大きな声では言わないけど
岡崎と森田と素股
森田さんと喧嘩した。
喧嘩っつーか、まあ、俺が勝手に怒って無言で出てきただけだけど。
このパターン多くねー。
冷えたジョッキにビールを注ぎながら奥歯をギリギリと鳴らしたら、近くにいた平井がビクついた。
「あれはねーよな。まじ。ねーわ」
「あっ、はい…」
なんだかわかんないくせに返事してくる。
だって森田さんが俺の写真に供えるために冷やしといたスポドリを俺が飲んだことになんかムッとした顔して、まじ意味わかんねーんだもん。
なんなんだよ。その写真俺だからな?!本体ここだから!
「くっそが」
「どしたんすか?」
平田と逆に、アホのような顔をして西尾が覗き込んでくる。
まあ。普段だったら苦笑して終わるけど最近また忙しくてこっちもイライラしてたから。
なるべく早く、仲直りしよう。
なんかこういう日に限ってやたら客が多くて、へとへとになって仏頂面で帰った。
すぐ寝ようすぐ寝よう、シャワー明日でいいや、と思ってたのに、森田さんが起きて待ってた。
私は悪いことをしましたごめんなさいと、顔に書いてある。ほんとにかわいい。
自覚はあるんだな。まず俺より俺の写真を崇めすぎだからな。
俺は知ってる。そういうの、ほんまつてんとうって言うんだよ。
「ねえ。謝って」
「ごめんなさい」
素直。
「なんで?なんで謝った?わかってる?」
おっ、俺が、と言ったまま、森田さんはこの世の終わりみたいな絶望的な顔のまま固まってしまった。
これには弱い。
「いいよ。もういい。俺もイライラしててごめん。だけどなんかムラムラしたからセックスして」
ちらっと俺をみて、申し訳なそうな顔で手を伸ばしかけた森田さんの首に手をかけ、強引に唇を奪う。
舌を入れたら森田さんも俺の体に腕を回した。
「明日、仕事だけど、いい?」
キスの合間に息荒く聞くと、同じく息の上がった森田さんは頷いた。
敷いてあった布団に倒れこんで、森田さんが俺の服の裾から手を入れ、脇腹を撫でる。
その手を取って、体勢を入れ替えた。
跨って見下ろす。森田さんはそっと眼鏡を外して頭上に置いた。
裸眼で少し目を細めて俺を見上げている。
「今日、俺にやらせてくれない?」
どういう意味だろうと考える顔を、少しだけ睨む。
森田さんの体を後ろから抱き込むみたいにして、脚を絡めた。
耳に唇を押しつけると、森田さんが身じろぎをする。
ああダメ。今日ほんと、意地悪してしまいそう。
「俺に、やらせて?」
勃起したそれを密着した森田さんのケツにすりすりしてやったら、目に見えて動揺し出した。
あ、あ、って言ってる隙に、部屋着のズボンとパンツを一気に引きおろす。自分のも、森田さんのも。
「っ、あの、」
「痛くしないからね」
とにかく森田さんをちょっとびっくりさせたいのと、ちょっとだけ、ちょっとだけ森田さんを抱いたらどんなだろうっていう好奇心。
タチは何度か経験があるけどどれも相手が望んでそうなっただけだ。タチやりたいって、思ったことなかった。森田さんとセックスするまでは。
もちろん今も抱かれる方が断然いいんだけど。いいんだけど、森田さんが抱かれるのを見てみたいという気持ちがどこかからかすかに湧いてくる。
一回だけ。一回だけだから。
この真面目な元ノンケはどんな顔でどんな反応をするだろう。
そんなことをぐるぐる考えながら、興奮しきった体を森田さんに押しつける。
「好きだよ」
言いながら森田さんの上半身に手を滑らせる。
乳首に触ると少しだけ反応があった。体硬くしてるくせに息は少し荒い。
興奮してる?
首筋や肩に噛みつくみたいにしてキスして、歯形やキスマークががっつり残ればいいなとどんどん凶悪な気持ちが湧き上がってきた。
下半身が温かい。森田さんのケツが俺の先走りで汚れてきてるかなとか思ったらもうやばい。
「…岡崎さん…」
首を甘噛みしながら薄目で見ると、森田さんは目を閉じてはあはあと息をしていた。
こんなの、お願いだから抱いてくださいって言われてるようなもんじゃない?知らないけど。
だめだ。優しくできる気がしない。俺はタチだとそういう属性だったのか?
