大きな声では言わないけど
32 彰人とマスク
「あっくん!マスクしてるの!どうしたの!イケメンが!台無しなんだけど!」
風邪を引いて、マスクをして大学に来ただけなのに、この反応は正直面倒だ。
ぴょんぴょんとまとわりつく広樹を引きずって教室に向かう。
「大丈夫?風邪なの?」
「んん」
「あぁん…鼻声かわいそう」
「ん」
ずび、と鼻をすすると、広樹がまゆ尻を下げた。
頭がぼうっとする。
「今日は俺がたくさんあっくんのためにがんばるから、あっくんは安静にするんだよ?ね?とりあえずマスク取って?お顔見たい」
「…無理」
「えーもうしょうがないなあ」
「フゴッ、ゴホッ」
これ見よがしにため息を吐く広樹に殺意を覚えて咳込む。
だが落ちつけ俺。今キレて無駄な体力を使いたくない。
「お熱はないの?」
「…ないんじゃね」
「測ってないの?」
「ん」
「まあ、なんてことなの、あきひとちゃん、だめよ」
ぷうっと頬を膨らませ、手を伸ばして俺の額をぺとぺと触る。
「あっついよ。講義受けてる場合じゃないんじゃない?」
「今日、出なきゃじゃなかったっけ。あれ、小テストかなんかある」
「あれね、今日休講になってたよ」
「…は?」
早く言えよ。教室の前まで来ただろうが。
「…まじ?」
「うん」
じっと見つめると、だんだん照れてきたのか上目遣いででれでれする広樹に、具合が悪くなる気配を感じる。
「あっくんさぁ、おめめがとってもしゅっとしてるから、マスクで下が隠れてるとそれが強調されちゃってちょっとしたフェロモン凶器だよ」
フェロモン凶器って何。
「………休講かどうか、なつめに聞く」
携帯を取り出す。
「ええー!ちょっとひどくなぁい?信用できないっていうの?」
「お前は本能的に信用できない」
「ひどいぃ!あっくんの大事なたった一人のプレシャス広樹なのに!」
「あ、なつめ」
『彰人くん?あれ、どうしたの、声おかしいね』
「風邪」
『あらら…大丈夫?』
「うん。今日さ、統計休講?」
『うん。休講になってたはず。さっきサイト見たけど。だから今、僕たちもどうしよっかって話してたところ』
「そっか。俺は帰ろうかな」
『うん。それがいいね。お大事にね』
「おう。さんきゅ」
なつめの声はどうしてあんなに優しいんだろう。体が弱っている時はなおさら染み入る。
「あー。なつめに会いてえな」
創樹はもっとなつめを大事にすべきだ。
「……あっくん」
「あー…なつめ…なつめに看病されたい…」
「あっくん!やだ!俺が!オレオレオレオレオレがいるでしょ!」
「なんなの…うるせ…」
「帰ろう、ね、あっくん、何食べたい?」
「………お前が作ったもの以外ならなんでも」
「しどい!」
本格的に頭がガンガンしてきたので、広樹に付き添われながらふらふらと帰宅した。
「お熱測ってね、はい」
渡された体温計を脇に挟みながら、悪寒のする体を毛布に埋める。
「…寒」
「あぁ、あっくん…大丈夫?かわいそうに…」
熱い手がそっと額に触れてくる。
「気持ちいい…」
ふふ、と笑う声になんとなく安心して、ぼんやりと目を閉じる。
「ご飯作って来るからね」
「…お前…料理なんか、できねえだろ…」
「大丈夫。心配しないで、寝てて」
むちゅ、と音をたてて俺の頬にキスをすると、広樹はベッドを離れて行った。
いい気持ちで寝ていたのに、がっしゃーんというものすごい音で起こされる。
「…あいつ…」
イラッとしながら重い体を起こし、その辺にあったコートを被って寒気を我慢し寝室を出た。
目に飛び込んできたのは、キッチンの床に粉々に散らばった何かの破片と、その中に佇む広樹。
床に落とされていた広樹の視線がゆっくり、こちらへ向けられる。
「あっくん…ごめんなさい…」
泣き声で言う広樹の瞳は、今にも涙が落ちそうなほど潤んでいる。それを見ると、怒る気も失せた。
「これは…どーしたの広樹ちゃん…」
「ちゃん付け…!あのね、おかゆ作ろうと思ったの。それで、土鍋出したら割れた…」
「…料理以前の問題じゃないすか…」
「うん…ごめん……」
しょげかえっている広樹に近づいて、破片を踏まないようにさせて手を引いた。
ちょん、と破片を飛び越えて俺にしがみつく広樹が暖かくてそのままベッドに戻って座り、抱っこする。
「お前キッチン立つなよ…前もなんか割ったじゃねえか」
「そうだけど…あっくんになんか、食べさせたくて」
もじもじしながら見上げる目にドキッとする。
「あー…動悸が」
「えっ、大丈夫?熱で?」
「お前のせいかもね」
額にキスする。
「何もしなくていいから、添い寝して」
落ち込んでいる広樹に言ったら、感極まったような顔で首に抱きついてくる。
よしよし。かわいいな。
「あっくん…」
「ん」
「えへ…勃ったよ」
「えへ」
…じゃねえ!
