そうだ、海へ行こう‼
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
5 そうだ、海へ行こう!
「そう!今度の定休日、蘭ちゃんたちも夏休みだから一緒に海に行こうって誘われたの。零くんや梓ちゃん、あとヒロくんも誘ってみてって言われたよ」
「それなら俺がヒロを誘ってみるよ」
「うん!私も梓ちゃんに連絡してみるね!」
こうしてこの日、ポアロ組と高校生組とコナンは全員で海へ行くことになった。
いざ海へ行き、それぞれが水着姿になると、蘭を見たコナンが顔を赤くし、ユキの水着姿を見たマスターは心の中で悶絶した。
ユキが身に付けているのは白とハイネック型のフリルビキニ。露出は少なめだがチラッとおへそが見えている。彼女に合わせて園子が選んでくれた可愛らしい水着は彼女自身もかなり気に入っているようで、恥ずかしそうにしながらも、どうかな?と期待のこもった目でマスターを見つめていた。
え、なにそれめっちゃ可愛いんだけど。さすがに俺のユキが可愛い過ぎるな…と目の前の妻の可愛さにやられているマスターは、とりあえず俺の上着来ててくれ、とさり気なく自分の着ていたラッシュガードを彼女の肩にかけた。流石に周りの人の目線が彼女に集まるのは耐えられない。
そして上着を脱いだマスターの立派な身体見て女性陣は大絶叫した。健康的な褐色肌に立派な筋肉、そして180cm以上の身長であのハニーフェイス、そりゃ絶叫するわ。隣にいたヒロは小さく笑みをこぼしてから自分の身体に目を向けた。
(あれ?俺も結構いい身体してると思うんだけどな)
「れ、零くんがかっこいいからみんなびっくりしてるよ」
「ふは、なんで君まで照れてるんだ。いつも見てるだろ。それより僕は水着姿の君が可愛いらしくて困ってるよ」
「ほ、ほんとう?私似合ってるかな」
「うん、すごく似合ってるよ。けど、あんまり肌を焼かないようにな」
流れるようにユキの頭を撫でるマスター。そんなマスターを見てふふっと照れながら笑うユキ。その笑顔を見てふわりと優しく目尻を落としたマスターはそのまま彼女の頬に手を添えてチュッと短くキスをした。完全に2人の空間である。そんな2人から目が離せない女子高生と梓は互いの拳を握りながら、顔を火照らせ興奮気味にカメラを構えていた。
(はわわ、何あのカップルじゃなくて夫婦か羨ましい。)
(いいなあ、すごく素敵な夫婦)
(物凄くナチュラルにイチャイチャを見せつけてくるなこの夫婦…)
(ゼロ、また周りの存在忘れてるよ…)
* * *
▽ナンパ野郎が現れた!!
男性陣が食べ物を買いに行ってる間、女性陣できゃっきゃしてたらチャラ男共に声をかけられた。楽しく恋愛話に花を咲かせていたところに横やりを入れてきた男たちを園子が間髪入れずに睨み返す。
「なによ、あたし達に声をかけるとはいい度胸じゃない」
「ちょっと園子!」
「へえー、気の強い女の子もカワイイけど、俺はそっちの子の方が好みかも」
「そういうわけだからさ、お姉さんたち俺らと遊ぼうよ!」
園子の言葉を無視し、自分たちを品定めするような下品な視線をこちらへ向けながら1歩前に出て近づいてくる男に、蘭が鋭く目を光らせたとき、隣に居たユキがあの、と恐る恐る声をあげた。
「わ、私たち他にも一緒に来てる人がいるので」
「じゃあその子も誘っていいからさ!」
「いや、その子も誘って…?(つまり零くんたちも呼んでいいってことかな?) それじゃあ、」
それなら、零くんたちに聞いてみよう。うん、そしたらみんなで一緒に遊べるかもしれないし。
先程まで不審な顔をしていたのに、どういうわけかパッと表情を一転させ謎の思考に至ったユキ。彼女が見当違いな発言をする前に、恐ろしい笑みを浮かべたマスターが彼女の前に立ちはだかった。
「じゃあ、一緒に遊びましょうか。僕らと一緒に」
「は?誰だお前」
「誰って、さっき貴女たちか言ってたじゃないですか。一緒に遊びに来てる人も誘うとか」
「れ、零くん!」
「はああ!?一緒に来た人って男だったのかよ!」
「頼まれてたご飯買ってきたよ、向こうで食べようか…ってどういう状況?」
「あ、ヒロさん なんかさっき声をかけられて…」
「あれれー?ママこの人たちだあれ?」
「え!?こ、コナン君!? (ま、ママって)」
「しかも子ども連れかよ…(てかこの顔で子供って、年齢おかしいだろ)」
「それで何の用です?特に用がないならさっさと僕らの前から消えてくれませんか 」
女性陣に背を向け、ナンパ男たちを見下ろし静かにキレるマスター。ヒロやコナンが参戦したことでカオスな状況と化した。そんな空間に混乱した男たちはマスターの最後の一言でビビって退散していった。
マスターの圧に情けない声をあげて逃げて行くナンパ野郎たち。うん、情けなさすぎるわ。てかマスターとヒロさんの顔が良過ぎるのよね。そんななりで私たちが靡くわけないじゃない!ね、ユキさん!とユキの方を向いた園子はマスターに抱きしめられる彼女を見て、わっ!と小さく声を漏らした。蘭と梓のもとへ行き3人で赤面しながら2人の様子を見守る。
「ユキ、何もされなかったか?」
「うん!零くんが来てくれたから!」
「そうか、なら良かったよ」
ナンパ野郎たちが走り去った後、すぐに振り返ってユキの肩を抱き寄せたマスターは真剣な顔をしてユキの顔を覗き込んだ。そして何もなかったことが分かるとほっと緊張を解き目尻を下げて優しい表情で彼女の頭を撫でるのだ。
その後、マスターがふらふらと歩き回るユキの横にピッタリくっついて離れることがなかったのに気づいたヒロは相変わらずだな、と2人の様子に笑みをこぼした。その横で同じくマスターの様子に苦笑いを浮かべるコナンはヒロにこっそり耳打ちする。
「ねえヒロさん、声かけられただけだよね?マスターちょっと過保護すぎじゃない?」
「はは、まあ2人は昔からあんな感じだよ。可愛い夫婦だろ?」
(可愛い夫婦って…そういえばヒロさんもあの夫婦の幼馴染だったな)
* * *
▽逆ナンパギャルたちが現れた!!