それとも、興奮しすぎてガマンができないだけか。
*
岡崎にひどいことをされても全く平気かもしれない。
怖いくらいそう思った。
「森田さん、勘弁してよ」
さっきから首や肩や耳をガシガシと噛んでいる岡崎が困ったような声で言う。
「抱かれる女の気持ちがわかる?どんな感じ?」
今度は少し笑ったような声だ。
岡崎が後ろにいるので顔は見えない。自分の顔もあまり見えていないはずだ。
それに安心して、もう少しで声が出そうになるのをなんとか堪えている。
だって、自分の後ろに、岡崎のあれが、硬くなったあれが、押し付けられているのだ。
どういうことなのか考える前に、興奮で理性が掻き消えそうになる。
やらせてと言われた時は意味がわからなかった。
まさか岡崎が自分に?いつもと逆の?と考えているともう拒否することはできなくなっていた。
岡崎は女性を抱いたことはないと言っていた。
でも、女性を抱く時はこうなのだろうかと考えながらそうされることにひどく興奮した。
興奮していることに心から動揺もした。
おれは頭がおかしくなってしまったのかもしれない。
*
森田さんは必死に声を出さないようにしている。
呼吸が乱れて苦しそうだ。
別に喘いでくれてもいいんだけど。多分こう、すごく男らしく低めの声で喘ぎそうな気がする。そそる。
後ろから素股しようと思ってたけど、やっぱりやめた。
顔が見たい。俺に組み敷かれてる森田さんの顔が。
「森田さん、こっち向いて」
森田さんを仰向けにして、膝で止まっていた部屋着と下着を足から抜く。
「ここに、挟むよ、俺の」
「っ、」
馬乗りになって森田さんの太ももに俺のをこすりつけたら、森田さんは片手で両目を覆った。
「恥ずかしいの?かわいいね」
かわいいと言いながら、森田さんが男らしくかっこよく見えて仕方がない。
自分の唾液でそれを濡らして、森田さんの股の間へと腰を進める。
「やっばいんだけど」
すごい。森田さん相手にタチやってる気持ち。
「あ……」
森田さんが小さく息を吐いた。エロい。
「すごい、気持ちいいよ」
なんか俺も俺で、抱かれてる時より低い声が出る。
何度も腰を動かしていると、森田さんの半勃ちだったそれが少し固くなってきた。
「森田さん、いやらしい気持ちになる?」
「…もう、なってる…」
恥ずかしそうな唇にキスをする。
森田さんはキスしながら、下から俺に腕を回して、両手で俺のケツを撫でた。
あ、やばい。なんか、これ、俺、ちょっと。
頭に浮かんだ違和感を放って、とりあえずなんも考えずに腰を振る。森田さんの股に擦れてめちゃくちゃ気持ちいい。
「はぁっ」
「気持ちいい?」
顔をそらして息を吐いた森田さんの顔を覗き込む。俺はいつだって森田さんの顔が見たい。俺に突っ込まれてる、森田さんの顔。
森田さんは上気した恥ずかしそうな顔でかすかにうなずいて、また手で顔を覆ってしまった。
処女かよ。処女か。
女は抱いてたくせに。
鎖骨に噛みつくと森田さんがびくっとした。下唇を噛んでいる。
まあいいや、今は俺のもんだし。元妻への気持ちは完全に俺の八つ当たりだし。わかってる。今の森田さんには俺しかいないと信じたい。
体を密着させて腰を振る。
「もうちょっと太もも締められる?」
手もよけず、無言で言う通りにしてくれる。
「っあ、すげえ…気持ちいい…」
「っん」
森田さんがおずおずと顔から手を放して、優しい手つきで両腕を俺の背中に回す。きゅっと抱きしめられたり背中を撫でられたりするうちに、イきそうになってきた。
森田さんの手が、腰をすべる。
ああ。もう。イく。
「待って」
いや待たなくてもいいんだけど。気がついたら言ってた。
「お、岡崎さん、俺、」
森田さんも何か言いたげ。何だろう。後でいいや。今急いでるから。
森田さんの股の間から自分のを抜いて、もう完全に勃ってた森田さんのペニスの上にローションを垂らしてから跨る。
