大きな声では言わないけど
38 創樹とハロウィン
明日はハロウィン。
たまにはそういうの、盛大にやってみてもいいかも。
広樹と居間でテレビ観ながらなんとなく思いついて家を出る準備をする。
「創ちゃんどっか行くの?コンビニ?」
「違う」
「チョコ買ってきてー」
「違うっつってんだろ」
「えぇ」
けち、と言いながら部屋へ戻る広樹を確認してから身支度を整えた。
深夜1時。
慣れない格好で下僕の犬小屋に向かう途中、2、3人の野郎に声をかけられたけどガン無視しながら気持ちを入れて、渡されていた合鍵で音もなく侵入した。
電気がついたままだ。
相変わらずきったねえ部屋で、なつめはくうくうと寝息を立てて眠っていた。
布団をめくって隣にそっと忍び込み、小さく開いた口にキスをした。
もそもそと体が動き、覚醒寸前のなつめはにこりと笑う。
きも。こわ。なんだこいつ。
「んふ、んふ…創樹くん…ふふ…ん?創樹くん…?!あれ、なんで、どしたの?!」
目を見開くなつめにいつものように死ねだの引くだの言いそうになって、咄嗟に口をつぐんだ。
「ご主人さま、ハッピーハロウィンです」
高めの声を出すと広樹に似て最高に気持ちが悪い。
「かわ、かわいい…生きてて…良かった…」
口が開いてる。
添い寝したまま全身が見えるようにして、スカートの裾を少し持ち上げた。
「すごい…かわいい…え…あ…創樹くんその格好…メイドさんだ…なんかかわいいウィッグもついてる」
なつめの女装道具を借りた。サイズが合わなくてちょっとぶかぶかのメイド服。
「えーすごい夢みたい…かわいいね、創樹くんとっても似合ってるよ」
なつめはきらきらと笑う。
少しは動揺しろよ。なぜすぐ受け入れるんだこいつは。
「そうこ、って呼んでくれなきゃやです」
「あ、なるほど、創子ちゃん…」
「ねえ、ご主人さま、やらしいことしたい」
なつめの腹に手を入れてさわさわと撫でる。
相変わらずいい腹筋だ。合格。
「そ、…創子ちゃん…キスしていい?」
なつめは俺の頭の下に腕を入れて抱きしめ、囁きながら耳にキスをしてくる。
「あぁん…ご主人さま…して…やらしいキスして」
お互いに舌を伸ばしてぬるぬると絡ませる。
こういう、適応能力の高いとこ。アホだと思うけど、こいつのいいところ。
「…ほんと、かわいいよ…うちで着替えたの?全然起きなくてごめんね」
なつめはゆるっと笑う。
「うぅん。おうちで着てきたの」
「そっか。え?なんて?」
「創子のおうちで着たの」
「え!危ないよ創子ちゃんその格好で来たの?ダメだよ、こんな遅い時間に女の子が1人で…」
創樹くんはよくても創子ちゃんはダメだよ、いや、創樹くんも心配だけど、などと言って心配そうな顔をする。
だからなんでそんなスルッと俺の女装を受け入れてんだよ。
「どうする?創子のことどうする?」
「え、どうしてもいいの?」
「いいよ。ご主人の好きにしていいよ」
「なんか創子ちゃん声が低くなってきたよ」
「無理がたたってきた。思ってたよりつかれる!えへへ」
「気が変わらないうちに失礼して」
ベッドに組み敷かれ、見下ろされる。
腹立つ。
「ご主人、あたしのこと脱がす?」
「どうしようね…ちょっとこのままでも」
「やばい、暴言吐きそう」
「我慢して創子ちゃん!」
創子ちゃん暴言吐きそうだなんてツワリかなー、とか呟きながら、なつめがゆっくりスカートの中に手を入れてきた。
「ツワリじゃないよ。これからご主人が妊娠させてくれるんでしょ?」
「あ、うん、うん?うーん、うんうん」
「早くして、ご主人さま早く中出しして」
「えっち」
ふは、と笑ってなつめは俺のパンツに触れた。
「あぁ」
「…あ」
スカートをめくられる。
「創子ちゃん、かわいい下着…」
「黒いレースの」
「これまた買ったの?見たことないけど」
