大きな声では言わないけど

9 なつめの看護



はー。ヤりてぇ。春ってあれだ。盛る。広樹じゃないけど。

「おいなつめ」
「なに」
「なつめ、見ろ。超見ろ」
「なにそれ。…わあ!」
「ネットで買った」
「すごいね!かわいいねー!」

俺が袋から取り出したのは、薄いピンク色のナース服だ。
うちで並んで何をするでもなくぬぼーっとしていたなつめが擦り寄ってきた。

「どうしたの?コスプレするの?」

なつめが目を輝かせる。キモい。
ちなみにコスプレをしたいと言い出したのはなつめだ。酔ってたから覚えていないらしい。

「しかもピンクのナースとか最高だよ!ナイスチョイスだよ!わぁ、丈短いね」

手にとってしげしげと見ているなつめに焦れる。

「早く着てこいよ」
「うん、早く着て、え?」
「着替えるとこ見たくねえ。萎える。家誰もいねぇからトイレで着替えろ」
「……僕が着るの?」
「あと誰がいんの?」
「え、そ、創」

一瞥するとなつめが黙った。

「俺がそんなの着ると思う?」
「そうだよね、創樹くんがかわいく『どうかな』なんて言うわけないもんね。短い夢だったよ」
「早くしろよ変態が」
「あっえっ、は、…えぇぇ」

ナース服を片手にトイレへ向かうなつめの足取りは重かった。



「どう、かな」
「うわーやっぱ短ぇな」

それはなつめの優し気な顔とすらりとした体型によく似合っていた。
まぁピチピチだけど。

「気持ち悪いよね、脱ぐよ、脱いでくる、ごめんねなんか!」

くるりと踵を返しかけたその腰を掴んで引きずり倒す。

「いたぁ!何するの」
「ヤろ」
「え、気持ち悪いでしょ、脱いでくるから」
「どうせ脱がしてやるんだからいい、それエロいし」
「ほんと?変じゃない?」
「変か変じゃないかっつったらまぁ所詮女装だから変つか変態的だけど」
「変態的……」
「でもなつめの女装、結構ツボかも」
「本当に?!うれし…でもちょっとなんか恥ずかしいこれ」

俺は声音を作る。

「このままヤろ、ナース服脱がしたい」

なつめの唇をゆっくり舐める。少し顔を離してから誘うように舌を出す。

「創樹くん」

なつめが呟いて俺の口にむしゃぶりついてきた。簡単なやつだ。そういうとこ、嫌いじゃないけど。
たっぷりキスをしてから押し倒して太ももを撫でた。

「あっ、創樹くん…」
「お前太もも白いな」

しかもすべすべ。でも手を進めて気づいた。こいつトランクス履いてる。

「お前……下着も買えばよかった」
「んっ」
「スカートめくってトランクス出てくるとかヤる気出ねえ」

一気に醒めた俺は、なつめの上から退いた。

「え、やめるの?」
「んー」
「ひっひどいよ!僕の羞恥心と下半身を弄んで!」

なんだかんだでヤる気まんまんだったらしい。

「じゃあさぁ、なんとかしろよ。もっとエロくなるように」
「エロく……」

しばらくじっと考えているなつめを観察する。
彰人ほどではないけどまぁ背は高い方だし、細そうに見えて実はバランスよく筋肉もついている。体型はまじで好み。第一印象は「いい体」だった。正直顔はすぐ忘れたほどだ。
肌の色は白めで、顔は中性的。ちなみにこれは別に俺の好みではない。
新境地だ。なつめの女装コスを全力で推し進めたい。
なつめはおもむろに立ち上がり、部屋を出てすぐ戻ってきた。なにやら足をもぞもぞしている。

「せんせ……」
「どうした変態ナース」
「…なんか下半身がすうすうするんですけど…」

俺の前に膝をついて、スカートの裾を少しつまんで見せる。

「それは大変だからちょっと横になって俺を乗せろ」

後ろに倒してスカートの中に手を入れると、布には一切触れずに勃ちあがったペニスに触れた。

「あっ」
「脱いだんだ、つかお前ガン勃ちじゃん」
「う……」
「興奮してんの?何に興奮した?自分の女装?」

なつめは顔を赤くした。

「や、なんか、あの、」
「なんだ言ってみろ変態」
「あの、えー、あ、」
「言えよど変態マゾ野郎」
「う、あっひぃっ」

面倒になってそこを強く握り込むと、なつめが先走りを飛ばした。
スカートから覗くガン勃ちのペニス。やべぇ。なんかちょっと俺もやべぇ。

「ちょっととりあえずどうでもいいから俺を解せ」

跨がってなつめの指をプチュプチュと舐めると、息を荒くしたなつめが俺のアナに指を埋めた。

「っん、あぁ」
「創樹くん」

なつめが体を起こしてキスをしてきた。夢中で舌を絡める。
ボタンを何個か外して中途半端に肩を露出させたら、なんかすげぇエロくなった。
ちょっと興奮しちゃってなつめの舌を噛んだらなつめが体を震わせた。

