女子高生に振り回される夫婦
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
15 女子高生に振り回される夫婦
「それで?今日こそ教えてもらうわよ!」
「園子ちゃん、いったい何を?」
「そんなの決まってるじゃない!2人の夜の行為についてよ!」
「夜!?な、なに言ってるの園子ちゃん!」
「何よ、毎回はぐらかして教えてくれないから今日は気合い入れて来たのよ」
「でも、そんな教えることなんて」
夕方、学校も終わり帰りの生徒たちの往生が増えてくる現在、突如ポアロに現れた園子。そしてその後ろから呆れ困った表情の蘭が追いかけて入店してきた。ごめんなさいユキさん…と心の中で呟いた蘭はポアロへ来て早々まくし立てる親友に苦笑いを浮かべた。こうなったらもう園子は止まらない。
最初は小声で話をしていたつもりなのだろうが、突然の話題に大きな声を出して驚いたユキ。2人の会話の声は徐々に大きくなっていき、ヒートアップする。きょろきょろと周りを見渡す蘭は閉店間際ということもあり、自分たち以外の客がいないことに胸をなでおろす。
「もう!往生際が悪いわよ…、は!もしかして、実はあんまり上手くいってないの?あんなにラブラブなのに?実はめっちゃ下手くそとか…」
「園子ちゃん!?そそそんなわけないでしょ!む、むしろ高校生のときから付き合ってるけど、その、初めてのときだってもの物凄く上手だったし、実はそ、そんな経験豊富だったのかな?とか思ったこともあったし、私じゃ物足りないのかな?って悩むこともあったけど…でもそれくらい上手で、ちょっと驚いたというか嫉妬したというか…って何言わせるのよ!」
ついに、男女のデリケートな話題に容赦なく突っ込んだ園子。予想外の園子の発言にギョッと目を見開いたユキは、何を思ったのか園子のテンポに乗せられ、店内でとんでもないことを口走ってしまった。
「ま、マスターまじで?高校生のときから付き合ってるのに経験豊富ってちょっと」
「や、やっぱりそうなの? (やっぱり零くんは不満だったのかな?私って体力ないし、そんな頻繁にできないから…)」
そうして、しょぼんと項垂れてしまったユキを見ていたマスターは思わず頭を抱えた。
* * *
園子とユキの2人の会話に耳を傾けていたコナンはその内容を聞いてジトーっとマスターの方を見た。
「ま、マスターそれって…」
「いや君が何を想像しているか分からないが、違うからな!?」
彼女たちいったい何の話しをしてるんだ!?いや、確かに前世を合わせれば、かなり経験豊富な方ではあるし、自分が上手であることは自負してるが、なんなら初めての彼女に対してもめちゃくちゃ上手くやれたとは思ってたけど、まさかそれが彼女を不安にしてたとは。なんだか話が不穏な感じになっているが、今世では彼女以外との経験は一切ないんだ、誓って!!
心の中で必死に弁明するマスターの胸中はコナンには伝わらない。若干の動揺を隠しきれていないマスターの様子に、もしや本当に後ろめたいことがあるわけじゃないだろうな、とコナンも疑いの目を向けざるを得なくなる。
そんな中、ユキようやく自分が勢いで色々恥ずかしいことを口走ったことに気がついた。そして彼女は可哀想なくらい顔を真っ赤にしてしまい、目には涙を浮かばせている。
園子さん、これ以上うちの嫁をいじめるのはやめてくれないか。マスターは心の中で呟いた。彼にとってもとんでもない風評被害である。珍しく動揺しているマスターは拭いていた皿を落としてしまう始末だ。
そんなマスターの様子に、やはり何かやましい事があるのではと疑いを深めたコナンはマスターに怪訝な目線を向ける。
「お2人とも、いくらお客様がいないといってもこの場でそのような話はいかがなものかと」
「ちょっと!自分にとって都合が悪い話だから意識を逸らそうとしてるわけじゃないでしょうね?」
「まさか!?話を変な方へねじ曲げるのはやめてくれませんか?(今世の)僕だって彼女が初めてでしたよ!!」
「っ!!!」
「あの、奥さんが沸騰して倒れそうだから やめてあげて…」
まさかの、あのマスターの口からもとんでもないない報告が飛び出した。はっっと目を見開いて、ついに縮こまってしまったユキ。キャーキャー騒ぐ女子高生2人といつの間にかそこに加わった梓。
はたからその様子を見ていたコナンはあまりにも可哀想なユキを見てマスターの服を引っ張った。コナンの行動によりハッと我に返ったマスターは目を回して今にも倒れそうなユキを周りから隠すように抱きしめた。
そのおかげで更に騒がしくなるポアロをこっそり抜け出したコナンは自分も巻き込まれる前に、と一足先に探偵事務所の方に戻ることにした。
全く小学生の前でなんつー話をしてんだこの人らは。いや、この場合マスターもユキさんも被害者なのか…?
その夜、お風呂から上がったマスターとユキの2人はそろそろ寝ようかと一緒に寝室へと向かう。そのとき、サッとベッドの上へ正座したユキは真剣な顔をしてマスターに向き合った。
「あの、零くん」
「どうしたんだ?そんな正座までして」
「えっと、私、大丈夫だから!」
「ん?」
「零くん!き、今日は私が零くんを気持ちよく…」
そう言って恐る恐るマスターの太もも辺りを凝視するユキを見て、マスターは彼女が何を考えているのかを理解した。
もしかして、店で園子さんに言われたことを気にしてるのか?いったいどの発言から今の行動に至ったかは不明だが、彼女が俺のことを考えて、彼女なりに俺に何かしらアプローチをしたといったところか、それは、そんなの可愛い以外の何ものでもないだろ! おい待て、俺の妻がとんでもなく可愛い。今すぐ押し倒したい。いやダメだ俺は彼女の努力を無下にするのか?
頭の中でプチパニックに陥っているマスターに気づくことなく、幾らか期待のこもった目で見つめてくるユキは本当に愛らしいが、マスターにはある懸念があった。
彼女に触られるのは、確かに願ってもないことだし、むしろご褒美以外の何物でもないのだが、ただ君はあまりそういうことが得意ではないと思ってたから…。
「む、無理する必要はないんだ」
「零くんは、私に触られるのはいや?」
「ン"ン嫌なわけがあるか!むしろ今すぐ…」
1/1ページ