夢主が幼児化したIf世界線①
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ポアロマスターは愛妻家!!シリーズのif世界線。もしコナンと同じように夢主が幼児化したら…という話。
時間軸はユキが大学卒業したすぐ後、2人が喫茶店を始める前。この世界線は降谷零×幼女がテーマなので、毛利探偵事務所の下には原作と同じ喫茶ポアロが存在しています。また警察学校組及び風見裕也は原作より少し若い設定です。
それは大学の友達との飲み会終わり、婚約者である零くんの迎えを待っているときだった。たまたま悪の組織の取引を目撃してしまったユキは、毒薬を飲まされてて、気が付いたら体が縮んでしまっていた!
一方で、迎えに行ったはずのユキの姿が見当たらずに焦った零は、景光を召喚して共に周辺を探して回った。1時間ほど経った頃、未だにユキが見つからず連絡も付かないため警察に連絡を取ろうとした時、カタリと近くの裏路地で音が鳴った。反射的に振り返った零はそこにユキがいると確信した。
「…っユキ!?」
しかしそこには、まだ3.4歳ほどの小さな子どもが倒れているのみ。子どもを怖がらせまいとゆっくりと近づく零は、横たわる子どもの顔を見てハッと息を呑んだ。なぜならその子どもの顔に見覚えがあったからだ。ちょうど零とユキが出会ったばかりの頃、零がユキを好きになった当時の容姿そのままだ。加えて、子どもが纏っている洋服、それは今日ユキが着ていくと選んだものである。
「ユキ…?っ酷い熱じゃないか」
そっと倒れているユキに声をかけながら洋服ごと抱きあげれば、そこから伝わってくるのは幼児にしても高すぎる体温。顔を見れば頬を真っ赤にして苦しそうに呼吸していた。
「ゼロ!ユキちゃんが見つかったって…」
「ヒロ、すぐに伊達たちに連絡してくれ。ユキが…」
* * *
「えっと降谷さん、ですか」
「はは、まさか今世でも君に会えるとはな…。とりあえずヒロ、どういう状況か説明してくれ」
場所は警察病院。身体の縮んでしまったユキが見つかってから数時間。普通の病院に連れていくには状況が特殊すぎるため、いったん警察への連絡を景光に任せて自宅でユキに付きっきりで看病していた零は、突如景光に連れられ警察病院までやって来た。
そこで零を待ってたのは、かつて警察学校で過ごした仲間である伊達、松田、萩原とそして、かつて公安警察として共に歩んできた風見だった。
松田と萩原は大学時代に再会していたため、その縁で大学卒業後に伊達とも面識はあった。そこで3人とも前世と同じ警察の道へ進むことを話していたので彼らが警察であることは知っていたが、まさか風見とまで再会するとは思わなかったのだ。しかも全員前世の記憶を持っているときた。
景光の話によると、今回の件は公安で調査をすることが決まったらしい。そのため自分たちの身柄を公安で保護させて欲しいということだった。今世でも公安警察として働いているらしい風見から話を聞きながら零は景光を睨んだ。風見とのやり取りを見るに、景光は随分と前から風見と知り合っていたようだ。
「ヒロ、お前いつの間に公安警察の協力者になってたんだ。それにお前たちも」
「まあまあ、ゼロ落ち着いて。俺たちはゼロとユキちゃんを守りたかっただけだよ。それに協力者の件についてだけど、もし風見さんから声がかかったとしても、今のゼロはそれに答えられないだろ?だからあえて言う必要もないと思って」
「それは…そうだが」
子ども用の小さなベッドの上で眠っているユキちゃんに触れて、零は小さく息を吐いた。景光の言う通り、今世ではユキと生涯をともにすることを決めていた零は、自ら危険なことには関わらないことを念頭に置いていた。よって将来警察官になるという選択肢は消え、ユキと小さな喫茶店でも開いてゆったりとした人生を過ごすのも悪くないと思っていた矢先にこんなトラブルである。
頼れる人間は多いに越したことはない。先程、景光から連絡をもらった警察学校組の面々は迷わず風見の協力者になることを決め、夜中にも関わらず直ちに警察病院に集合した。
* * *
side Hiromitsu
翌朝、ユキちゃんの精密検査結果を伝えられた俺たちはサッと顔色を悪くした。ユキちゃんの血液から出たのは毒物反応。普通であれば細胞を破壊し、人間を死に至らしめるような有毒な薬品の反応があったそうだ。しかしどういうわけかユキちゃんは身体が幼児化するだけで死には至らなかった。かなり奇跡に近い状態であると医者から告げられた。