「んうっ、は、創樹くん、挿れたい」
「ん、その前に」

下を向いたらスカートの裾からはみ出したなつめのペニスが目に入る。

「これさぁ、俺の口に入れてじゅぶじゅぶして舐めて扱いてぐちゃぐちゃにされたくない?」

そこを撫でながら言うと、なつめの体がまた震えた。

「…されたい」
「女装して勃たせてほんっと変態だな、もう死ねば?」
「んっ」
「罵られても感じて本当に救いようねえな」
「ああっ!あぅ、」

口に入れて舐め上げた。それから全力で締める。

「い、いぁっ」
「ん、んむ、ちゅっくちゅ」
「あ、…は、い、いい…」

先走り出しすぎ。
とりあえずぐちゃぐちゃに濡れるまで舐めまくったらすっげえ固くなった。よし。
ぷちゅんと口を離してまたなつめの上に跨がる。

「あ、あ、」
「なつめ、中、突いて」
「ん、うん」

腰を掴まれて下から一気に挿れられる。

「あんっ!あ、やば、あ、あぁ!あっ!」
「はぁっ、きもち、創樹くんの中」
「もっと!もっと奥、ん、ひ、やぁ、あっ」

ナース服のなつめが下から腰をぶつけてくる光景がやばすぎる。女装なつめにハマりそう。やべー苛めてぇ。
俺は半分無意識に、はだけた胸元からなつめの乳首をつねった。

「あ゛っい゛ぃっ」
「あぁ、でかくなった、っは、変態」
「あぅぅ」
「おら、ちゃんと腰振れよ、っ使えねぇな」
「ああ、もっと罵って」
「っクソが、どこまで変態なんだよっんあっ、あ、あ、あっ、あっ、」

なつめの突き上げが激しくなって揺さぶられる。上下に跳ねる俺のペニスをなつめが手で包んで扱く。

「あっ、あっ、あっ、あっ、あぁん、い、いい、なつ、ぁあああっ!!」

腋に舌を突っ込まれて体が痙攣する。

「っ、締めすぎ」
「ばか、お前の、せい、っんあぁ」
「はぁっ、イく、イくよ、」
「あ、ん、俺も、」

パンパンという音が速く激しく響く。

「う、ぅ、創樹くん、創樹くんっ」
「や、やば、やばい、出る、なつめ、」
「創樹くんっ」
「ああっああ、ああああぁっ!!!」
「っは、あ、…はぁ、あ…」

ナース服に2人分の精液がぶっかかってぐちゃぐちゃだ。



「ねぇ、次は創樹くんがコスプレしてよ」
「却下」
「なんで?絶対かわいいよ、ナース創樹くん。これ洗って持ってくる、明日」
「無理」

自分の女装とか全力で萎える。

「えー、僕だってがんばったんだから」
「お前は自分のコスプレに興奮したんだろ」
「そうだけど!」

そうなのか。

「自分のコスプレにってか、コスプレした僕をきっと創樹くんは変態とかキモいとか罵倒するだろうなって、それ想像したら…」
「いやまじキモいわお前」
「違うって!僕は患者役で、悪いことしてナース創樹くんに激しく叱られたいんだ!それだけなんだ!」

どうしたんだろうな、なつめは。こいつこんなやつじゃなかったのにな。かわいそうに。
俺は憐れみの目を向けながら言う。

「じゃあ俺はスーツ彰人に激しく抱かれたい、それだけだ」
「うぇっ、それだけ?僕は?僕は?」
「別にナースなつめが白衣彰人を組み敷いて無理矢理犯してくれるならそれでもいいんだけど」
「は!完全に性犯罪者だよ!」
「あー、彰人と寝てえ」
「もういいよね…泣いても」

はぁあ、春の陽気に誘われて盛った彰人がどっかに落ちてねぇかな。





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