佐々木くんの日記
○月○日
今日はとても天気が良かった。
居間で本を読んでいたら寝てしまった。
宿泊学習の３日目。
まず、ソノスズ美術館。
とにかく白かった。床も壁も。受付の人や学芸員さんの制服も。
休憩所の飲み物がカルピスとカルピスソーダと牛乳しかなくて、本当にびっくりした。（あと、お酒は白ワインがあったけど）
白へのこだわりが完璧だった。
学芸員さんが、常に掃除をしているような状況だと言っていた。
大変そう。
僕はスニーカーの底のゴムが黒かったので、歩くのに少し気を遣った。
トイレが綺麗だった。
それは本当に綺麗で広くて明るくて、斉木と「住めそうだね」と話した。
そこの中庭はガーデニングがされているんだけど、そこのお花も全部白かった。
華道をやっている松谷くんが
「綺麗だけど異様。でもすてき」
と言ってじっくりお花を見て回っていた。
少し、不思議の国のアリスの女王様を思い出した。
あれは、全部を赤くするんだっけ？違ったっけ？
確か、さゆが持っていた絵本をさゆが小さいころ読んであげたんだった。
そういえば、今思い出したけど、その中庭でまゆたんが女子に話しかけられてものすごく真っ赤になっていた。
僕は少し心配になってしまって、まゆたんの隣に立って話だけ聞いていた。
取り越し苦労だったけど。
ちゃんと話ができていた。
まゆたんは照れ屋だから、今までは女子とあんまり話していなかった。でもこの宿泊学習の間に少し仲良くなっている気がする。
よかったな。
あとは、地元の地学博物館を見学した。
こっちは固い感じの展示物で、あきほ山の地質などを勉強した。
斉木と峯は離れたところに行って全然関係ない話をして２人で笑っていた。
そんな感じ。
帰りのバスはみんな爆睡だった。
まゆたんが隣の松谷くんの肩に頭を乗せて眠っていた。
いろいろあったなあ。
濃い宿泊学習だった。
次の行事は夏休み前の学校祭。
部活で何をしよう。
ただ作ったものを展示するのはつまらない。
手芸に興味のない人にも楽しんでもらえるもの、何かないかな。
先輩たちに相談してみよう。
その前に期末テスト。
学年トップを狙う。
打倒大野くん。
○月○日
学校で、みどりさんに巾着を渡したら、みどりさんに手を引っ張られて廊下に出て、僕は怒られるのかと思ったんだけど、みどりさんは僕に
「林くんと付き合うことにしたから、宿泊学習の時のことは忘れてね！」
と言われて唖然とした。
この休みの間に、林くん（２組）に告白されて、付き合うことにしたんだそうだ。
だから、僕のことはちゃんと忘れるからと言われた。
僕はちゃんと忘れられるらしい。
みどりさんの中で僕が居ないことになるのかと思っていたら、
「これからも友達でいてね」
と言って笑ってくれた。
あと、巾着はちゃんとお父さんにあげると言っていた。
みどりさんはいい人だ。
お幸せに！
帰りに、林くんがみどりさんを迎えに来ていて、なんだか楽しそうで嬉しくなった。
あと、休み時間に、松谷くんの活けたお花を見せてもらった。
写メで。
すごかった！
うわっとなった。
派手だけど落ち着いてるみたいな、不思議な感じ。
峯もすごいすごいと言っていた。
斉木は
「何がすごいかわかんねえけど、なんか松谷って感じ」
と言っていた。
まゆたんは
「もっとすごいやついっぱいあったよな」
と言って、松谷くんに
「すごいってどういう意味でよ」
と言われて困っていた。
赤くなっていた。
僕もやってみたいと言ったら、時間がある時に一緒にやろうと言ってくれた。
「佐々木くんはセンスがある気がする。きっと楽しいと思うよ」
と言われた。
夏休みくらいにできればいいな。
○月○日