トイレの近くでユキたち女性陣を待ってたマスターは、あっという間にギラギラした女性たちに囲まれてしまったようで、複数の若い女性に迫られるマスターはどう対処したらよいか少し困惑していた。
その時、ちょうどトイレから出てきた女性陣。蘭を梓は囲まれるマスターの様子に気が付き、焦ったようにユキの方を向いた。
しかし逆ナンされているマスターの方を見て、零くん人気者だな、なんて呑気な声を出すユキに蘭と梓はほっと息をついた。
一方で、にんまりと口角を上げてユキの肩をガシリと掴んだ園子。
「園子ちゃん…?」
「ほら、ユキさん!彼は私のだー!って突っ込んで来なさいよ!」
「ええ!?そ、そんなこと…うう、みんなキラキラしてて私がいったところで…」
「んもう!ユキさんどうしてそんな自信なさげなのよ」
「そうですよ!ユキさん本当に綺麗なのに」
「ほら早くマスターの腕に抱きつきに行かないと!あのマスターなら絶対喜ぶんだから。」
(零くんが喜ぶ…?)
絶対マスターが喜ぶから!と蘭、園子、梓の3人に後押しされたユキはしばし思案した後、勇気を振り絞って数メートル先のマスターのもとに向かうことを決意した。
「よしっ!わかった行ってくる!」
* * *
小走りでマスターのところへ向かったユキは、やんわりと女性たちのナンパを躱そうとする彼の後ろから彼と女性たちの間に滑り込んだ。
「ああ、あの!零くんは、わ、私の夫なので…」
きゅううと涙目で腕に抱きついてくるユキを見てマスターは驚いたように目を見開いた。そして何を思ったのか突然体の向きを変え、女性たちに背を向けて、女性たちから隠すように勢いよくユキを抱きしめた。
(ちょっと待て何この小動物可愛いんだが?俺を助けようとしてくれたのか?勇気を出して頑張ってくれたんだな? くそ可愛いなありがとう)
ユキを強く抱きしめることで荒ぶる心を静めたマスターは、ふう、とひとつ息を吐いていつもの人好きのする笑みを浮かべて女性たちの方を向いた。
「そうです、僕は彼女のものなのでお引き取りください」
「え、あの(まってなにあの可愛い小動物、ちょっとあんたの背中で見えないんだけど!)」
「(まって今夫って言った?この男結婚してんのかよ。てか奥さん可愛い過ぎんだろっ!)」
逆ナンをしてきた女性たちはマスターに抱きつく小動物のあまりの可愛さに一瞬思考を停止した。この通り僕には妻がいますので…というマスターの声はもはや届いておらず、彼女たちはマスターによって隠された奥さんの姿を見ようと必死である。
最終的に奥さんの可愛さに悶えるイケメンの旦那の図を見守った女性たちは、ありがとうございます!と場違いなセリフを叫びながら去って行った。誰もいなくなったことを確認したマスターは愛しい妻をもう一度ぎゅっと抱きしめる。
「ユキ、助けてくれてありがとう」
「うん…」
ぎゅうぎゅうと抱きしめながらお礼を言うと、マスターの腕の中で小さく頷いたユキ。
思いの外か細い声で、弱々しく返事をするユキにどうしたのか不思議に思ったマスターはとりあえず彼女の頭を撫でる。腕の中でグリグリと頭を押し付けてくる彼女にどうしたんだ?と優しく声をかけるとマスターの腰に回った春の手に少し力が入った。
そして「零くんが、他の女の人に触れるのはいや…」と呟く彼女にマスターは心臓を撃ち抜かれた。
(…っっ!まさか嫉妬をしてたのか?ヤキモチを妬いたのが恥ずかしくて、照れ隠しでぎゅうぎゅうと抱き着いて甘えているのか俺の妻は!ちょっとかわいいが過ぎるな)
この後、いつにも増して自分の嫁を甘やかすマスターを見たコナンはヒロに自動販売機でブラックコーヒーを買ってもらった。
1/1ページ