大きな声では言わないけど
25 創樹とかんざし
夏も盛りは過ぎているのに、まだまだ暑い。
創樹くんの部屋で課題をやっていたら、創樹くんがあくびをした。
「眠い?」
「少し。夜クーラー止めたら寝苦しくて寝不足」
そう言う創樹くんは、あまり汗をかかない。涼しげな顔でパソコンに向かっている。
「何してるの?レポート?」
「レポートはもう終わった」
「え!珍しい!」
「殺すぞ」
「黙ります」
「買い物してんの」
「買い物?」
ディスプレイを覗き込んで、絶句。
「買い物って…これは……」
「なっちゃんのお洋服よ」
語尾にハートをつけて言う創樹くんが見ていたのは、フリフリがついた女性用下着だった。
「僕…いらないけどね…特には…」
「またまた。ご謙遜を。お前の太もも綺麗だからガーターベルトとかどう?」
「創樹くん、僕、普通に、」
「無理じゃね。お前普通じゃねえし。おかしいし。頭」
ひどい。
「でももう、ほら、たくさんあるし。ね?この間だって秋に向けてダークカラーのショートパンツとふんわりニットのセットを買ったでしょ?これ以上増やさなくても、ね?」
「無理」
一言で否定された直後、家のチャイムが鳴った。
創樹くんが素早い動作で部屋を出て階段を降りていく。
すぐに戻った創樹くんは、そこそこ大きな箱を抱えていた。
「何?それ」
「浴衣」
「浴衣?創樹くん、浴衣着るの?」
「今日、祭があんだろ」
「うん」
「一緒に行こうぜ」
かわいいなぁ。もはやこの世のものとは思えないよ。
惚れ惚れしていると、彼は箱を開けた。
「ほら」
自慢げに持ち上げられた浴衣を見て、僕は全てを悟る。
「それは……僕のだ」
「そう!よくわかったねなっちゃん偉いねー」
創樹くんの棒読みも気にならないほどうちひしがれる。
どこからどう見ても、女の子の浴衣だ。
「創樹くん、さすがにそれは!」
「さすがにかわいすぎてぐうの音も出ない?」
「お祭りみたいな人出の多い場所で!」
「着て歩いて興奮したい?そうかそうか」
「知り合いに会ったら!」
「ああ、恥ずかしがってるお前の顔想像したらやべえな。ちょっと好きになりそう」
「…うう……今は……?」
創樹くんは僕のあごを片手で固定して顔を近づけた。息がかかる距離で言う。
「好き。なつめ」
それで、ちゅっとキスをされたりしたものだから、僕はもう抗おうなんて微塵も思わない。うん。仕方ない。
だって、幸せだもの。
「創樹くん、僕も好きだよ」
真剣に告白してしまった僕の目の前に、淡い地に花柄の浴衣、深い藍色の帯、茶色に紺の鼻緒の草履とお揃いの紺色のバッグが次々に出てくる。
「小物まで?これ、結構お金かかるでしょ…」
「バイト代ほとんどお前の服代に消えるんだけど」
「間違ってる!間違ってるよ!」
「あー、我ながら恋人に貢ぎすぎじゃね。健気な俺」
「そうですか…」
まあいいや。創樹くんが楽しいなら。
「でも浴衣の着付けとか、どうしたらいいんだろう」
「動画で検索したら出てきたから勉強しといた」
どうして大学の勉強にその熱意を向けないんだろう!とは死んでも言えない。
「着せてやるから、脱げよ」
うん、と言って脱ぐしかない僕の運命。
「下着も替えろよ」
「あ、やっぱり」
「紫の、レースのやつ」
「あの派手なやつね」
もう僕用のチェストにどんな下着があるか覚えてしまって悲しい。
「わぁすてき。なっちゃんやべえ」
「髪のまとめ方まで勉強したんだね」
「かんざし挿そうぜ」
着せてくれた創樹くんが、ちょっと離れて僕を見て、言葉と裏腹にニヒルに笑った。
「かんざしまで買って…」
「さ。行くか」
「え、あ、待って創樹くん、あ、歩きづらい…」
「かわいいなつめ。大好きだわ」
「よし。行こっか」
「どこでヤる?」
「前提?!」
「ヤることになるに決まってんだろ、お前変態なんだから」
言いながら先に立って玄関を出た創樹くんを見て、外に出る覚悟を決める。
どうか知り合いには会いませんように…。