そのまま前後に腰を揺らした。
「ああっ」
「っく、」
「森田さんっ、お返し…素股してあげる」
後ろに伸びた森田さんの太ももに片手をついて、もう片方で自分のを握る。
ちょっとでも強く扱いたらイく。
森田さんのと擦れているところがぬるぬるして気持ちいい。自分が女だったらここが濡れるのか、と想像したりした。
「ごめ、っん、森田さん、俺もうイきそう、一回イっていい?」
聞きながら扱く手に力が入る。
やば。ほんとに良すぎ。
そしたら森田さんが俺の手と変わるように俺のを握って扱きだした。
「ああっ!」
背中を反らして両手を後ろにつき、全部を森田さんの目の前にさらして喘ぐことしかできない。
かろうじて森田さんのものにも刺激を与えられるように腰を前後して、でも前が気持ちよすぎてそれどころじゃなくなった。
「やばい、イく、出る…あっ…出る…」
思いっきり膝を開く。森田さん、イくとこ見て。
「んんっ!あ、出る、イくっ、うう…ん!」
「ああ……」
びくびくと体を痙攣させて射精した。森田さんが俺の太ももを撫でながら息を吐く。
はあはあと酸素をもとめていたら、森田さんが体を起こして俺の顔を覗き込んだ。
珍しい。何?
「岡崎さん、お願いが、ある」
「はぁ、…ん?なに?」
「…ごめん、したくなった」
次の瞬間、頭を抱かれて唇を奪われ、すぐに舌が絡んでくる。
そのまま後ろに優しく倒されて、脚を広げさせられた。
「挿れて、いい?」
「いいよ」
ああ。たまんない。この顔。俺を抱きたい顔。森田さんの顔を見ていたい。
いつでも。
そんで、俺は多分今、森田さんに抱かれたい顔をしている。
俺は目を閉じて、森田さんに体と気持ちを全部預けた。
-end-
2017.10.15
森田さんと喧嘩した。
喧嘩っつーか、まあ、俺が勝手に怒って無言で出てきただけだけど。
このパターン多くねー。
冷えたジョッキにビールを注ぎながら奥歯をギリギリと鳴らしたら、近くにいた平井がビクついた。
「あれはねーよな。まじ。ねーわ」
「あっ、はい…」
なんだかわかんないくせに返事してくる。
だって森田さんが俺の写真に供えるために冷やしといたスポドリを俺が飲んだことになんかムッとした顔して、まじ意味わかんねーんだもん。
なんなんだよ。その写真俺だからな?!本体ここだから!
「くっそが」
「どしたんすか?」
平田と逆に、アホのような顔をして西尾が覗き込んでくる。
まあ。普段だったら苦笑して終わるけど最近また忙しくてこっちもイライラしてたから。
なるべく早く、仲直りしよう。
なんかこういう日に限ってやたら客が多くて、へとへとになって仏頂面で帰った。
すぐ寝ようすぐ寝よう、シャワー明日でいいや、と思ってたのに、森田さんが起きて待ってた。
私は悪いことをしましたごめんなさいと、顔に書いてある。ほんとにかわいい。
自覚はあるんだな。まず俺より俺の写真を崇めすぎだからな。
俺は知ってる。そういうの、ほんまつてんとうって言うんだよ。
「ねえ。謝って」
「ごめんなさい」
素直。
「なんで?なんで謝った?わかってる?」
おっ、俺が、と言ったまま、森田さんはこの世の終わりみたいな絶望的な顔のまま固まってしまった。
これには弱い。
「いいよ。もういい。俺もイライラしててごめん。だけどなんかムラムラしたからセックスして」
ちらっと俺をみて、申し訳なそうな顔で手を伸ばしかけた森田さんの首に手をかけ、強引に唇を奪う。
舌を入れたら森田さんも俺の体に腕を回した。
「明日、仕事だけど、いい?」
キスの合間に息荒く聞くと、同じく息の上がった森田さんは頷いた。
敷いてあった布団に倒れこんで、森田さんが俺の服の裾から手を入れ、脇腹を撫でる。
その手を取って、体勢を入れ替えた。