帰りのHRの前に、まゆたんの制服のボタンがとれた。
放課後ちょっと残ってつけてあげた。
真っ赤なまゆたん。
斉木が
「佐々木って便利」
と言って峯に優しく怒られていた。
斉木のジャージの膝が破れているのを僕は知っている…フフフ
あと野球部の靴袋…！
いつか縫う。
隙を見て。
部活では、自分の部屋のクッションカバーを作っている。
父さんからもらった生地がまだ余っていたのでそれを使った。
ビーズ先輩が、ちょっと綺麗めのネックレスを作っていた。
秋にある親戚の結婚式に着けるらしい。
女の人はいいなあ。
身に着けるものをたくさん作れる。
ミニチュア先輩が小さなお弁当を粘土で作っていた。
なんて器用なんだろう。
今日ネットで調べたら、この辺での手作り市は、市役所の駐車場でやっているらしい。
出品したいなあ。
ある程度プランを練ってから部活に持って行こう。
学校祭の出し物も。どうしよう。
○月○日
思い付いた。
学校祭での部活の出し物だけど、小さいストラップやマスコットを作って安く売って、それに手作り市の告知ペーパーをつけるっていうのはどうだろう？
地域の人たちも来るし、少しでもクチコミで広まらないかな。
小物の方は、学校祭ノリで友達同士でお揃いのものとか売れないだろうか。
ビーズ先輩やミニチュア先輩が得意そうだし。
部長は何でもできるし。
ミシン先輩やパッチワーク先輩も、布系の小物ならいくらでも作れそうだ。
明日先輩たちに相談してみよう。
夏の手作り市へ向けて、出品する作品作りもしなきゃ。
何を作ろう？
お客さんはおばさま方が多いだろうから、実用的なもの。
やっぱりエコバッグかな。
ランチマット。
和柄のランチマットは！
ああーっよさそうだ。
ランチマットは形が簡単だから、量産できそう。
和柄…
和柄！
たっのしみぃい～（数学の先生の真似）
今日はとても天気が良かった。
居間で本を読んでいたら寝てしまった。
宿泊学習の３日目。
まず、ソノスズ美術館。
とにかく白かった。床も壁も。受付の人や学芸員さんの制服も。
休憩所の飲み物がカルピスとカルピスソーダと牛乳しかなくて、本当にびっくりした。（あと、お酒は白ワインがあったけど）
白へのこだわりが完璧だった。
学芸員さんが、常に掃除をしているような状況だと言っていた。
大変そう。
僕はスニーカーの底のゴムが黒かったので、歩くのに少し気を遣った。
トイレが綺麗だった。
それは本当に綺麗で広くて明るくて、斉木と「住めそうだね」と話した。
そこの中庭はガーデニングがされているんだけど、そこのお花も全部白かった。
華道をやっている松谷くんが
「綺麗だけど異様。でもすてき」
と言ってじっくりお花を見て回っていた。
少し、不思議の国のアリスの女王様を思い出した。
あれは、全部を赤くするんだっけ？違ったっけ？
確か、さゆが持っていた絵本をさゆが小さいころ読んであげたんだった。
そういえば、今思い出したけど、その中庭でまゆたんが女子に話しかけられてものすごく真っ赤になっていた。
僕は少し心配になってしまって、まゆたんの隣に立って話だけ聞いていた。
取り越し苦労だったけど。
ちゃんと話ができていた。
まゆたんは照れ屋だから、今までは女子とあんまり話していなかった。でもこの宿泊学習の間に少し仲良くなっている気がする。
よかったな。
あとは、地元の地学博物館を見学した。
こっちは固い感じの展示物で、あきほ山の地質などを勉強した。
斉木と峯は離れたところに行って全然関係ない話をして２人で笑っていた。
そんな感じ。
帰りのバスはみんな爆睡だった。
まゆたんが隣の松谷くんの肩に頭を乗せて眠っていた。
いろいろあったなあ。