出店が並ぶ中を歩く。ソースが焦げる匂いや焼鳥が焼ける匂いに誘われて動く人の波。
なるべく目立たないようにと身を縮ませているけど、すれ違う人がたまに凝視してきていたたまれない。
「恥ずかしい……」
「勃起した?」
「むしろ縮こまってるよ」
「なんで?変態のくせに」
「ねえ創樹くん、僕、創樹くんと2人になりたい」
恥ずかしさとぞうりの鼻緒の食い込みが限界を迎えて、思わず隣を歩く創樹くんの手を取った。
「ヤりてえって素直に言えば」
「違うよ」
「俺はちょっとムラムラしてんだけど」
僕をちらっと見上げた目は冷たくて、ぞくりと震える。
「公園の方行くぞ」
「うん」
僕は顔を伏せながら、創樹くんについて歩いた。
巾着型のバッグについた鈴がちりりと鳴った。
公園には木のベンチがあって、その奥の草むらの向こうにもいくつかベンチが見えた。
「なあ、お前見ててすげえヤバかった」
「何が?」
「ほら、さわれよ」
「あっ、創樹くん…すごい…硬い…」
ベンチに座らされて、創樹くんが僕を跨ぐように向かい合う。
「お前、本格的に男の娘として仕事でもすれば?ぜってえ売れる」
「何言ってるの、そんなのダメだよ」
「なんで?常に勃起しちゃうから?」
「そんなわけないでしょ…」
僕が女装するのは創樹くんのためなのに。
「何。キレたの?」
創樹くんが、ニヤニヤしながら僕の股間に股間を擦り付ける。ゆっくり、腰を回すようにして。
「怒ってないけど…」
「なんだよ」
創樹くんをぎゅっと抱く。
「こんな格好、創樹くんのためにしかしたくないよ」
「ふん」
「好きだよ、創樹くん」
耳や頬にキスをする。
「すごく、好きだ。狂いそう」
囁いて、またキスをする。
「もう狂ってんじゃん」
そう言って笑う創樹くんのためなら、困ったことに、何だってできちゃうよ。
「浴衣の下の方開いてちんこ出せ」
「え、うん…」
そんな命令にだって従ってしまう。嬉々として。
いやべつに変態だからとか興奮するからとかそんなわけじゃ
「あれ?」
「うわ、お前もガチガチじゃねえか。やっぱ変態。さすがだな」
「ち、違うよ、創樹くんがえっちな腰の動きするから…」
「顔赤くしてんじゃねえよ変態」
創樹くんが地面に降りて、紫のレースのパンツからはみ出た僕のを指で弾く。それからしゃがんでくわえた。
「ああっ」
創樹くんは本当にフェラがうまい。一気に理性がフライアウェイだ。
「は、すごい……えっちな音、聞こえちゃうよ…」
「いっそ見てもらえよ、お前のこのひどい格好」
「だめ、見ちゃだめ…あ、どうしよ…ね、出ちゃうよ、創樹くん、早く、早くいれたい…」
僕の情けない声を聞いて、創樹くんはまた僕に跨がる。
「キスしてやるから解せ」
「うん」
熱くてえっちなキスをしてもらいながら、創樹くんの後ろを指で拡げていく。
「んっ…ふ、」
「ああっなつ、なつ…」
「創樹くん……うわっ」
「痛くしてやるからもっとがんばれよ」
「あ、っい、いたい…」
下唇をまあまあの強さで噛まれる。
「お前、唇プリプリだな」
「そうかな」
「女みてえ」
「そう…?」
ちょっと恥ずかしくて興奮してしまった。
「でもなっちゃんは男の子」
言いながら創樹くんが僕のものを掴んで扱いた。
「あっ、う」
「ちんこ生えてるし」
「うん…」
「なつめ」
かわいい顔で僕を呼ぶ。
「挿して…奥まで」
少しだけ甘えたような声で言われて、我慢汁がちょっと出てしまった。
「あっ、うん、なにそれ、かわいいよ創樹くん、びっくりしてイっちゃうとこだったよ」
いそいそと創樹くんを抱っこして、爆発寸前のものの上に下ろす。
「ああっん…」
「あぁ、創樹くん…すごい…っ」
「お前浴衣、来年も着ろ」
「うん、わかったよ」
来年も一緒に。
思ったらぐぐっと腰が動いてしまった。
「ああっ!なつめ…!」
創樹くんがかわいい声で鳴いた次の瞬間。
「…何か声聞こえた?」
草むらの向こうからなんだか高い声が聞こえた気がした。
「お前の女装セックス浴衣バージョン、誰かに見られたかもな」
