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今日はバレンタインデー。
小花は百合本から友チョコをもらい、ご機嫌だった。
この嬉しさを違うクラスにいる日中に伝えようとしていた……。 -
小花
なあなあ、日中!
聞いてくれ!! -
日中
ん、どうしたの?
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小花
友チョコもらった!!
百合本から!
すごくね!
これ見て! -
小花
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日中
へえ
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小花
あれ?
リアクション薄い。
もっと、一緒に喜んでくれると思ってたのに。 -
小花
何か、あった?
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日中
何もないよ
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小花
日中、もしかして、まだ、チョコもらってないのか?
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日中
うん、もらわないよ。
今年は特に。 -
小花
どういうこと?
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日中
もらうより、あげようと思ってる。
好きな人だけに。 -
小花
す、す、好きな人って。
お、俺!
だよな、たぶん。
そっか。
バレンタインって、好きな人以外からもらうのって、微妙だったのか。
知らなかった。 -
無神経だった自分を反省する小花。
ごめんと送ろうとしたが、日中の方が早かった。 -
日中
僕は小花が誰かからチョコをもらっただけで、嫌だなって思ってしまう、
情けないやつなんだ。 -
小花
情けなくなんかないよ。
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日中
百合本さんと小花は、友達なのに。
僕、余裕なくて -
小花
や、余裕ないの、俺もだよ。
本当はさ、日中もチョコもらったのかなーとか、考えちゃって。
今日も日中にチョコを渡してって頼まれたし。
あ、全部、断ったから。 -
小花
もらわないって言ってくれて嬉しかった。
ありがと、日中。
俺も日中にだけ、チョコ渡すから!
帰り、待っておけよ! -
日中
ん、待ってるよ。
待ち遠しいな。
好きだよ、小花。 -
小花
うへー。
甘すぎる。
にやけてしまう。
近くに平出がいるのに。
でも、返さないと -
小花
俺も好きだよ!
またな! -
日中
またね!
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このメッセージのやり取りをする日中が、いつも以上に、にこやかだったことを小花は知らない。
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