ~。
    煜瑾、文維おにいちゃまとごいっしょなの~。

  • 煜瓔お兄さま

    煜瑾が…、煜瑾が…。この私を拒絶して、包文維を選ぶとは…。

  • 茅執事

    はいはい、煜瓔「坊ちゃま」。
    お利口さんですから、煜瑾坊ちゃまたちとお夕食にしましょうね。

  • 煜瑾ちゃん

    文維おにいちゃま。煜瑾と一緒にお食事しましゅか?

  • 包文維

    もちろん。
    君と食事が出来るなんて、私は幸せですよ。

  • 煜瑾ちゃん

    煜瑾、とっても、うれしいでしゅ~。

  • 煜瓔お兄さま

    私は、とっても悲しいよ、煜瑾…。

  • 茅執事

    よしよし。

  • 煜瑾ちゃん

    煜瑾は、文維おにいちゃまが大しゅきなのでしゅ~!

  • 茅執事

    まったく、世話の焼けるご兄弟ですが、相変わらず可愛らしいですね。

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