あなたたち、狙われていますよ。

営業部合同の歓送迎会は、居酒屋の大部屋を貸し切って行われていた。

秘書課から営業課に異動になった塚本の隣には宮園さんが陣取ってニコニコしている。
塚本は、他の社員が宮園さんに話しかけると親の仇を見るような目をしている、ように俺には見える。
実際他人から見ればそうでもないのかもしれない。この二人がここ最近毎日ヤりまくっていることは俺しか知らないからだ。

「はぁ」
「どうしたんですか柏木さん。次もビールですか?」

隣の鳴海が俺の顔を覗き込む。

「ああ。お前、他人の飲み物に気がつくようになったな。偉いぞ」
「まだまだですけど、へへ」

褒めると嬉しそうな顔をするのでどんどん褒めてしまい、最近は自分が鳴海に甘すぎることが少し悩みでもある。

「さっきから企画の方の由梨さんがこっちを見てるような気がしますけど、どうしたんですかね?」
「さあな。頭でも悪いんじゃないか」

飲み会が始まる前、由梨が「柏木の隣に座ろうかな」などと言いながら近づいて来たので、由梨の後輩である山内の名前を出し、「今日これ以降俺の半径ニメートル以内に近づいたら山内を弄んでこっちの味方につけ、その上でお前の悪事をバラす」と脅したのだ。
山内のことを思ってか、または流石に男を無理矢理抱こうとしたことをバラされたくなかったのか、由梨はおとなしく引き下がった。
なぜ、諦めないのだ。あんなことをしておいてよく普通に俺に話しかけられるものだ。性欲単細胞の考えることは理解不能である。

「柏木、いつもよりお酒が進んでないんじゃない? どうしたの」

宮園さんが微笑みかけてくる。隣の塚本の目が光ったように見えた。普通に怖い。

「もしかして、例の件?」

宮園さんが心配そうな顔をする。

「何かあったんですか」

それを聞いた鳴海が眉根を下げた。

「何もないよ」
「嘘、何かあったんですよね? 元気がないと思ったんですよ、もぅ」
「何もない。本当に」

こういうことは言えば言うほど怪しい。隠し事があるのだと思われること必至だ。
しかし本当に何もない。
宮園さんはそれをわかっていて余計なことを言って楽しんでいるのだ。
悪魔の遊びだ。

「鳴海には話してあげたら?」
「……柏木さん、どうしたんですか」

優しい先輩ヅラをした宮園さんの隣で塚本まで気にし出した。もっともあれは「俺の宮園さんはいつも柏木とやらを気にかけている。おのれ柏木、お前を吊るして殺す」という意味かもしれない。
宮園さんの話によると、塚本は冗談で済まされないほど独占欲が強いのだそうだ。「すぐ拗ねるんだよ。抱けば機嫌がなおるけど……意外と性欲が強くて快感に弱いんだよね」と話す宮園さんは満面の笑みを浮かべていた。

「柏木さんたら、どうしたんですか」
「鳴海。俺は大丈夫だ。おい宮園さん、いい加減にして下さいよこの野郎」
「俺のせいにしないで」

誰のせいだと言うんだ……。

「ねえ柏木さん」
「わかったわかった、後でな」
「イヤですよ、今、今がいい」
「駄目。あとで」
「もう、もうもうもう! 柏木さんたら! 僕の話も聞いてくださいよぅ!」

知らないうちにカクテルを二杯も飲んでいたらしく、鳴海は完全に出来上がっていた。俺の話を聞きたいと言っていたのにいつのまにか話を聞いてもらいたがっている。

「おうおうどうした涙目になって……よちよち……」
「……もういいです」

あれ、鳴海が膨れた。ほっぺがぷくっとしている。かわいい。かわいいよ鳴海。
宮園さんと塚本は、反対側に座っていた企画の女性社員に好きな食べ物の話題を振られてあっちを向いた。
宮園さんは「好きな子が作ったオムレツかな」と言って微笑し、ちらりと塚本を見た。塚本は照れを隠すように俯く。
そうか。塚本の得意料理はオムレツか。
いやいや。そんなことより鳴海だ。