未だ熱が下がらずに苦しそうにしているユキちゃんを見ると胸が苦しくなる。いつもよりも、何倍も小さなユキちゃんの手を握っているゼロの瞳には不安の色が消えない。何らかの事件に巻き込まれたユキちゃん。死には至らなかったものの明らかに普通ではない事態に安心などできるわけがなかった。零は昨夜からずっとユキちゃんのそばを離れなかった。
医者によれば今のユキちゃんの状況は単純に風邪を引いているときと同じらしい。症状がそれで済んでいることが不幸中の幸いというわけか。
けほけほと咳を繰り返すユキちゃんは、苦しさから突然目を覚ました。目を開けたユキちゃんを見てようやく肩の力を抜いた零はユキちゃんの背中をさすりながら優しく声をかける。そんな零の声を聞き、顔を上げたユキちゃんはヒクリと喉を鳴らした。そして、ゼロの姿を目にした途端、その瞳から大粒の涙を流し始めるので、ユキちゃんの不安な気持ちが伝わってきて俺まで涙が出そうになった。
目を覚ましてから少しずつ熱が引いてきたユキちゃんの様子に安心したのも束の間、次の問題はユキちゃんの記憶だった。さり気なく昨日何があったのか聞いてみたところ、飲み会の話をしたので記憶はそのままなのかと思ったが、フーコはどこ?と辺りを見回すユキちゃんに違和感を覚えた。フーコとはユキちゃんが小さな頃にずっと持ち歩いていたクマのぬいぐるみだ。ゼロに言われて2人が同棲しているマンションにあったものを急いで持ってくればユキちゃんは目を輝かせてぬいぐるみを抱きしめた。
「あのねレイくん。わたしね、もうすぐおとうとがうまれるんだって」
そして、ゼロが切ったリンゴをちまちまと食べながらユキちゃんがしたこの発言により実際の記憶と3歳頃の当時の記憶ががかなりごちゃごちゃになっていることがわかった。
今まで知り合った人たちのことはなんとなく覚えているようだが言動は少し幼い。ゼロからすると小さな頃のユキちゃんそのままだと言うので精神年齢は身体に引っ張られているようだった。
(とりあえず、俺のことが忘れられてなくて良かった)
ゼロと仲良く話をしているユキちゃんの様子を見守ってそっと病室を出た俺は風見さんのもとへ向かう。ひとまず2人を守るために、風見さんと相談しながらゼロに代わって諸々の手続きを進める。
まずは公安警察の保護を受けることと伊達たちとの協力を得やすくするためにも米花町へ引越す必要がある。よって公安警察により手配されたマンションへ移動し、ユキちゃんの新たな身分を用意する必要があった。
後日、熱も下がったのでとりあえず大丈夫だろうと医者に言われたためゼロとユキちゃんの引越しが始まった。しかし新居に越してきてから1日経過してすぐにユキちゃんが熱をぶり返してしまったのだ。恐らく初めての家の中で落ち着かなかったのだろうが、こうもユキちゃんの体調不良が続くとさすがにゼロも俺も心配だった。
というわけで、よいしょっとまとめた自分の荷物を新しいマンションへ運んできた俺を見てゼロは目を丸くした。あれ、そう言えばまだ言ってなかったか。
なんだその荷物は…と言いたげなゼロの目線を察して俺は苦笑いを浮かべた。
「ああとりあえずユキちゃんがもとに戻るまでは俺もここに住むから。さすがにゼロ1人だと大変だろうし、俺もゼロと同じテレワークで仕事する予定だから。もし俺らどちらかに予定が入ってもどちらかがユキちゃんのそばにいられるだろ? ああそれと、今日からユキちゃんとゼロは腹違いの兄妹っていう設定だから、よろしくな」
そうして始まるゼロヒロ×幼女の共同生活。
続くかは分かりません。とりあえず夢主が幼児化する世界線を書きたかっただけです。
この後すぐに原作軸に入って、米花町に住む兄妹として普通にコナン君たちと出会うと思います。
時間軸はユキが大学卒業したすぐ後、2人が喫茶店を始める前。この世界線は降谷零×幼女がテーマなので、毛利探偵事務所の下には原作と同じ喫茶ポアロが存在しています。また警察学校組及び風見裕也は原作より少し若い設定です。
それは大学の友達との飲み会終わり、婚約者である零くんの迎えを待っているときだった。たまたま悪の組織の取引を目撃してしまったユキは、毒薬を飲まされてて、気が付いたら体が縮んでしまっていた!