「えっ」
「誰かがお前見ながらオナってたりして」
「そんなわけないよ、僕だったら絶対、創樹くんを見ながらオナ…いやいや外ではしませんけどね」
「今の状況わかってんの、外でヤってんだぞ」
創樹くんがにやっと笑いながら腰を回す。
「ああっ」
「すげえ、深い…」
「う、動いていい?」
少し笑って僕をじっと見た創樹にイエスの返事をもらえたと思った僕は、下から思いきり突き上げた。
「はぁっ」
「あっ、創樹くん、いっ、いいよ、かわいい、っ、かわいいよ、大好き」
「あっ、あっ、ん、」
浴衣がどんどんはだけていく。
創樹くんが僕の肩に掴まって、そのまま浴衣の衿を横に引っ張った。
「あっ、ダメっ、脱げちゃう」
「ブラが」
「だめ、だめだってば」
「んっ、あっ、なつめ」
「見えちゃう、から、創樹くん、だめっ」
ブラもずらされて、乳首が外気に晒されてしまった。
「変態」
「ごめん」
「うあっ、なつ…」
「イっ、イく」
「は、早いって」
「そ、創樹くん、出る、」
腕で創樹くんを支えてスパートをかける。
「やべ、っ」
「うっ」
かわいいかわいい顔を見つめながら抜いて白いものを吐き出すと、創樹くんのが浴衣にかかった。
「うわ、汚ねえ。お前と並んで歩きたくねえな」
「ひどい」
そんなことを言いながらも、僕が抱き締めると創樹くんも抱き返してくれた。
帰り道を歩いていると、後ろから名前を呼ばれて心臓が止まりそうになった。
「広樹くん、彰人くん…」
挙動不審でキョロキョロしていたら、なぜか彰人くんも広樹くんも僕の浴衣を誉めてくれた。
違和感とか…ないのかしら…。
創樹くんの顔をそっと窺うと、全てを見透かしたような目で見返されて、もう何でも命令してほしい、どんなことでも従ってしまいたいという強い衝動が沸き上がった。
創樹くんにからかわれ、彰人くんに誉められ、広樹くんに「なっつ殺す。なつコロ」となじられ。
楽しくて、とても幸せな、夏です。
-end-
2013.9.7
夏も盛りは過ぎているのに、まだまだ暑い。
創樹くんの部屋で課題をやっていたら、創樹くんがあくびをした。
「眠い?」
「少し。夜クーラー止めたら寝苦しくて寝不足」
そう言う創樹くんは、あまり汗をかかない。涼しげな顔でパソコンに向かっている。
「何してるの?レポート?」
「レポートはもう終わった」
「え!珍しい!」
「殺すぞ」
「黙ります」
「買い物してんの」
「買い物?」
ディスプレイを覗き込んで、絶句。
「買い物って…これは……」
「なっちゃんのお洋服よ」
語尾にハートをつけて言う創樹くんが見ていたのは、フリフリがついた女性用下着だった。
「僕…いらないけどね…特には…」
「またまた。ご謙遜を。お前の太もも綺麗だからガーターベルトとかどう?」
「創樹くん、僕、普通に、」
「無理じゃね。お前普通じゃねえし。おかしいし。頭」
ひどい。
「でももう、ほら、たくさんあるし。ね?この間だって秋に向けてダークカラーのショートパンツとふんわりニットのセットを買ったでしょ?これ以上増やさなくても、ね?」
「無理」
一言で否定された直後、家のチャイムが鳴った。
創樹くんが素早い動作で部屋を出て階段を降りていく。
すぐに戻った創樹くんは、そこそこ大きな箱を抱えていた。
「何?それ」
「浴衣」
「浴衣?創樹くん、浴衣着るの?」
「今日、祭があんだろ」
「うん」
「一緒に行こうぜ」
かわいいなぁ。もはやこの世のものとは思えないよ。
惚れ惚れしていると、彼は箱を開けた。
「ほら」
自慢げに持ち上げられた浴衣を見て、僕は全てを悟る。
「それは……僕のだ」
「そう!よくわかったねなっちゃん偉いねー」
創樹くんの棒読みも気にならないほどうちひしがれる。
どこからどう見ても、女の子の浴衣だ。
「創樹くん、さすがにそれは!」
「さすがにかわいすぎてぐうの音も出ない?」
「お祭りみたいな人出の多い場所で!」
「着て歩いて興奮したい?そうかそうか」