「…ふざっけんなよお前…」
一気に気が抜けて後ろに倒れこむ。
もう…寝かせてくれ…。寒い…。
「あーっあっくんだめ、寝ないで、一発ヤってからにして!」
「ばかかよほんとおまえいっかいしねよ」
「あっくん!あっくんたらぁ!」
「はいはい無理無理今日は絶対無理。ばかじゃねえの。熱あるっつってんだろおやすみなさいご苦労様でした」
「そんな!困ります!」
「俺の方が困りますぅ…すぅー……スー……」
「寝ちゃダメ!あっくん!ねえ、立ちバックか駅弁して!」
「はっ?ぐはっごほっ意味わかんね!なんでよりによってそんな疲れる体位なんだよ!ここはせめて騎乗位だろうが!」
「いやだぁ!寝ないで!間を取って正常位でしてよぉ!」
「正常位が間であることを詳しく説明しろ」
もう!と言いながら広樹は一度離れ、スポーンと服を脱ぎ、全裸になって再度抱きついてきた。
「ねえ、ほら、暖かいでしょ?だから…ね?」
「…もう…お前…ほんとやだ…お前やだ……」
「あっくんの、ぺろぺろしたいぃ…」
もそもそと俺の前を寛げる広樹に、もう抵抗をする気力もない。されるがままだ。
「ああ…広樹に凌辱される…」
「たまにはそういうのもいいねぇ、うふふふ」
「ちょっと、寒いから早く暖めて」
「うん。がんばるねっ」
ちゅるちゅると音をたててしゃぶられ始めたら、どんどん体が温かくなってきた。
「あー……は…」
「んっ、んちゅ、あっくん…」
「…もっと…先っぽ舐めて」
「うん…ん…んく…ん、んん」
「喉突いていい?」
「ん、だめぇ」
「なんで。…もっと奥まで咥えて」
「くるしいから…やぁ…ぐぅ…ん…ふ…」
「あー…喉締めて…おらもっとちゃんと咥えろよ」
「う…う、うぐ、んん、ん、んふ」
「…で、体位は何がいいって?」
「んんっ、んう、あ、あふ、」
「はは…すげえよだれ出てる」
「くるし…ん…」
「かわいいよ」
意地悪しすぎたかと1ミリくらい反省して、苦しさから涙目になった広樹を抱き上げる。
「どうしてほしいの」
「…立ちバックがいいの…」
「カーテン開けるから窓に手つけよ」
「いやん…見えちゃう…」
「うるせ」
広樹の上半身だけをカーテンのあちら側に出す。
「あんまりかわいい顔晒すなよ」
「あん、無理っ、あっくん、見えちゃう!人が…」
「いいって、ほら、挿れてやるからがんばれよ」
「むりぃ!ああぁん!…く、ああ…うん…ん、んん」
必死に声を我慢している広樹の後ろから思いっきり突っ込んで一気に奥を突く。
「っんん!……う…ん、ん、っ、ん」
「あー…すげー…あったかい…」
腰を回して限界まで深く。
「んあ…あっくん……ひ…うう…」
「なー、かわいいな、お前。つかまじ寒いから。さっさと終わらそうな」
「いやだぁ…あ…!あんっあん、あん、あん、あん、っ、あ」
腰を鷲づかみにしてぱんぱん音が鳴るくらい腰をぶつけると、広樹の軽い体はがくがく揺れた。
「さむー」
「いやぁ!だめ、だめっ………」
急に静かになったと思ったら、外を人が歩いていたらしい。