「ごめんごめん、鳴海、ほらいじけんな。俺の顔見て?」
「嫌ですよ……もう……僕のこと赤ちゃんか何かだと思ってるんでしょ」
「思ってるよ……」
「思ってるんですね……」
「鳴海は赤ちゃん……」
「そうですか……」
「うん……」

はあ、とため息をつき、鳴海は生意気にも肘をついて俺を見た。流し目のようなその視線に、思わず顔を寄せた。

「鳴海。お前のそういうところも全部、愛してるよ」
「えっ」

ぶわっと顔を赤くした鳴海は眼を白黒させ、それから、聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。

「抱いてください」

えっ、と、今度はこっちが身を引く。

「何ですか? 抱けないんですか? 赤ちゃんみたいな僕のことなんか抱けないんですか?」
「抱いていいの?」

わいわいと騒がしい居酒屋で、俺たちだけが静かに、手を握って見つめ合う。
ついに、ついに。

「いいですよ……抱いても」

真っ赤な顔をして、鳴海は顔をそらすようにして目を背けた。

「宮園さん。俺ら抜けるんであとお願いします」
「うん? あれ、何かあったの?」

テーブルの下で塚本の手をこっそり握っていた宮園さんは、俺たちの顔を交互に見てからにっこりと笑った。

「ちょっと。急ぐんで。また週明けに」
「楽しみにしてるよ」
「宮園さん」

興奮しすぎた俺はなぜか宮園さんにハグを求めてしまった。
宮園さん、俺はついに鳴海を抱きますよ。
宮園さんはふふふと笑いながら、俺の背中をぽんぽんとたたき、小さな声で囁いた。

「ヤりまくって早くマンネリ化して……そしたら塚本と4Pしようね」

やはり宮園さんに勇気付けてもらおうなどというのは間違いだったと思いながら、俺は鳴海の手を引いて店を出た。



「どこに行くんですか、あの、柏木さんの家に行くんじゃないんですか」

戸惑ったような鳴海の声が背中にぶつかる。
かわいい後輩の手を握ったまま繁華街をずんずん歩いて、裏通りに入る。

「家まで待てない」

そう言って振り向くと、片手で口元を覆い、鳴海はまた真っ赤な顔をしていた。

ラブホテルの部屋に入って、鳴海のスーツの上着を脱がして椅子の背にかけ、自分のそれは放り投げて、ワイシャツ姿になった鳴海の体を抱き締める。
鳴海は腕をぴったり体の傍にくっつけて固まっている。いつもの鳴海の匂いがした。ベビーパウダーのような優しい香りだ。

「鳴海……」
「んっ」

キスをすると、鳴海はさらに体を強張らせた。キスなんか何度もしているのに。やはりセックスするとなると緊張するのだろうか。

「鳴海、嫌だったら言えよ」
「嫌じゃないです」
「怖いか?」
「怖くない……少しドキドキするだけです。柏木さんが、好きだから、大丈夫……」

あまりにもかわいいので気がついたらベッドに押し倒して唇を重ね、舌をねじ込んでいた。
すでにいきり立っているペニスを押しつけるようにすると、鳴海が体を震わせた。キスをしながらふうふうと息をしている。
ベルトを緩めようと鳴海のバックルに手をかけると、柔らかく拒むように手を握られた。

「あんっ、柏木さん、やだっ、えっち」
「やだじゃねえだろ」
「だって……柏木さん、興奮してるんですか」
「当たり前だ」
「本当に、俺でいいんですか……」
「今さら何言ってんだ。お前がいいんだよ」
「やんっ、あ、ダメ、触っちゃ……」
「うるせえ。手どけろ」
「……柏木さん……めちゃくちゃかっこいいです……」
「あ?」
「俺が抵抗しても……おさえつけて、してくれますか」

何?