「知り合いに会ったら!」
「ああ、恥ずかしがってるお前の顔想像したらやべえな。ちょっと好きになりそう」
「…うう……今は……?」
創樹くんは僕のあごを片手で固定して顔を近づけた。息がかかる距離で言う。
「好き。なつめ」
それで、ちゅっとキスをされたりしたものだから、僕はもう抗おうなんて微塵も思わない。うん。仕方ない。
だって、幸せだもの。
「創樹くん、僕も好きだよ」
真剣に告白してしまった僕の目の前に、淡い地に花柄の浴衣、深い藍色の帯、茶色に紺の鼻緒の草履とお揃いの紺色のバッグが次々に出てくる。
「小物まで?これ、結構お金かかるでしょ…」
「バイト代ほとんどお前の服代に消えるんだけど」
「間違ってる!間違ってるよ!」
「あー、我ながら恋人に貢ぎすぎじゃね。健気な俺」
「そうですか…」
まあいいや。創樹くんが楽しいなら。
「でも浴衣の着付けとか、どうしたらいいんだろう」
「動画で検索したら出てきたから勉強しといた」
どうして大学の勉強にその熱意を向けないんだろう!とは死んでも言えない。
「着せてやるから、脱げよ」
うん、と言って脱ぐしかない僕の運命。
「下着も替えろよ」
「あ、やっぱり」
「紫の、レースのやつ」
「あの派手なやつね」
もう僕用のチェストにどんな下着があるか覚えてしまって悲しい。
「わぁすてき。なっちゃんやべえ」
「髪のまとめ方まで勉強したんだね」
「かんざし挿そうぜ」
着せてくれた創樹くんが、ちょっと離れて僕を見て、言葉と裏腹にニヒルに笑った。
「かんざしまで買って…」
「さ。行くか」
「え、あ、待って創樹くん、あ、歩きづらい…」
「かわいいなつめ。大好きだわ」
「よし。行こっか」
「どこでヤる?」
「前提?!」
「ヤることになるに決まってんだろ、お前変態なんだから」
言いながら先に立って玄関を出た創樹くんを見て、外に出る覚悟を決める。
どうか知り合いには会いませんように…。
出店が並ぶ中を歩く。ソースが焦げる匂いや焼鳥が焼ける匂いに誘われて動く人の波。
なるべく目立たないようにと身を縮ませているけど、すれ違う人がたまに凝視してきていたたまれない。
「恥ずかしい……」
「勃起した?」
「むしろ縮こまってるよ」
「なんで?変態のくせに」
「ねえ創樹くん、僕、創樹くんと2人になりたい」
恥ずかしさとぞうりの鼻緒の食い込みが限界を迎えて、思わず隣を歩く創樹くんの手を取った。
「ヤりてえって素直に言えば」
「違うよ」
「俺はちょっとムラムラしてんだけど」
僕をちらっと見上げた目は冷たくて、ぞくりと震える。
「公園の方行くぞ」
「うん」
僕は顔を伏せながら、創樹くんについて歩いた。
巾着型のバッグについた鈴がちりりと鳴った。
公園には木のベンチがあって、その奥の草むらの向こうにもいくつかベンチが見えた。
「なあ、お前見ててすげえヤバかった」
「何が?」
「ほら、さわれよ」
「あっ、創樹くん…すごい…硬い…」
ベンチに座らされて、創樹くんが僕を跨ぐように向かい合う。
「お前、本格的に男の娘として仕事でもすれば?ぜってえ売れる」
「何言ってるの、そんなのダメだよ」
「なんで?常に勃起しちゃうから?」
「そんなわけないでしょ…」
僕が女装するのは創樹くんのためなのに。
「何。キレたの?」
創樹くんが、ニヤニヤしながら僕の股間に股間を擦り付ける。ゆっくり、腰を回すようにして。
「怒ってないけど…」
「なんだよ」
創樹くんをぎゅっと抱く。
「こんな格好、創樹くんのためにしかしたくないよ」
「ふん」
「好きだよ、創樹くん」
耳や頬にキスをする。
「すごく、好きだ。狂いそう」
囁いて、またキスをする。
「もう狂ってんじゃん」
そう言って笑う創樹くんのためなら、困ったことに、何だってできちゃうよ。
「浴衣の下の方開いてちんこ出せ」
「え、うん…」
そんな命令にだって従ってしまう。嬉々として。
いやべつに変態だからとか興奮するからとかそんなわけじゃ
「あれ?」
