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唐煜瑾
あ、小敏!
ここにいますよ! -
羽小敏
あ、遅れてゴメン!
随分と待った? -
唐煜瑾
いいえ。
私も、先ほど来たばかりなのです。 -
羽小敏
煜瑾、日本の洋食って食べたことある?
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唐煜瑾
何ですか、それは?
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羽小敏
よし!
じゃあ、今日はお子様ランチを食べに行こう! -
唐煜瑾
お子様?
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羽小敏
いいから、いいから♪
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とあるモールにある日本式洋食店にて
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唐煜瑾
わあ~♡
美味しそうなのが、少しずつ何種類もあるんですね~♪ -
羽小敏
煜瑾の好きそうなものばっかりでしょ?
ハンバーグに、ポテトサラダに、エビフライに、オムライスに…。 -
唐煜瑾
これがお子様用なのですか?
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羽小敏
日本では、子供しか注文できないんだよ。
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唐煜瑾
こんなに楽しいランチがいただけるなんて、小敏のおかげですね。
ありがとう♪ -
羽小敏
いいの、いいの。
ボクは煜瑾が幸せそうに笑っていてくれたらいいんだから。 -
唐煜瑾
うふふ。
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羽小敏
ねえ、最近はどう?
文維とは幸せな毎日? -
唐煜瑾
ああ、この前の「お仕置き」の件は解決したのですが…。
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羽小敏
あ…。
あの「お仕置き」の件ね(笑) -
唐煜瑾
実は…。
先日、文維の元カレが登場したのです。 -
羽小敏
元カレ?
ボクじゃなく? -
唐煜瑾
違いますよ。
私に対して、なんだか威圧的なのです。とっても不愉快でした。 -
羽小敏
煜瑾に対して、威圧的?
大それたヤツだなあ。
…って、まるで宋暁みたいな…。
え?煜瑾? -
唐煜瑾
どうして小敏がその名前を知っているのですか!
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羽小敏
わ!な、何?
もしかして、煜瑾、怒ってるの? -
唐煜瑾
む~ん。
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羽小敏
怒った顔って見たことないけど、コレ、怒ってるの?
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唐煜瑾
怒っていません!
ただ不愉快で、嫉妬に燃えているのです! -
羽小敏
は?
唐煜瑾が、「嫉妬」? -
唐煜瑾
私は文維を愛しているので、嫉妬するのです。恥ずべきことではありません。
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羽小敏
ま、そんなに堂々と言われては、ボクからはなんとも…(笑)
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羽小敏
でも、まさか、あの宋暁が帰って来たとはね~。
昔、ボクにもかなりプレッシャーかけてきたよ。 -
唐煜瑾
本当に困った方ですね。
まだ文維のことを好きなのでしょうか? -
羽小敏
文維には、もう煜瑾がいるのにねえ。
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唐煜瑾
もちろん、そうですよ。
どれほど文維のことが好きでも、文維の気持ちは得られないのに…。 -
羽小敏
自信満々というか…。
相変わらず天然だなあ、煜瑾ってば(笑) -
羽小敏
ま、そこがカワイイんだけど。
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唐煜瑾
なんですか、小敏?
嫉妬を隠さないような私って愚かしいですか? -
唐煜瑾
文維は…、嫉妬は愛情の裏返しだから、嬉しいって言ってくれました…。
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羽小敏
そうだよ、嫉妬は全然いいんだよ。
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羽小敏
ただ、あのおとなしい煜瑾が、嫉妬するほど文維の事が好きなんだなあって思うと、ボクも嬉しくて♪
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唐煜瑾
うふふ。
文維が居れば、人生がとても豊かになったような気がします。 -
羽小敏
それを邪魔する宋暁ってわけか…。
アイツ、手ごわいからなあ。 -
唐煜瑾
そうなんですか?
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羽小敏
なんていうか…。
女王さまタイプなんだよね。 -
羽小敏
自分が一番愛されてる。
自分が一番キレイ。
自分が誰より、何より、とにかく一番…ってタイプ。 -
唐煜瑾
ふ~ん。
可哀想な方ですね。 -
羽小敏
は?
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唐煜瑾
本当にみんなから愛されているのなら、一番って主張する必要ありませんよね。
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唐煜瑾
一番にこだわるのは、一番になれなかったからでしょう?
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羽小敏
なるほど。
さすがみんなに一番愛されている人の言葉は、重みが違うな。 -
唐煜瑾
みんなではありません。
私は文維に一番愛されているだけです。 -
羽小敏
あ~、はいはい。
でも、ボクも煜瑾のこと、愛してるよ? -
唐煜瑾
だけど、小敏が一番愛しているのは私ではありません。
そうでしょう? -
羽小敏
まあ、そうかなあ。
ボクにも最愛の恋人さんがいるしねえ♡ -
唐煜瑾
私にも文維が居ます。文維には私が居ます。
それなのに… -
羽小敏
宋暁?
アイツのことだから、きっと文維にちょっかい出してくるだろうなあ。 -
唐煜瑾
無駄なことなのに…。
可哀想ですね。 -
羽小敏
まあ、文維がアイツになびくことはないだろうけど。
ボクは、煜瑾が宋暁に嫌がらせされないかが心配だなあ。 -
唐煜瑾
嫌がらせですか…。
なんだか怖いですね。 -
羽小敏
問題は、煜瑾が多少の嫌がらせでは気が付かないってところかな?
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羽小敏
そのせいで、宋暁が酷いことをしなければいいけど…。
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唐煜瑾
小敏?
どうかしましたか? -
羽小敏
ううん。
でも、何か困ったことがあったら、必ず文維かボクに相談するんだよ? -
羽小敏
煜瑾は1人で抱えがちだけど、そんなの誰も喜ばないんだからね。
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唐煜瑾
はい。
ありがとう、小敏。
また悩みが出来たら聞いてくださいね。 -
羽小敏
うん♪
いつでも。特にベッドの中の事とか何でも聞いて! -
唐煜瑾
???
ベッドの中のスプリングは、まだ新しいので、問題無いと思いますよ。 -
羽小敏
マジか…、おい。
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羽小敏
じ、じゃあ、良かった。
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唐煜瑾
うふふ♡
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いつまでも天然の「天使」の唐煜瑾に、今日も羽小敏は勝てそうにないのだった♡
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羽小敏
カワイイから、勝てなくてもいいんだけどね♪
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おしまい
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