「無理矢理が好きなのか」
「……わかんないですけど……もしかしたら」
「だよな、まあわからんよな。初めてだもんな」

初めての夜が無理矢理プレイとはまたちょっとアレだが俺は良い。ちょっと興奮している。

「後悔すんなよ」
「はい……」
「心配すんな。痛いことはしねえよ」
「はい……」

スラックスを脱がして、太ももを少し撫でただけで鳴海が体を震わせるので、次にワイシャツをゆっくり剥ぎ、首や鎖骨にキスを落とす。

「んんっ」

脇腹、胸、臍のあたりを撫でる。手を動かすたびに、鳴海はもぞもぞと体を動かした。
鎖骨から唇を移動させていき、小さな乳首に口づける。

「ひゃん!」

おい、ひゃんとは何だ。かわいい。
再度唇をつけようとすると、鳴海は両手で両胸を隠した。いいぞ。これ以上ないほどかわいい抵抗だ。

「手、どけろって」
「やだ、なんか、それされると……なんか……」
「んだよ」
「……ち、ちんちん勃っちゃうんですもん……」

上等じゃねえか。

「いいから」

両手を力ずくで押さえつけて、乳首を舌で撫でた。

「ああ!」
「ん、気持ちいいだろ」
「気持ちいい、柏木さんっ、もっとして……!」

陥落が早い。早すぎるのではないか。心配だ。
考えながら、ぺろぺろと舌を動かして鳴海のささやかな乳首を刺激する。その度に大げさな声をあげ、腰を跳ねさせるので、この先どうなってしまうのかと期待に胸が膨らんだ。

「もっと、あんっ、柏木さん、気持ちいいっ」
「っ、じゃあもうこっちも触らせろ」

両脚の間に膝をねじ込んで、

「あっ!やだ、柏木さん、いやっ!」
「イヤじゃねえんだろ……素直に脚開けよ」
「だめ、こんな、あっ、ん、んんっ!……柏木さん!……もっと触ってほしいです……!」

早い。

「どこを?」
「やだ……恥ずかしくて言えません……」

はぁ。お前。無理矢理がいいというあの言葉は何だったんだ。そしてお前……お前は本当に……。

「かわいいよ鳴海。愛してる」
「やあっ」
「照れてるのか」

顔を隠す鳴海を見て思わず笑ってしまった。仕方ない。かわいすぎるからだ。

「だって柏木さんかっこよすぎるんですもん……」
「この顔好きか。じゃあもっと見て。お前のこと見てる俺を見てて」
「はい……」
「どこ、触ってほしいんだ。ほら。お前の手で教えろ」

俺の手首を鳴海に握らせ、触れてほしいところに導くように言うと、鳴海は意外とあっさり何の抵抗もなくパンツの中に俺の手を触れさせた。

「あぁんっ!」

そして一人で喘いでいる。簡単なやつだ。

「ここ?」
「いやっ!あ、そこ、そこもっとしてください……!」

パンツを下ろして勃起した鳴海のペニスをまじまじと見る。普通だ。綺麗なものだ。ノンケの20代でこれをまだ使っていないとは。どこぞの神仏に感謝したくなる。
つー、と指で撫でると、カウパーが滲んで垂れた。何度も繰り返し撫でる。鳴海はその度に腹筋を震わせて喘いだ。
ああ。もうだめだ。早く挿入したい。