「今度お前が履くやつだぞ」
「創樹くんに戻った…!」
「ごめぇん、うふふ。ご主人にも似合いそうでしょ?」
「そんなことより創子ちゃん」
なつめはそこで、ちょっと強く笑った。
「創子ちゃん、おちんちんついてる」
はい。知ってますけど。
「いけない子だなぁー創子ちゃん男の子なのにこんな格好で僕の家に来るなんて」
いただきます、と言いながら、俺のパンツをずり下げた。
「あぁん」
「ああ…えっち…えっちだよ創子ちゃんちょっとたまんないよこれ」
かわいいよ、すごくかわいいよ、と囁いて腰をごりごり押し付けて来る。
「ご主人さまも勃ってる」
「創子ちゃんも勃ってる」
「ご主人さまえっち。なんかすげえやらしい顔してる」
下から頬を撫でると、なつめは一瞬真顔になった。
「そうだよ…創樹くんが僕をこんなふうにしちゃったんだよ」
指を絡ませて両手を繋ぎ、ゆっくりねっとりしたキスをした。
2人ともどんどん追い詰められて息が上がる。
唾液が絡まって俺の頬を伝って、なつめがそれを静かに舐めとった。
「汚ねえ。舐めんな」
「創子ちゃん」
「ごめぇん」
「…早く挿れたい」
なつめは俺をうつ伏せにして、太ももまで下げられたパンツはそのままで、ケツにローションを垂らした。
「冷てえクソが」
「あ、ごめん、ちょっとほんと、余裕なくて」
「んふ。ご主人かわいいね」
「創子ちゃん…ごめん、もう、おまんこ挿れていい?」
「キャーやらしい」
「ごめんね」
何度か謝りながら、息を荒くしたなつめが背中に覆いかぶさった。
「ああっん!やぁっ、ご主人さま!んん」
「はぁ…あー…すっごい…」
腰を何度か打ちつけて、なつめは深いため息を吐いた。
「ご主人さま、おまんこ気持ちいい、あんっあんっ」
「あっ、ちょっと待って、やばいイっちゃいそう…」
「だめぇ、ご主人早漏なのちょっと勘弁してぇ」
「ひどい創子ちゃん」
「もうちょっとがんばらないと、ちんちんちょんぎっちゃうぞぉ」
「ぅ、あぶな、待ってあんまりひどいこと言わないで、ほんとやばい…」
変態は治ってない。
「あんっ、踏んじゃうぞ…おちんちん…思いっきり…っん」
「ダメ…ごめんほんとダメだ」
「変態ご主人」
「創子ちゃん、こんなかわいいかっこうで、あ、会いに来てくれてありがとう…っ、すっごくうれしい」
「もっとして、もっと奥、あ、あっ」
「あっ、う…かわいいよ創樹くん」
「ちげえだろ?殺すぞ♡」
「あっ、創子ちゃんごめんなさい♡」
「あんっあんっご主人さまぁ」
「創子ちゃんの、おちんちんも…触らせてね…」
「あぁんっ、やぁっ、気持ちいいぃ」
パンパンと肌のぶつかる音が響く。
「ごしゅじんさま、イく…」
「僕も…」
「一緒に?」
「うんっ、あ、っは」
「ああ、もう、あ、あっ」
「出すよ…創子ちゃ、中で、」
「出してぇ…中出しして…っ」
「はぁ、あ……っ、あ」
「あんっ、あ、ごしゅじんさまのあかちゃんできちゃうぅ」
「…はぁ…あぁ…できちゃったかなぁ…ははは」
「よし。帰る。疲れた」
「早くない?!」
女装疲れる。よくこいつこんなことやってんな。頭おかしい。
起き上がろうとすると、後ろから抱きつかれて、2人並んでベッドに横たわる。
「創樹くん」
「なんだ変態」
「ああ、寂しいなぁ創子ちゃんの優しさが懐かしい」
「うるせ」
創子ちゃんも創樹くんもかわいいよ、と言って笑い、なつめは俺の首筋にキスをした。
「もう帰る」
「どうして?泊まりなよ」
「こんな汚ねえ部屋に泊まれるか」
「創樹くん、着替え持って来た?」
「あ」
忘れた。
「あはは。ね。明日ちゃんと送るから。朝まで一緒に寝よう。お願い」
そう言って髪を撫でるなつめの腕に体を預けて、諦めて寝ることにする。
寒くなってきたから、別に、こういうのも嫌ではない。
-end-