「恥ずかしいの?お前そんな感覚あんの?」
「っ、く…あるぅ…」
一生懸命我慢している広樹を見て興奮した。
「はー…やべえ」
「あっくん…いやぁん…」
出し入れをしながらべちべちと白いケツを叩いてやる。
「きゃあ…っ、あ、ああ…ん…ん、んく…う…」
「あっちい。汗かく…な、気持ちいい?」
「すっごくいいよぉ、たくさんして、ね」
「中出ししていい?」
「やあ…だめっ、んん、あん、あ、」
後ろから覗き込むと、広樹のペニスがガン勃ちで濡れ濡れだった。
握って扱く。
「いやっ、だめ、だめ、あっくん、イっちゃうからぁ!」
疲れてきたのでベッドにぶっ倒して上から覆いかぶさった。
「あっくん、あつい、すごい、ああっ」
「俺は、寒い」
「きちゃうぅ、だめえ!あああ!」
「…ん……あ……」
射精したら、一気に体力の限界が来た。俯せでぐったりしている広樹の横に倒れこんで、即毛布をかぶる。
「死ぬ」
「え!あっくんだめ、死んじゃだめ!」
「…つかれた……」
眠りに落ちる寸前、広樹の手が頭を優しく撫でたのがわかった。
「あっくん…俺、風邪ひいたぁ…」
次の日、ずびずびと鼻を鳴らしながら俺のベッドから出られないでいる広樹を見下ろす。
すっかり体調の戻った俺は、自分の流されやすさにため息をついて、広樹の頭を撫でてやった。
-end-
2014.11.5
「あっくん!マスクしてるの!どうしたの!イケメンが!台無しなんだけど!」
風邪を引いて、マスクをして大学に来ただけなのに、この反応は正直面倒だ。
ぴょんぴょんとまとわりつく広樹を引きずって教室に向かう。
「大丈夫?風邪なの?」
「んん」
「あぁん…鼻声かわいそう」
「ん」
ずび、と鼻をすすると、広樹がまゆ尻を下げた。
頭がぼうっとする。
「今日は俺がたくさんあっくんのためにがんばるから、あっくんは安静にするんだよ?ね?とりあえずマスク取って?お顔見たい」
「…無理」
「えーもうしょうがないなあ」
「フゴッ、ゴホッ」
これ見よがしにため息を吐く広樹に殺意を覚えて咳込む。
だが落ちつけ俺。今キレて無駄な体力を使いたくない。
「お熱はないの?」
「…ないんじゃね」
「測ってないの?」
「ん」
「まあ、なんてことなの、あきひとちゃん、だめよ」
ぷうっと頬を膨らませ、手を伸ばして俺の額をぺとぺと触る。
「あっついよ。講義受けてる場合じゃないんじゃない?」
「今日、出なきゃじゃなかったっけ。あれ、小テストかなんかある」
「あれね、今日休講になってたよ」
「…は?」
早く言えよ。教室の前まで来ただろうが。
「…まじ?」
「うん」
じっと見つめると、だんだん照れてきたのか上目遣いででれでれする広樹に、具合が悪くなる気配を感じる。
「あっくんさぁ、おめめがとってもしゅっとしてるから、マスクで下が隠れてるとそれが強調されちゃってちょっとしたフェロモン凶器だよ」
フェロモン凶器って何。
「………休講かどうか、なつめに聞く」
携帯を取り出す。
「ええー!ちょっとひどくなぁい?信用できないっていうの?」