一方で、迎えに行ったはずのユキの姿が見当たらずに焦った零は、景光を召喚して共に周辺を探して回った。1時間ほど経った頃、未だにユキが見つからず連絡も付かないため警察に連絡を取ろうとした時、カタリと近くの裏路地で音が鳴った。反射的に振り返った零はそこにユキがいると確信した。
「…っユキ!?」
しかしそこには、まだ3.4歳ほどの小さな子どもが倒れているのみ。子どもを怖がらせまいとゆっくりと近づく零は、横たわる子どもの顔を見てハッと息を呑んだ。なぜならその子どもの顔に見覚えがあったからだ。ちょうど零とユキが出会ったばかりの頃、零がユキを好きになった当時の容姿そのままだ。加えて、子どもが纏っている洋服、それは今日ユキが着ていくと選んだものである。
「ユキ…?っ酷い熱じゃないか」
そっと倒れているユキに声をかけながら洋服ごと抱きあげれば、そこから伝わってくるのは幼児にしても高すぎる体温。顔を見れば頬を真っ赤にして苦しそうに呼吸していた。
「ゼロ!ユキちゃんが見つかったって…」
「ヒロ、すぐに伊達たちに連絡してくれ。ユキが…」
* * *
「えっと降谷さん、ですか」
「はは、まさか今世でも君に会えるとはな…。とりあえずヒロ、どういう状況か説明してくれ」
場所は警察病院。身体の縮んでしまったユキが見つかってから数時間。普通の病院に連れていくには状況が特殊すぎるため、いったん警察への連絡を景光に任せて自宅でユキに付きっきりで看病していた零は、突如景光に連れられ警察病院までやって来た。
そこで零を待ってたのは、かつて警察学校で過ごした仲間である伊達、松田、萩原とそして、かつて公安警察として共に歩んできた風見だった。
松田と萩原は大学時代に再会していたため、その縁で大学卒業後に伊達とも面識はあった。そこで3人とも前世と同じ警察の道へ進むことを話していたので彼らが警察であることは知っていたが、まさか風見とまで再会するとは思わなかったのだ。しかも全員前世の記憶を持っているときた。
景光の話によると、今回の件は公安で調査をすることが決まったらしい。そのため自分たちの身柄を公安で保護させて欲しいということだった。今世でも公安警察として働いているらしい風見から話を聞きながら零は景光を睨んだ。風見とのやり取りを見るに、景光は随分と前から風見と知り合っていたようだ。
「ヒロ、お前いつの間に公安警察の協力者になってたんだ。それにお前たちも」
「まあまあ、ゼロ落ち着いて。俺たちはゼロとユキちゃんを守りたかっただけだよ。それに協力者の件についてだけど、もし風見さんから声がかかったとしても、今のゼロはそれに答えられないだろ?だからあえて言う必要もないと思って」
「それは…そうだが」
子ども用の小さなベッドの上で眠っているユキちゃんに触れて、零は小さく息を吐いた。景光の言う通り、今世ではユキと生涯をともにすることを決めていた零は、自ら危険なことには関わらないことを念頭に置いていた。よって将来警察官になるという選択肢は消え、ユキと小さな喫茶店でも開いてゆったりとした人生を過ごすのも悪くないと思っていた矢先にこんなトラブルである。
頼れる人間は多いに越したことはない。先程、景光から連絡をもらった警察学校組の面々は迷わず風見の協力者になることを決め、夜中にも関わらず直ちに警察病院に集合した。
* * *
side Hiromitsu
翌朝、ユキちゃんの精密検査結果を伝えられた俺たちはサッと顔色を悪くした。ユキちゃんの血液から出たのは毒物反応。普通であれば細胞を破壊し、人間を死に至らしめるような有毒な薬品の反応があったそうだ。しかしどういうわけかユキちゃんは身体が幼児化するだけで死には至らなかった。かなり奇跡に近い状態であると医者から告げられた。