「じゃあ、ここは?」
「ひいっ!」

後ろを撫でるとやはり少し抵抗されたが、ローションで指を濡らし、もう一度アナの縁を撫でる。

「いやっ、あ、柏木さん、そんな、まだ、あっ」
「鳴海……」

欲に抗えず、腰の下に枕を入れて浮かせ、脚を開かせて、顔を近づける。半ば本気で抵抗を始めた鳴海の脚の付け根にキスをして、ペニスを口に含んだ。

「やだ!そんなの汚いからっああっだめ、いっ、柏木さんっ、おねが、あっはぁっ、や、あんっ」

じゅ、くちゅ、と音が鳴る。抵抗は弱まり、そのかわり、腰が物欲しそうに揺れだした。
しばらくそうして気持ちいいところを責め、ゆっくり、中指の先を挿入する。

「いっ!」
「痛いか」
「んー……っ」
「痛くねえだろ」
「うう……」
「ほら……全部、入った……ここ……」
「ああっ!」

前立腺に触れると鳴海は思い切り背中を反らした。

「なにっ、それ、だめ、あ、やだ、や、おかしくなっちゃう、なんか、へんっ、あっ」

中指の先をくいくいと動かすたびに、おもしろいほど反応が返る。気づけば自分の息が相当荒くなっていた。
苦しいほど勃起した自分のペニスを下着から出し、何度か扱く。
はやく挿れたい。かき回したい。

「あ……柏木さん……や、まだ、まだだめ……」
「はあっ、まだ挿れねえよ……入んねえだろ」
「そんなおっきいの入らないですよっ、う、ああっだめ、おしり、や、気持ちいいっ」
「二本入ってんぞ」
「うそ、あ、んんっ」

人差し指と中指を挿れ、ゆっくり抜き、また挿入する。中はきつくて、伸縮を繰り返し、それでもペニスは固く勃起したままで、鳴海は苦痛しか感じていないわけではなさそうだった。
ローションを足して三本に増やすと、鳴海が今までと明らかに違う声を上げた。

「あーっ」
「……どうした」
「や、なんか……俺……柏木さんっ、おねが、い、早く、あっ、もう、痛くてもいいから……柏木さんの、挿れて、それ、挿れてくださいっ、待てない、もう、……」
「お前……ちゃんと慣らさねえと、ほんとに痛かったら」
「いい、いいから、柏木さんお願い、ゆっくりだったらもう大丈夫……おねがいします、僕の中に挿れて……」

そう言うと、鳴海は俺の股間に手を伸ばし、ペニスを握ってぎこちなく手を上下させた。
混乱した頭で何と答えればいいのか考えて、すぐにやめた。もうだめだ。
ゴムをつけて念入りにローションを塗りたくり、弛緩した鳴海の体を抱き寄せて脚を開く。
どこを撫でても体を震わせて声を出す鳴海に、もうとっくに我慢の限界を迎えていた。

「挿れんぞ」
「あっ、あ、入っちゃう……」
「っ、すげ、狭い」
「っん!」

カリの部分が入った。食いちぎられそうに狭い。

「痛くねえか」

鳴海ははくはくと息をしながら、ふるふると首を横に振った。

「ね、柏木さん……入る、から、もっと、やらしいこと……してくださいっ」
「っく、あ」
「はぁんっ!あっ、ぐぅっ」

一気に奥まで貫いてしまった。体を出来る限り抱き締めて、どこもかしこも密着している。幸せだ。ああ。幸せだ。鳴海。鳴海。鳴海。
痛くないか気にしてやる余裕も理性もぶっ飛んでしまい、ただ、鳴海を抱いている感覚だけを味わうように腰を動かした。

「んっ、あ、う、柏木さんっあっ、あっあんっ、は、はぁ」
「っ、好きだ、鳴海、はぁ、あ、鳴海っ」
「やあっ!だめ、あ、待って、イっちゃう、あ、イくっ」

鳴海はあっけなくイった。密着した腹の間に精液を吐き出し、体を痙攣させている。

「お前最高だなまじで……ちょっと、俺がイくまで我慢できるか」
「イって、我慢できる、から、っ、あ、イってください、出して……」
「はぁ、鳴海、鳴海っ、ああ」

今までこの子に対して抱えてきた感情を、今ここで全部吐き出してもいいのかと思うと、少しだけ理性が戻って涙ぐみそうになった。
好きだ。好きなんだ鳴海。好きだったんだ。ずっと。お前のことが。かわいくて、かわいくて、仕方がなかった。