2016.10.29
明日はハロウィン。
たまにはそういうの、盛大にやってみてもいいかも。
広樹と居間でテレビ観ながらなんとなく思いついて家を出る準備をする。
「創ちゃんどっか行くの?コンビニ?」
「違う」
「チョコ買ってきてー」
「違うっつってんだろ」
「えぇ」
けち、と言いながら部屋へ戻る広樹を確認してから身支度を整えた。
深夜1時。
慣れない格好で下僕の犬小屋に向かう途中、2、3人の野郎に声をかけられたけどガン無視しながら気持ちを入れて、渡されていた合鍵で音もなく侵入した。
電気がついたままだ。
相変わらずきったねえ部屋で、なつめはくうくうと寝息を立てて眠っていた。
布団をめくって隣にそっと忍び込み、小さく開いた口にキスをした。
もそもそと体が動き、覚醒寸前のなつめはにこりと笑う。
きも。こわ。なんだこいつ。
「んふ、んふ…創樹くん…ふふ…ん?創樹くん…?!あれ、なんで、どしたの?!」
目を見開くなつめにいつものように死ねだの引くだの言いそうになって、咄嗟に口をつぐんだ。
「ご主人さま、ハッピーハロウィンです」
高めの声を出すと広樹に似て最高に気持ちが悪い。
「かわ、かわいい…生きてて…良かった…」
口が開いてる。
添い寝したまま全身が見えるようにして、スカートの裾を少し持ち上げた。
「すごい…かわいい…え…あ…創樹くんその格好…メイドさんだ…なんかかわいいウィッグもついてる」
なつめの女装道具を借りた。サイズが合わなくてちょっとぶかぶかのメイド服。
「えーすごい夢みたい…かわいいね、創樹くんとっても似合ってるよ」
なつめはきらきらと笑う。
少しは動揺しろよ。なぜすぐ受け入れるんだこいつは。
「そうこ、って呼んでくれなきゃやです」
「あ、なるほど、創子ちゃん…」
「ねえ、ご主人さま、やらしいことしたい」
なつめの腹に手を入れてさわさわと撫でる。
相変わらずいい腹筋だ。合格。
「そ、…創子ちゃん…キスしていい?」
なつめは俺の頭の下に腕を入れて抱きしめ、囁きながら耳にキスをしてくる。
「あぁん…ご主人さま…して…やらしいキスして」
お互いに舌を伸ばしてぬるぬると絡ませる。
こういう、適応能力の高いとこ。アホだと思うけど、こいつのいいところ。
「…ほんと、かわいいよ…うちで着替えたの?全然起きなくてごめんね」
なつめはゆるっと笑う。
「うぅん。おうちで着てきたの」
「そっか。え?なんて?」
「創子のおうちで着たの」
「え!危ないよ創子ちゃんその格好で来たの?ダメだよ、こんな遅い時間に女の子が1人で…」
創樹くんはよくても創子ちゃんはダメだよ、いや、創樹くんも心配だけど、などと言って心配そうな顔をする。
だからなんでそんなスルッと俺の女装を受け入れてんだよ。
「どうする?創子のことどうする?」
「え、どうしてもいいの?」
「いいよ。ご主人の好きにしていいよ」
「なんか創子ちゃん声が低くなってきたよ」
「無理がたたってきた。思ってたよりつかれる!えへへ」
「気が変わらないうちに失礼して」
ベッドに組み敷かれ、見下ろされる。
腹立つ。
「ご主人、あたしのこと脱がす?」
「どうしようね…ちょっとこのままでも」
「やばい、暴言吐きそう」
「我慢して創子ちゃん!」
創子ちゃん暴言吐きそうだなんてツワリかなー、とか呟きながら、なつめがゆっくりスカートの中に手を入れてきた。
「ツワリじゃないよ。これからご主人が妊娠させてくれるんでしょ?」
「あ、うん、うん?うーん、うんうん」
「早くして、ご主人さま早く中出しして」
「えっち」
ふは、と笑ってなつめは俺のパンツに触れた。
「あぁ」
「…あ」
スカートをめくられる。
「創子ちゃん、かわいい下着…」
「黒いレースの」
「これまた買ったの?見たことないけど」
「今度お前が履くやつだぞ」