跨って見下ろす。森田さんはそっと眼鏡を外して頭上に置いた。
裸眼で少し目を細めて俺を見上げている。
「今日、俺にやらせてくれない?」
どういう意味だろうと考える顔を、少しだけ睨む。
森田さんの体を後ろから抱き込むみたいにして、脚を絡めた。
耳に唇を押しつけると、森田さんが身じろぎをする。
ああダメ。今日ほんと、意地悪してしまいそう。
「俺に、やらせて?」
勃起したそれを密着した森田さんのケツにすりすりしてやったら、目に見えて動揺し出した。
あ、あ、って言ってる隙に、部屋着のズボンとパンツを一気に引きおろす。自分のも、森田さんのも。
「っ、あの、」
「痛くしないからね」
とにかく森田さんをちょっとびっくりさせたいのと、ちょっとだけ、ちょっとだけ森田さんを抱いたらどんなだろうっていう好奇心。
タチは何度か経験があるけどどれも相手が望んでそうなっただけだ。タチやりたいって、思ったことなかった。森田さんとセックスするまでは。
もちろん今も抱かれる方が断然いいんだけど。いいんだけど、森田さんが抱かれるのを見てみたいという気持ちがどこかからかすかに湧いてくる。
一回だけ。一回だけだから。
この真面目な元ノンケはどんな顔でどんな反応をするだろう。
そんなことをぐるぐる考えながら、興奮しきった体を森田さんに押しつける。
「好きだよ」
言いながら森田さんの上半身に手を滑らせる。
乳首に触ると少しだけ反応があった。体硬くしてるくせに息は少し荒い。
興奮してる?
首筋や肩に噛みつくみたいにしてキスして、歯形やキスマークががっつり残ればいいなとどんどん凶悪な気持ちが湧き上がってきた。
下半身が温かい。森田さんのケツが俺の先走りで汚れてきてるかなとか思ったらもうやばい。
「…岡崎さん…」
首を甘噛みしながら薄目で見ると、森田さんは目を閉じてはあはあと息をしていた。
こんなの、お願いだから抱いてくださいって言われてるようなもんじゃない?知らないけど。
だめだ。優しくできる気がしない。俺はタチだとそういう属性だったのか?
それとも、興奮しすぎてガマンができないだけか。
*
岡崎にひどいことをされても全く平気かもしれない。
怖いくらいそう思った。
「森田さん、勘弁してよ」
さっきから首や肩や耳をガシガシと噛んでいる岡崎が困ったような声で言う。
「抱かれる女の気持ちがわかる?どんな感じ?」
今度は少し笑ったような声だ。
岡崎が後ろにいるので顔は見えない。自分の顔もあまり見えていないはずだ。
それに安心して、もう少しで声が出そうになるのをなんとか堪えている。
だって、自分の後ろに、岡崎のあれが、硬くなったあれが、押し付けられているのだ。
どういうことなのか考える前に、興奮で理性が掻き消えそうになる。
やらせてと言われた時は意味がわからなかった。
まさか岡崎が自分に?いつもと逆の?と考えているともう拒否することはできなくなっていた。
岡崎は女性を抱いたことはないと言っていた。
でも、女性を抱く時はこうなのだろうかと考えながらそうされることにひどく興奮した。
興奮していることに心から動揺もした。
おれは頭がおかしくなってしまったのかもしれない。
*
森田さんは必死に声を出さないようにしている。
呼吸が乱れて苦しそうだ。
別に喘いでくれてもいいんだけど。多分こう、すごく男らしく低めの声で喘ぎそうな気がする。そそる。
後ろから素股しようと思ってたけど、やっぱりやめた。
顔が見たい。俺に組み敷かれてる森田さんの顔が。
「森田さん、こっち向いて」
森田さんを仰向けにして、膝で止まっていた部屋着と下着を足から抜く。
「ここに、挟むよ、俺の」
「っ、」
馬乗りになって森田さんの太ももに俺のをこすりつけたら、森田さんは片手で両目を覆った。
「恥ずかしいの?かわいいね」
かわいいと言いながら、森田さんが男らしくかっこよく見えて仕方がない。