「お前は本能的に信用できない」
「ひどいぃ!あっくんの大事なたった一人のプレシャス広樹なのに!」
「あ、なつめ」
『彰人くん?あれ、どうしたの、声おかしいね』
「風邪」
『あらら…大丈夫?』
「うん。今日さ、統計休講?」
『うん。休講になってたはず。さっきサイト見たけど。だから今、僕たちもどうしよっかって話してたところ』
「そっか。俺は帰ろうかな」
『うん。それがいいね。お大事にね』
「おう。さんきゅ」
なつめの声はどうしてあんなに優しいんだろう。体が弱っている時はなおさら染み入る。
「あー。なつめに会いてえな」
創樹はもっとなつめを大事にすべきだ。
「……あっくん」
「あー…なつめ…なつめに看病されたい…」
「あっくん!やだ!俺が!オレオレオレオレオレがいるでしょ!」
「なんなの…うるせ…」
「帰ろう、ね、あっくん、何食べたい?」
「………お前が作ったもの以外ならなんでも」
「しどい!」
本格的に頭がガンガンしてきたので、広樹に付き添われながらふらふらと帰宅した。
「お熱測ってね、はい」
渡された体温計を脇に挟みながら、悪寒のする体を毛布に埋める。
「…寒」
「あぁ、あっくん…大丈夫?かわいそうに…」
熱い手がそっと額に触れてくる。
「気持ちいい…」
ふふ、と笑う声になんとなく安心して、ぼんやりと目を閉じる。
「ご飯作って来るからね」
「…お前…料理なんか、できねえだろ…」
「大丈夫。心配しないで、寝てて」
むちゅ、と音をたてて俺の頬にキスをすると、広樹はベッドを離れて行った。
いい気持ちで寝ていたのに、がっしゃーんというものすごい音で起こされる。
「…あいつ…」
イラッとしながら重い体を起こし、その辺にあったコートを被って寒気を我慢し寝室を出た。
目に飛び込んできたのは、キッチンの床に粉々に散らばった何かの破片と、その中に佇む広樹。
床に落とされていた広樹の視線がゆっくり、こちらへ向けられる。
「あっくん…ごめんなさい…」
泣き声で言う広樹の瞳は、今にも涙が落ちそうなほど潤んでいる。それを見ると、怒る気も失せた。
「これは…どーしたの広樹ちゃん…」
「ちゃん付け…!あのね、おかゆ作ろうと思ったの。それで、土鍋出したら割れた…」
「…料理以前の問題じゃないすか…」
「うん…ごめん……」
しょげかえっている広樹に近づいて、破片を踏まないようにさせて手を引いた。
ちょん、と破片を飛び越えて俺にしがみつく広樹が暖かくてそのままベッドに戻って座り、抱っこする。
「お前キッチン立つなよ…前もなんか割ったじゃねえか」
「そうだけど…あっくんになんか、食べさせたくて」
もじもじしながら見上げる目にドキッとする。
「あー…動悸が」
「えっ、大丈夫?熱で?」
「お前のせいかもね」
額にキスする。
「何もしなくていいから、添い寝して」
落ち込んでいる広樹に言ったら、感極まったような顔で首に抱きついてくる。
よしよし。かわいいな。
「あっくん…」
「ん」
「えへ…勃ったよ」
「えへ」
…じゃねえ!