未だ熱が下がらずに苦しそうにしているユキちゃんを見ると胸が苦しくなる。いつもよりも、何倍も小さなユキちゃんの手を握っているゼロの瞳には不安の色が消えない。何らかの事件に巻き込まれたユキちゃん。死には至らなかったものの明らかに普通ではない事態に安心などできるわけがなかった。零は昨夜からずっとユキちゃんのそばを離れなかった。
医者によれば今のユキちゃんの状況は単純に風邪を引いているときと同じらしい。症状がそれで済んでいることが不幸中の幸いというわけか。
けほけほと咳を繰り返すユキちゃんは、苦しさから突然目を覚ました。目を開けたユキちゃんを見てようやく肩の力を抜いた零はユキちゃんの背中をさすりながら優しく声をかける。そんな零の声を聞き、顔を上げたユキちゃんはヒクリと喉を鳴らした。そして、ゼロの姿を目にした途端、その瞳から大粒の涙を流し始めるので、ユキちゃんの不安な気持ちが伝わってきて俺まで涙が出そうになった。
目を覚ましてから少しずつ熱が引いてきたユキちゃんの様子に安心したのも束の間、次の問題はユキちゃんの記憶だった。さり気なく昨日何があったのか聞いてみたところ、飲み会の話をしたので記憶はそのままなのかと思ったが、フーコはどこ?と辺りを見回すユキちゃんに違和感を覚えた。フーコとはユキちゃんが小さな頃にずっと持ち歩いていたクマのぬいぐるみだ。ゼロに言われて2人が同棲しているマンションにあったものを急いで持ってくればユキちゃんは目を輝かせてぬいぐるみを抱きしめた。
「あのねレイくん。わたしね、もうすぐおとうとがうまれるんだって」
そして、ゼロが切ったリンゴをちまちまと食べながらユキちゃんがしたこの発言により実際の記憶と3歳頃の当時の記憶ががかなりごちゃごちゃになっていることがわかった。
今まで知り合った人たちのことはなんとなく覚えているようだが言動は少し幼い。ゼロからすると小さな頃のユキちゃんそのままだと言うので精神年齢は身体に引っ張られているようだった。
(とりあえず、俺のことが忘れられてなくて良かった)
ゼロと仲良く話をしているユキちゃんの様子を見守ってそっと病室を出た俺は風見さんのもとへ向かう。ひとまず2人を守るために、風見さんと相談しながらゼロに代わって諸々の手続きを進める。
まずは公安警察の保護を受けることと伊達たちとの協力を得やすくするためにも米花町へ引越す必要がある。よって公安警察により手配されたマンションへ移動し、ユキちゃんの新たな身分を用意する必要があった。
後日、熱も下がったのでとりあえず大丈夫だろうと医者に言われたためゼロとユキちゃんの引越しが始まった。しかし新居に越してきてから1日経過してすぐにユキちゃんが熱をぶり返してしまったのだ。恐らく初めての家の中で落ち着かなかったのだろうが、こうもユキちゃんの体調不良が続くとさすがにゼロも俺も心配だった。
というわけで、よいしょっとまとめた自分の荷物を新しいマンションへ運んできた俺を見てゼロは目を丸くした。あれ、そう言えばまだ言ってなかったか。
なんだその荷物は…と言いたげなゼロの目線を察して俺は苦笑いを浮かべた。
「ああとりあえずユキちゃんがもとに戻るまでは俺もここに住むから。さすがにゼロ1人だと大変だろうし、俺もゼロと同じテレワークで仕事する予定だから。もし俺らどちらかに予定が入ってもどちらかがユキちゃんのそばにいられるだろ? ああそれと、今日からユキちゃんとゼロは腹違いの兄妹っていう設定だから、よろしくな」
そうして始まるゼロヒロ×幼女の共同生活。
続くかは分かりません。とりあえず夢主が幼児化する世界線を書きたかっただけです。
この後すぐに原作軸に入って、米花町に住む兄妹として普通にコナン君たちと出会うと思います。
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