「うわ、お前もガチガチじゃねえか。やっぱ変態。さすがだな」
「ち、違うよ、創樹くんがえっちな腰の動きするから…」
「顔赤くしてんじゃねえよ変態」
創樹くんが地面に降りて、紫のレースのパンツからはみ出た僕のを指で弾く。それからしゃがんでくわえた。
「ああっ」
創樹くんは本当にフェラがうまい。一気に理性がフライアウェイだ。
「は、すごい……えっちな音、聞こえちゃうよ…」
「いっそ見てもらえよ、お前のこのひどい格好」
「だめ、見ちゃだめ…あ、どうしよ…ね、出ちゃうよ、創樹くん、早く、早くいれたい…」
僕の情けない声を聞いて、創樹くんはまた僕に跨がる。
「キスしてやるから解せ」
「うん」
熱くてえっちなキスをしてもらいながら、創樹くんの後ろを指で拡げていく。
「んっ…ふ、」
「ああっなつ、なつ…」
「創樹くん……うわっ」
「痛くしてやるからもっとがんばれよ」
「あ、っい、いたい…」
下唇をまあまあの強さで噛まれる。
「お前、唇プリプリだな」
「そうかな」
「女みてえ」
「そう…?」
ちょっと恥ずかしくて興奮してしまった。
「でもなっちゃんは男の子」
言いながら創樹くんが僕のものを掴んで扱いた。
「あっ、う」
「ちんこ生えてるし」
「うん…」
「なつめ」
かわいい顔で僕を呼ぶ。
「挿して…奥まで」
少しだけ甘えたような声で言われて、我慢汁がちょっと出てしまった。
「あっ、うん、なにそれ、かわいいよ創樹くん、びっくりしてイっちゃうとこだったよ」
いそいそと創樹くんを抱っこして、爆発寸前のものの上に下ろす。
「ああっん…」
「あぁ、創樹くん…すごい…っ」
「お前浴衣、来年も着ろ」
「うん、わかったよ」
来年も一緒に。
思ったらぐぐっと腰が動いてしまった。
「ああっ!なつめ…!」
創樹くんがかわいい声で鳴いた次の瞬間。
「…何か声聞こえた?」
草むらの向こうからなんだか高い声が聞こえた気がした。
「お前の女装セックス浴衣バージョン、誰かに見られたかもな」
「えっ」
「誰かがお前見ながらオナってたりして」
「そんなわけないよ、僕だったら絶対、創樹くんを見ながらオナ…いやいや外ではしませんけどね」
「今の状況わかってんの、外でヤってんだぞ」
創樹くんがにやっと笑いながら腰を回す。
「ああっ」
「すげえ、深い…」
「う、動いていい?」
少し笑って僕をじっと見た創樹にイエスの返事をもらえたと思った僕は、下から思いきり突き上げた。
「はぁっ」
「あっ、創樹くん、いっ、いいよ、かわいい、っ、かわいいよ、大好き」
「あっ、あっ、ん、」
浴衣がどんどんはだけていく。
創樹くんが僕の肩に掴まって、そのまま浴衣の衿を横に引っ張った。
「あっ、ダメっ、脱げちゃう」
「ブラが」
「だめ、だめだってば」
「んっ、あっ、なつめ」
「見えちゃう、から、創樹くん、だめっ」
ブラもずらされて、乳首が外気に晒されてしまった。
「変態」
「ごめん」
「うあっ、なつ…」
「イっ、イく」
「は、早いって」
「そ、創樹くん、出る、」
腕で創樹くんを支えてスパートをかける。
「やべ、っ」
「うっ」
かわいいかわいい顔を見つめながら抜いて白いものを吐き出すと、創樹くんのが浴衣にかかった。
「うわ、汚ねえ。お前と並んで歩きたくねえな」
「ひどい」
そんなことを言いながらも、僕が抱き締めると創樹くんも抱き返してくれた。
帰り道を歩いていると、後ろから名前を呼ばれて心臓が止まりそうになった。
「広樹くん、彰人くん…」
挙動不審でキョロキョロしていたら、なぜか彰人くんも広樹くんも僕の浴衣を誉めてくれた。
違和感とか…ないのかしら…。
創樹くんの顔をそっと窺うと、全てを見透かしたような目で見返されて、もう何でも命令してほしい、どんなことでも従ってしまいたいという強い衝動が沸き上がった。
創樹くんにからかわれ、彰人くんに誉められ、広樹くんに「なっつ殺す。なつコロ」となじられ。
楽しくて、とても幸せな、夏です。
-end-
2013.9.7