ふわぁ〜よく眠ったね

んー…わたしたちどれくらい寝てた？

100年くらいかな

ねぇねぇ次はどこへ行こうか

なんか、戦いは飽きてきたよ…

じゃあ、次は戦争がない国へ行けるといいね

でもそしたら退屈じゃない？

まあ、どこでも良いでしょ？私たちならどこでも楽しめるよ

ここは…って、また森の中！！

んー？なんか前回とおんなじような感じだね？

何言ってんのよ。そりゃどの世界でも冒険はまず森の中からに決まってるでしょ。それに、前回も前々回もその前も、ずっと森の中スタートだから。あんたら何回おなじ流れをするつもりなの？

あーそっか！異世界旅行をするにはまず世界を知り、馴染むところから！そしてウチらが突然現れるのはどう考えても不自然。まずは何にも見つからない場所に到着し、コソコソ嗅ぎ回るところから始まるってわけね！

うんうん、わたしたちの価値観とここの世界観を一致させるところからのスタートってことだよね？

長々と説明どうも。だけどその会話もう何百回目…？

高く四角い高い建物…ビルってやつ？確か前にも見たことあるよね

んー？うん、前に旅したときは…到着した途端、建物が魔物に攻撃されて破壊されたのをちょうど目撃したような

ああ！そしてそのまま謎の戦争に巻き込まれたんだ！あの時はびっくりしたよ、だけど最終的には村の英雄みたいになって超豪華な食事と宝物をもらってよね。あの旅は短かったけど、まあまあ良い旅だったかな！

はあ…話が脱線しているけど、私達はこれからこの世界に馴染む必要があるの。まずこの場所に住む種族の観察から始めないと

そ、そうだったね。確か前のとき、こういう建物がある場所には“人間”が住んでたよね？

うん。私に似てるけど寿命が短い種族。今回もそうだと思うけど…そうなると面倒ね

人間が他の種族と共にいることはほとんどない、だよね？

そう。経験上、この種族は他の種族への認知が薄いの。だからこそ馴染むのには私達はこの種族になりきる必要がある。つまり擬態ね。
きっと自分たちとは違う種族だと気付かれた場合、恐れられるか攻撃されるかのほぼ2択といっていいわね

なるほど…！ってことはウチらの姿ヤバいじゃん！ほらコロンも、とりあえず羽しまって、耳の形を鈴音みたいにして！

う、うん

なあにあれ、酔っ払いかな？

多分そうね。酔っ払いはどこの世界にもいるし、特徴も往々にして変わらないから

うーん、それにしても服装もちょっと変わってるね。あの、頭に巻いてあるやつもこの世界では必需なのかな？

そうね…装飾品のようにも見えるけど。とりあえず服装はどうにかした方がよさそうだわ

あ、じゃあわたしさっき見つけた服屋さんっぽいところで転送魔法使ってくる

それじゃ、ウチはあの酔っ払いからこの世界の通貨を拝借させてもらおうかな

２人ともよろしくね。ああそれと、ガーネットは酔っ払いの記憶を消しておくのも忘れずにね

おそらくコレよね？

ペラペラの紙に、小さなコイン。これっぽいね？全然数え方がわからないけど

あ、そういえば。前に錬金した言語理解の飴玉があったわね

ああそっか！通貨が数えられないってことは、やっぱりウチらには本当に未知の世界ってことでしょ？なんかワクワクしてきた…！

よしっ！これで見た目は完全にこの世界の人間じゃないかしら私達

うん！ウチら完璧すぎる

この布すごいふわふわだよ。わたしも気に入った

…そしてら、次の目的地は情報がたくさん集まる場所。冒険者ギルドや世界図書館とかを探しましょ