「鳴海……っう、あっ、出る……イくっ、はぁっ……!」
「んんっ」

奥の奥で、ゴムの中へ射精して、同時にめちゃくちゃなキスをした。先にイった鳴海はきつかっただろうに文句も言わず、小さく喘ぎながら、懸命に俺の声と舌を受け止めている。
自信を持って言える。今までで一番気持ちいいセックスだった。
しばらくくっついたまま、何度も何度もキスを続けた。
そして、鳴海は急に唸り声を上げた。

「うーっ、し、し、信じられない……」
「何が」
「かっ、か、柏木さんの顔……」
「ん?」

頬をペタペタと触られたので、唇に当たった中指をかぷ、と噛んだ。すると鳴海は「はわあ」と気の抜けた声を出した。

「俺の顔が何だって?」

鳴海はゆるゆると首を振り、俺の胸へと潜り込んできた。
そして掠れた声で一息に言った。

「僕を抱いてくれてありがとうございます」

俺はその時実感した。ずっと好きだった子を抱いて、そのことを、相手も喜んでくれているということを。
また感極まりそうになったので慌てて笑顔を作る。

「何だそれ」
「はぁ……柏木さんのこと、今日でもっと好きになっちゃいました……」
「俺とのセックスがそんなによかったか」
「最高でした、もう……柏木さん……どうして僕でよかったんですか……」

胸に顔を埋めたまま、鳴海は続ける。

「ねえ柏木さん……嫌じゃなかったら……今、もう一回抱いてほしいです……」

嬉しいことを言うので返事の代わりに耳たぶにキスをすると、鳴海はいやらしい声をあげた。
でもそれはほんの少しあざとさを含んだような声で、俺は一瞬固まった。かわいい鳴海がセックスの良さを覚えて、初心な部分を脱ぎ捨てどんどんいやらしく成長してしまったら、俺は、俺は、人のかたちを保てるだろうか。
凄まじい興奮の中そんなことを考えていると、鳴海がゆっくり顔を上げ、俺の目を見た。

「柏木さん……もっと僕のこと、愛して」

ああ。神様。
もう一度ローションを手に取りながら、とことん溺れていく自分を感じた。



「抱きました」

週明け、昼飯を出先近くのラーメン屋で食べながら単刀直入に報告すると、宮園さんはパアッと花が咲いたように笑った。

「それはおめでとう」

そしてワクワクを隠しきれない幼児のように目を輝かせる。

「それで?」
「いやあ……幸せってああいうことを言うんですね」
「なにそれ。そんなこと聞いてないんだけど」
「じゃあ……え?それでって何ですか」
「いつ4Pする?」
「しねえよ」
「しようよ!」
「しねえよ!」
「どうしてダメなの?もっとたくさんがいいの?」
「そんなわけあるか。宮園さんまさか本気ですか」
「どうして俺がここで冗談を言わなくちゃならないの」

幼児だ。こういうことを話すときだけこの人の心は完全に無垢だ。単純に恐怖だ。

「ホテルがいいかな?俺の家に来る?」
「話を進めるな」
「いっそのこと四人で温泉でも行く?」
「行きません」
「そういえば部の泊まりがけの観楓会っていつだっけ?」
「そこを狙うな!」

柏木、顔が怖いよ、と言って宮園さんは笑った。
宮園さんは顔以外が全て怖い。

「……塚本は宮園さんの何がいいんでしょうね」
「さあ……体の相性かなぁ?ああ、俺も今日は早く帰りたくなっちゃった」

容姿だけは良い恐怖のサイコパス先輩はさわやかに笑い、席を立つ。
俺も今日は定時で上がろう。鳴海と飲みに行こう。月曜だけど構わない。鳴海はきっと付き合ってくれるだろう。

「ああ。かわいい」
「ほんと。後輩かわいい」
「抱きたい」
「いじめたい」

午後からの商談にもより一層力を入れられそうだ。ますます営業成績が上がってしまう。かわいい後輩たちのおかげで。





-end-
2018.10.28
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