「創樹くんに戻った…!」
「ごめぇん、うふふ。ご主人にも似合いそうでしょ?」
「そんなことより創子ちゃん」
なつめはそこで、ちょっと強く笑った。
「創子ちゃん、おちんちんついてる」
はい。知ってますけど。
「いけない子だなぁー創子ちゃん男の子なのにこんな格好で僕の家に来るなんて」
いただきます、と言いながら、俺のパンツをずり下げた。
「あぁん」
「ああ…えっち…えっちだよ創子ちゃんちょっとたまんないよこれ」
かわいいよ、すごくかわいいよ、と囁いて腰をごりごり押し付けて来る。
「ご主人さまも勃ってる」
「創子ちゃんも勃ってる」
「ご主人さまえっち。なんかすげえやらしい顔してる」
下から頬を撫でると、なつめは一瞬真顔になった。
「そうだよ…創樹くんが僕をこんなふうにしちゃったんだよ」
指を絡ませて両手を繋ぎ、ゆっくりねっとりしたキスをした。
2人ともどんどん追い詰められて息が上がる。
唾液が絡まって俺の頬を伝って、なつめがそれを静かに舐めとった。
「汚ねえ。舐めんな」
「創子ちゃん」
「ごめぇん」
「…早く挿れたい」
なつめは俺をうつ伏せにして、太ももまで下げられたパンツはそのままで、ケツにローションを垂らした。
「冷てえクソが」
「あ、ごめん、ちょっとほんと、余裕なくて」
「んふ。ご主人かわいいね」
「創子ちゃん…ごめん、もう、おまんこ挿れていい?」
「キャーやらしい」
「ごめんね」
何度か謝りながら、息を荒くしたなつめが背中に覆いかぶさった。
「ああっん!やぁっ、ご主人さま!んん」
「はぁ…あー…すっごい…」
腰を何度か打ちつけて、なつめは深いため息を吐いた。
「ご主人さま、おまんこ気持ちいい、あんっあんっ」
「あっ、ちょっと待って、やばいイっちゃいそう…」
「だめぇ、ご主人早漏なのちょっと勘弁してぇ」
「ひどい創子ちゃん」
「もうちょっとがんばらないと、ちんちんちょんぎっちゃうぞぉ」
「ぅ、あぶな、待ってあんまりひどいこと言わないで、ほんとやばい…」
変態は治ってない。
「あんっ、踏んじゃうぞ…おちんちん…思いっきり…っん」
「ダメ…ごめんほんとダメだ」
「変態ご主人」
「創子ちゃん、こんなかわいいかっこうで、あ、会いに来てくれてありがとう…っ、すっごくうれしい」
「もっとして、もっと奥、あ、あっ」
「あっ、う…かわいいよ創樹くん」
「ちげえだろ?殺すぞ♡」
「あっ、創子ちゃんごめんなさい♡」
「あんっあんっご主人さまぁ」
「創子ちゃんの、おちんちんも…触らせてね…」
「あぁんっ、やぁっ、気持ちいいぃ」
パンパンと肌のぶつかる音が響く。
「ごしゅじんさま、イく…」
「僕も…」
「一緒に?」
「うんっ、あ、っは」
「ああ、もう、あ、あっ」
「出すよ…創子ちゃ、中で、」
「出してぇ…中出しして…っ」
「はぁ、あ……っ、あ」
「あんっ、あ、ごしゅじんさまのあかちゃんできちゃうぅ」
「…はぁ…あぁ…できちゃったかなぁ…ははは」
「よし。帰る。疲れた」
「早くない?!」
女装疲れる。よくこいつこんなことやってんな。頭おかしい。
起き上がろうとすると、後ろから抱きつかれて、2人並んでベッドに横たわる。
「創樹くん」
「なんだ変態」
「ああ、寂しいなぁ創子ちゃんの優しさが懐かしい」
「うるせ」
創子ちゃんも創樹くんもかわいいよ、と言って笑い、なつめは俺の首筋にキスをした。
「もう帰る」
「どうして?泊まりなよ」
「こんな汚ねえ部屋に泊まれるか」
「創樹くん、着替え持って来た?」
「あ」
忘れた。
「あはは。ね。明日ちゃんと送るから。朝まで一緒に寝よう。お願い」
そう言って髪を撫でるなつめの腕に体を預けて、諦めて寝ることにする。
寒くなってきたから、別に、こういうのも嫌ではない。
-end-
2016.10.29