大きな声では言わないけど

11 広樹の研究



「失礼します」
「しまぁす」
「…あれ?いねぇな」
「カギは開いてるのにね。トイレ?」

あっくんと俺は、ゼミの先生に呼ばれて研究室に来た。
呼ばれたのにいない。
個室に、あっくんと2人きり。

「あっくん。勃った」
「そうなんだ。じゃあ俺行くわ」
「ちょちょちょー!いつもと違う!もっと死ねとか言ってよ!」
「付き合ってられっか」
「やだぁ、あっくん、流さないでぇ、つっこんでぇっ」

抱きついて股間を押し付けたらあっくんがあからさまにため息をついた。

「お前、もっと他に考えることないのか」
「なにが?」

見上げると、整った顔があきれ顔でこちらを見ている。

「いろいろあんだろ。単位のこととか、将来のこととか」
「将来はあっくんのお嫁さん…で、いいよね?」

目をできるだけうるうるさせて見上げたら、あっくんが目を逸らした。
よし!俺のターン!

「ね…俺のこと好き?ずっと一緒だよね?」

上目遣いは便利だ。
最近あざといってよく言われる。誉め言葉ってことでいいよね。

「…っ、いいからもう出るぞ」

ごくって喉が鳴ったのが聞こえた。
本当は抱きたいくせに!こういうストイックなとこも好き。

「させるか!」

俺は先回りをしてドアに鍵をかけた。

「ばか、お前先生帰ってきたら、」
「だから早くしよ?ね?」

俺はあっくんの手を素早く自分の服の裾から胸へ持っていき、乳首に触れさせた。

「あっん…ちくびも勃っちゃう、んふ」

あっくんの顔を見上げながら恥ずかしそうに笑ったら、あっくんの目がぎらりって光った。







「ほら、早くしろ」
「あっ、ん…待って、やあっ」
「先生帰ってくんぞ、おら」
「やん!きもちぃ」

俺は先生の机に座らされて後ろに片手をつき、足を限界まで開かされてぺニスを晒している。
あっくんは俺の乳首をつねったり舐めたり摘まんだり噛んだり引っ掻いたりしている。

「もうっ、もういいよあっくん、あっんん、挿れて?」
「まだ狭いんじゃねぇの」
「いいの!あぅ、もうほしいもん…」
「狭すぎると俺が痛えんだよ」
「もう、…あっくんのがおっきいから、だよ、うふ」

自分で解せって言われたから、指を穴に突っ込んでぐじゅぐじゅにして、早く早くって言うのにあっくんが全然挿れてくれない。
先生ほんとごめん。机が汚れる、俺たちの愛で。

「ん…先生、戻って来ちゃうよ」
「仕方ねぇな」

あっくんが体を起こしてデニムのファスナーをゆっくり下げる。

「あっ、あっくんもう、いじわる、早くぅっ」
「うるせぇな。広樹はがまんができない悪い子だなー」
「んっや、早く、早くほしい…あっくん…」

悪そうな顔で笑ってあっくんがぺニスを取り出して、なんかゆっくり扱いてる。それ見ただけでもう意識が飛びそう。

「…ほしい?」
「ほしいよぉ、早く、はぁ、ほんとに先生が…ねぇあっくん、」

て言ったところで、こんこん、とノックの音が聞こえた。びっくりしすぎてちょっと体が浮いた。あっくんもドアの方を見てる。
続いてドアノブをカチャって回す音。ザマァ!鍵かかってるけどな!

「あれ?いないのかな」

誰かの声がした次の瞬間、熱くて大きいものが俺を貫いた。

「ぁぐっ!!!!」

必死で声を抑えてとてつもない快感をやり過ごす。やり過ごした…と思ったら出てた。イってた。死にたい。
目の前のあっくんの顔がこれ以上ないくらい悪どい笑みを浮かべている。それにすら喘ぎそうで、親指の付け根を噛んだ。

「なんか声しなかった?」
「うん…聞こえた気がするけど」

もう一度ノックの音が響いたのを合図にしたかのように、あっくんがピストンをし始める。
こらこらこらこら…!

「っ…ん……ぅ……う゛…!」

あっくんひどいもうもっとして!
できる限り声を殺すけどもう死にそう。気持ちよくて死にそう。

「絶対、声出すなよ」
「っん゛」

耳元で甘い声で囁かれて、危なく叫ぶとこだった。
すごい勢いで出し挿れされて、あっくんの腰が俺のお尻にガンガンぶつかる。あっくんが興奮してるのがわかる。
声抑えても意味ないくらい机がガタガタしてるからやばいってこれちょっと軽い地震レベル。

「なんか音する?」
「…コピー機かなんかじゃないの?またあとで来よう」

外の誰かが帰りかけて俺は少しほっとして、噛んでた手を下ろした。その途端、あっくんが乳首に噛みついた。

「ああっ!」

あっやば。出た、声。
外の足音は一回止まったけど、結局そのまま遠ざかって行った。

「っや、あっくんのばかぁ、恥ずかしいのにっん、ぁん」
「興奮したくせに」
「だってっ、きもちぃ、あっくんのきもちぃの」

あっくんの動きに合わせて俺も腰を浮かせて、奥まで誘い込む。

「あっあ、あ、あ、や、あっ」

パンパンパンパンと規則的な音が研究室に響く。本棚とか古いコピー機とか電話とかコーヒーメーカーとか書類の束とか、見ず知らずの普通のものたちに囲まれてするえっちにすっごく興奮した。

「あっふ、あっく、あ、ぅ、出るっ」
「一回、っ、出したくせに」
「らって、やんっあ、ほんとにもう、あ、あ、あっ、」
「く、俺も出そう…」
「っあ、あっく、の、なかに、だして、せーしらしてぇっ!」
「広樹、」
「あ、あ、やば、もぅ、あー、」

プルルルルル
近くにあった備え付けの電話が突然鳴り出して、びっくりしてまた俺は少し浮いて、その弾みに穴がすっごい締まっちゃったみたい。

「っいっ、うっ」
「あ゛っ!あっくん!や、あ、ああっ…」

あっくんが俺の腰に思いっきり爪たてて射精して、それにやられて俺も出しちゃった。

「はぁーっ…あぁ…」
「余韻に浸ってる暇ねぇぞ。机拭け」

あっくんは抱きついてた俺を剥がして素早く身支度を整える。

「ん…何使って?」
「お前Tシャツ着てるじゃん」
「おぉぉおぅ、これは一応洋服でですね、これ脱いだらあのぅ、上裸なんですが」

あっくんはコーヒーメーカーのとこにあったきれいな布巾を持ってきて、それで机と床を拭いてから俺の下半身を雑にぬぐった。

「あっくん!俺の扱い!」
「いいからほら早くしろ」

のろのろしてる俺の体を支えて下を履かせてくれるあっくんまじイケメン。

「ねぇちゅーして?」
「うるせ」
「やだやだやだちゅーしてあっくん!」

研究室を出る前にねだると、俺の頭を引き寄せておでこにちゅーをしてくれた。おでこだったけど。
でも優しいあっくん大好き。
廊下に出たら丁度先生が帰ってきた。あっぶなーいセーフ。

「おう、すまんな。待ってた?」
「いえ、大丈夫です」
「あれ?それどうした?」

やばい、布巾持ってるのバレた。

「こいつが先生の研究室ハアハアとか言ってよだれ垂らしまくったので借りました。今度新しいの持ってきます」

あっくんの棒読みの言い訳はアウト。





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