「…ふざっけんなよお前…」
一気に気が抜けて後ろに倒れこむ。
もう…寝かせてくれ…。寒い…。
「あーっあっくんだめ、寝ないで、一発ヤってからにして!」
「ばかかよほんとおまえいっかいしねよ」
「あっくん!あっくんたらぁ!」
「はいはい無理無理今日は絶対無理。ばかじゃねえの。熱あるっつってんだろおやすみなさいご苦労様でした」
「そんな!困ります!」
「俺の方が困りますぅ…すぅー……スー……」
「寝ちゃダメ!あっくん!ねえ、立ちバックか駅弁して!」
「はっ?ぐはっごほっ意味わかんね!なんでよりによってそんな疲れる体位なんだよ!ここはせめて騎乗位だろうが!」
「いやだぁ!寝ないで!間を取って正常位でしてよぉ!」
「正常位が間であることを詳しく説明しろ」
もう!と言いながら広樹は一度離れ、スポーンと服を脱ぎ、全裸になって再度抱きついてきた。
「ねえ、ほら、暖かいでしょ?だから…ね?」
「…もう…お前…ほんとやだ…お前やだ……」
「あっくんの、ぺろぺろしたいぃ…」
もそもそと俺の前を寛げる広樹に、もう抵抗をする気力もない。されるがままだ。
「ああ…広樹に凌辱される…」
「たまにはそういうのもいいねぇ、うふふふ」
「ちょっと、寒いから早く暖めて」
「うん。がんばるねっ」
ちゅるちゅると音をたててしゃぶられ始めたら、どんどん体が温かくなってきた。
「あー……は…」
「んっ、んちゅ、あっくん…」
「…もっと…先っぽ舐めて」
「うん…ん…んく…ん、んん」
「喉突いていい?」
「ん、だめぇ」
「なんで。…もっと奥まで咥えて」
「くるしいから…やぁ…ぐぅ…ん…ふ…」
「あー…喉締めて…おらもっとちゃんと咥えろよ」
「う…う、うぐ、んん、ん、んふ」
「…で、体位は何がいいって?」
「んんっ、んう、あ、あふ、」
「はは…すげえよだれ出てる」
「くるし…ん…」
「かわいいよ」
意地悪しすぎたかと1ミリくらい反省して、苦しさから涙目になった広樹を抱き上げる。
「どうしてほしいの」
「…立ちバックがいいの…」
「カーテン開けるから窓に手つけよ」
「いやん…見えちゃう…」
「うるせ」
広樹の上半身だけをカーテンのあちら側に出す。
「あんまりかわいい顔晒すなよ」
「あん、無理っ、あっくん、見えちゃう!人が…」
「いいって、ほら、挿れてやるからがんばれよ」
「むりぃ!ああぁん!…く、ああ…うん…ん、んん」
必死に声を我慢している広樹の後ろから思いっきり突っ込んで一気に奥を突く。
「っんん!……う…ん、ん、っ、ん」
「あー…すげー…あったかい…」
腰を回して限界まで深く。
「んあ…あっくん……ひ…うう…」
「なー、かわいいな、お前。つかまじ寒いから。さっさと終わらそうな」
「いやだぁ…あ…!あんっあん、あん、あん、あん、っ、あ」
腰を鷲づかみにしてぱんぱん音が鳴るくらい腰をぶつけると、広樹の軽い体はがくがく揺れた。
「さむー」
「いやぁ!だめ、だめっ………」
急に静かになったと思ったら、外を人が歩いていたらしい。
「恥ずかしいの?お前そんな感覚あんの?」
「っ、く…あるぅ…」
一生懸命我慢している広樹を見て興奮した。
「はー…やべえ」
「あっくん…いやぁん…」
出し入れをしながらべちべちと白いケツを叩いてやる。
「きゃあ…っ、あ、ああ…ん…ん、んく…う…」
「あっちい。汗かく…な、気持ちいい?」
「すっごくいいよぉ、たくさんして、ね」
「中出ししていい?」
「やあ…だめっ、んん、あん、あ、」
後ろから覗き込むと、広樹のペニスがガン勃ちで濡れ濡れだった。
握って扱く。
「いやっ、だめ、だめ、あっくん、イっちゃうからぁ!」
疲れてきたのでベッドにぶっ倒して上から覆いかぶさった。
「あっくん、あつい、すごい、ああっ」
「俺は、寒い」
「きちゃうぅ、だめえ!あああ!」
「…ん……あ……」
射精したら、一気に体力の限界が来た。俯せでぐったりしている広樹の横に倒れこんで、即毛布をかぶる。
「死ぬ」
「え!あっくんだめ、死んじゃだめ!」
「…つかれた……」
眠りに落ちる寸前、広樹の手が頭を優しく撫でたのがわかった。
「あっくん…俺、風邪ひいたぁ…」
次の日、ずびずびと鼻を鳴らしながら俺のベッドから出られないでいる広樹を見下ろす。
すっかり体調の戻った俺は、自分の流されやすさにため息をついて、広樹の頭を撫でてやった。
-end-
2014.11.5