自分の唾液でそれを濡らして、森田さんの股の間へと腰を進める。
「やっばいんだけど」
すごい。森田さん相手にタチやってる気持ち。
「あ……」
森田さんが小さく息を吐いた。エロい。
「すごい、気持ちいいよ」
なんか俺も俺で、抱かれてる時より低い声が出る。
何度も腰を動かしていると、森田さんの半勃ちだったそれが少し固くなってきた。
「森田さん、いやらしい気持ちになる?」
「…もう、なってる…」
恥ずかしそうな唇にキスをする。
森田さんはキスしながら、下から俺に腕を回して、両手で俺のケツを撫でた。
あ、やばい。なんか、これ、俺、ちょっと。
頭に浮かんだ違和感を放って、とりあえずなんも考えずに腰を振る。森田さんの股に擦れてめちゃくちゃ気持ちいい。
「はぁっ」
「気持ちいい?」
顔をそらして息を吐いた森田さんの顔を覗き込む。俺はいつだって森田さんの顔が見たい。俺に突っ込まれてる、森田さんの顔。
森田さんは上気した恥ずかしそうな顔でかすかにうなずいて、また手で顔を覆ってしまった。
処女かよ。処女か。
女は抱いてたくせに。
鎖骨に噛みつくと森田さんがびくっとした。下唇を噛んでいる。
まあいいや、今は俺のもんだし。元妻への気持ちは完全に俺の八つ当たりだし。わかってる。今の森田さんには俺しかいないと信じたい。
体を密着させて腰を振る。
「もうちょっと太もも締められる?」
手もよけず、無言で言う通りにしてくれる。
「っあ、すげえ…気持ちいい…」
「っん」
森田さんがおずおずと顔から手を放して、優しい手つきで両腕を俺の背中に回す。きゅっと抱きしめられたり背中を撫でられたりするうちに、イきそうになってきた。
森田さんの手が、腰をすべる。
ああ。もう。イく。
「待って」
いや待たなくてもいいんだけど。気がついたら言ってた。
「お、岡崎さん、俺、」
森田さんも何か言いたげ。何だろう。後でいいや。今急いでるから。
森田さんの股の間から自分のを抜いて、もう完全に勃ってた森田さんのペニスの上にローションを垂らしてから跨る。
そのまま前後に腰を揺らした。
「ああっ」
「っく、」
「森田さんっ、お返し…素股してあげる」
後ろに伸びた森田さんの太ももに片手をついて、もう片方で自分のを握る。
ちょっとでも強く扱いたらイく。
森田さんのと擦れているところがぬるぬるして気持ちいい。自分が女だったらここが濡れるのか、と想像したりした。
「ごめ、っん、森田さん、俺もうイきそう、一回イっていい?」
聞きながら扱く手に力が入る。
やば。ほんとに良すぎ。
そしたら森田さんが俺の手と変わるように俺のを握って扱きだした。
「ああっ!」
背中を反らして両手を後ろにつき、全部を森田さんの目の前にさらして喘ぐことしかできない。
かろうじて森田さんのものにも刺激を与えられるように腰を前後して、でも前が気持ちよすぎてそれどころじゃなくなった。
「やばい、イく、出る…あっ…出る…」
思いっきり膝を開く。森田さん、イくとこ見て。
「んんっ!あ、出る、イくっ、うう…ん!」
「ああ……」
びくびくと体を痙攣させて射精した。森田さんが俺の太ももを撫でながら息を吐く。
はあはあと酸素をもとめていたら、森田さんが体を起こして俺の顔を覗き込んだ。
珍しい。何?
「岡崎さん、お願いが、ある」
「はぁ、…ん?なに?」
「…ごめん、したくなった」
次の瞬間、頭を抱かれて唇を奪われ、すぐに舌が絡んでくる。
そのまま後ろに優しく倒されて、脚を広げさせられた。
「挿れて、いい?」
「いいよ」
ああ。たまんない。この顔。俺を抱きたい顔。森田さんの顔を見ていたい。
いつでも。
そんで、俺は多分今、森田さんに抱かれたい顔をしている。
俺は目を閉じて、森田さんに体と気持ちを全部預けた。
-end-
2017.10.15