風見裕也との再会
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1 風見裕也との再会
仕事を終えて久々に早い時間に帰宅することが出来た風見は家に帰る前に、ふらりと喫茶店へ立ち寄った。
外での食事なんていったいいつぶりだろうか。『喫茶ポアロ』と書かれた看板を横目に風見は店の扉に手をかける。今も昔もこの仕事は好きだがどうにも忙しくてかなわない。ふと風見が目を閉じて思い出すのは過去に憧れた上司の姿。
もし、あの人が自分と同じように生まれ変わり新たな人生を歩んでいるとしたら、いったい今何をしているのだろう。
扉を開けると同時に聞こえてくるいらっしゃいませ!という声を聞いた風見は弾かれたように顔を上げた。耳馴染みのある、ひどく懐かしい声が聞こえたような気がした。空耳か、過去の思い出に浸りすぎてついに幻聴でも聞こえたかのと目線を上げた先、風見は自分の目に映った光景を疑った。
「ふ、降谷さん!?」
自分の目の前にいるのは、たった今、頭の中で思い描いていた上司の姿。雰囲気は自分の想像よりも少しばかり穏やかであったが、その容姿は間違いなく風見の記憶にある降谷零、その人物と一致していた。
思わず大きな声が出てしまい、風見は咄嗟に口元を覆う。
(懐かしい声が聞こえたと思ったら、まさか、降谷さんと再会するなんて…)
とりあえず突然大声を出したことを謝ろうとする風見だったが、こちらを向いた降谷も、風見と同じように驚いたように固まっていた。
「…風見か?」
「え、降谷さんも覚えて…」
「まさかここで君にもう一度会えるとは思わなかったよ」
喫茶店のエプロンを身に付け、こちらへどうぞと席を案内する降谷に困惑しながらも風見はその誘導に従う。そしてカウンター席へ着いたあと、降谷は風見に向かって「久しぶりだな」と呟いた。その言葉に言いようのない感動を覚えた風見は、震える声でお久しぶりですと返した。
降谷のエプロンに付けられた名札には「店長」の文字が書いてある。それを見て風見はこの店は彼が経営しているのだと知った。前世の降谷を見てきた風見からしたら予想外の職業だった。いったいどんな経緯で喫茶店を営むことになったのだろうかと色々思うところはあったが、他の客からマスター!と呼ばれ笑顔で駆け寄る降谷の表情を見て何も言えなくなってしまった。
「どうした、そんなに難しい顔をして。そんなに俺と喫茶店が似合わないか?」
「ええ!?いやそんなことは…えっと良い雰囲気のお店だと思います」
「はは、何をそんな緊張してるんだ、今はもう上司と部下なんて関係じゃないんだ」
「いえ、なんだかまだ混乱していて。ですが降谷さん、なんだかとても穏やかになりましたね」
「そう見えるか?」
まあ今世はあんなに殺伐とした場所では過ごしてないからな、と苦笑する降谷は、やはり前世のような刺々しい雰囲気がなくなったようだと風見は感じた。
「あの、また来てもいいですか?」
「何を言ってるんだ当たり前だろ、また来てくたら嬉しいよ。今日はたまたま僕1人だけど、次は僕の妻も紹介させてくれ」
「…はい!!」
〇降谷と同じく前世の記憶を持つ風見裕也
今世でも公安警察やってる。ふらっと寄った喫茶店で前世の上司に会ってびっくりした。降谷さんが自分のこと覚えててくれて感激。前世の降谷との違いに動揺したが、幸せそうに奥さんの話をする降谷さんを見て何故か感極まって泣きそうになった。
今世では自分がこの人達の平穏を守らねばと強く決意した。
ちなみに、風見裕也、今世では警察庁に所属してたりする。前世の降谷さんの背中を追って、今では前世の降谷さんと同じ地位で働いている。
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