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アキト
ああ、あったまるー
こたつで鍋っていいよね? -
イチヤ
……
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アキト
あれ?
イチヤさんどうしたの? -
イチヤ
……別に
だまって食え -
アキト
うふふ
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イチヤ
気持ちわるい
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アキト
ひどいな
おれ、知ってるよー
こたつのなかで足が触れてるんでしょ -
アキト
だから、顔が赤いんだ
ほら、もっといいところに行っちゃおっかな
イチヤさんの…… -
イチヤ
やめろ!
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アキト
いってー!
蹴らないでよー -
イチヤ
グズグズしてると全部食うからな
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アキト
ちょっと待って
イチヤさんの手作り料理は、ちゃんと、おれの胃袋に入れないと -
イチヤ
へえ
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アキト
うれしいくせに素直じゃないんだから
まあ、そういうところがかわいいんだけど -
イチヤ
かわいい?
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アキト
うん
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イチヤ
かわいいとかお前が言うと気持ち悪いな
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アキト
そんなに気持ち悪いなら、気持ち良いことしちゃう?
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イチヤ
……
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アキト
どう?
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イチヤ
ますます、きもいな
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アキト
ひどいよ、イチヤさん
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イチヤ
でもま、お前のそういうところ、嫌いじゃないから……って、おい!
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アキト
ごめん
もう、ムリ
我慢できない -
イチヤ
やめろ、バカ
バカアキト、くそ
やめ、うっ、あ…… -
その後、しばらくの期間、イチヤが手料理を振る舞うことはなかったという。
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