濃い宿泊学習だった。
次の行事は夏休み前の学校祭。
部活で何をしよう。
ただ作ったものを展示するのはつまらない。
手芸に興味のない人にも楽しんでもらえるもの、何かないかな。
先輩たちに相談してみよう。
その前に期末テスト。
学年トップを狙う。
打倒大野くん。
○月○日
学校で、みどりさんに巾着を渡したら、みどりさんに手を引っ張られて廊下に出て、僕は怒られるのかと思ったんだけど、みどりさんは僕に
「林くんと付き合うことにしたから、宿泊学習の時のことは忘れてね！」
と言われて唖然とした。
この休みの間に、林くん（２組）に告白されて、付き合うことにしたんだそうだ。
だから、僕のことはちゃんと忘れるからと言われた。
僕はちゃんと忘れられるらしい。
みどりさんの中で僕が居ないことになるのかと思っていたら、
「これからも友達でいてね」
と言って笑ってくれた。
あと、巾着はちゃんとお父さんにあげると言っていた。
みどりさんはいい人だ。
お幸せに！
帰りに、林くんがみどりさんを迎えに来ていて、なんだか楽しそうで嬉しくなった。
あと、休み時間に、松谷くんの活けたお花を見せてもらった。
写メで。
すごかった！
うわっとなった。
派手だけど落ち着いてるみたいな、不思議な感じ。
峯もすごいすごいと言っていた。
斉木は
「何がすごいかわかんねえけど、なんか松谷って感じ」
と言っていた。
まゆたんは
「もっとすごいやついっぱいあったよな」
と言って、松谷くんに
「すごいってどういう意味でよ」
と言われて困っていた。
赤くなっていた。
僕もやってみたいと言ったら、時間がある時に一緒にやろうと言ってくれた。
「佐々木くんはセンスがある気がする。きっと楽しいと思うよ」
と言われた。
夏休みくらいにできればいいな。
○月○日
帰りのHRの前に、まゆたんの制服のボタンがとれた。
放課後ちょっと残ってつけてあげた。
真っ赤なまゆたん。
斉木が
「佐々木って便利」
と言って峯に優しく怒られていた。
斉木のジャージの膝が破れているのを僕は知っている…フフフ
あと野球部の靴袋…！
いつか縫う。
隙を見て。
部活では、自分の部屋のクッションカバーを作っている。
父さんからもらった生地がまだ余っていたのでそれを使った。
ビーズ先輩が、ちょっと綺麗めのネックレスを作っていた。
秋にある親戚の結婚式に着けるらしい。
女の人はいいなあ。
身に着けるものをたくさん作れる。
ミニチュア先輩が小さなお弁当を粘土で作っていた。
なんて器用なんだろう。
今日ネットで調べたら、この辺での手作り市は、市役所の駐車場でやっているらしい。
出品したいなあ。
ある程度プランを練ってから部活に持って行こう。
学校祭の出し物も。どうしよう。
○月○日
思い付いた。
学校祭での部活の出し物だけど、小さいストラップやマスコットを作って安く売って、それに手作り市の告知ペーパーをつけるっていうのはどうだろう？
地域の人たちも来るし、少しでもクチコミで広まらないかな。
小物の方は、学校祭ノリで友達同士でお揃いのものとか売れないだろうか。
ビーズ先輩やミニチュア先輩が得意そうだし。
部長は何でもできるし。
ミシン先輩やパッチワーク先輩も、布系の小物ならいくらでも作れそうだ。
明日先輩たちに相談してみよう。
夏の手作り市へ向けて、出品する作品作りもしなきゃ。
何を作ろう？
お客さんはおばさま方が多いだろうから、実用的なもの。
やっぱりエコバッグかな。
ランチマット。
和柄のランチマットは！
ああーっよさそうだ。
ランチマットは形が簡単だから、量産できそう。
和柄…
和柄！
たっのしみぃい～（数学の先生の真似）
