みんな大好き木野せんせー!

よっし。英語、自習になった。

「新美(にいみ)どこ行くの?」
「トイレー」

荒木の問いかけに適当に返事をして教室を出た。
うちのクラス以外は授業中だから、当たり前だけど廊下は静か。
木野っち、書道教室に居るかなー。
授業中じゃないといいな。



「しつれーしまーす」

そっと引き戸を開けると、書道教室は空だった。

「あれ、居ねえのか」
「誰?」

声がした方を振り向くと、隣の小部屋に続く扉が開いて木野っちが顔を出していた。

「新美?どうした?お前授業は?」
「佐藤のジジイ、自習」
「英語か。ダメだろ、教室戻りなさい」
「木野っちさぁ」

かわいい小顔を険しくして俺を見ている木野っちへ、一息で距離を詰める。
正面に立つとかなり見下ろさなきゃなんない。ちっちゃい木野っち。

「青戸とヤった?」

小さな声で聞くと、木野っちの顔が青ざめた。
やっぱりな。カマかけただけだけど、思った通りだった。
俺たちとの賭けに負けて木野っちに「ヤらせて」って言いに行き、戻った青戸の様子がおかしくてすぐにピンときた。
男なんて絶対抱けないって言い張ってたから、意外とイけたことでバツが悪かったんだろうな。
それ以来、俺たちが木野っちの話をしても不機嫌な顔で返事を拒むだけだし。
だから言ったじゃん。木野っちはイけるって。

「やべーんじゃねえの?生徒と淫行とか」
「い、淫行って」
「淫行じゃん。セックスしたんでしょ?」

木野っちは、せ、せ、と言いながら今度は顔を赤くした。
かわいいなー。

「俺、繊細だからさー、友達と担任がそんなことになってるなんて知ってまじショックなんですけどー」

わざとらしく眉を下げて言うと、窮地にいるのは自分なのに俺のことを心配そうに見てくる。

「なんか具合も悪いー。頭も痛いー。涙出そう」

元カノと電話してて寝不足だからだけど。

「新美…」

木野っちは俺の下手くそな演技でも信じてしまっている。あらら。

「他の先生に相談した方がいいかなー」
「それは待って!青戸に迷惑かけたくない!」

木野っちは必死な顔をして俺の腕を掴んだ。
なにそれ妬けるんだけど。

「どうすっかなー」
「おねがい新美。青戸にもお前たちと同じだけの未来があるんだよ。わかって」

至近距離で見つめられてお願いされるとか、かなりクる。
あとでもっと別のことお願いさせよう。

「じゃあ木野っち、俺の願いも聞いてくれる?」
「いいよ。なんでもする。青戸のことそっとしといてくれるなら」
「あいつ無関心装って木野っちに取り入ってんじゃねえよクソ」
「え?なに?」
「いや、こっちの話」

机の上にあるいろいろな用具を触るふりをしながら、そっと木野っちの背後に回り込んだ。
下を向いている木野っちを後ろから素早く抑え込む。

「木野っちさー、俺ともヤってよ。できるよね、青戸とできたんだから。これで拒まれたら俺ショックで学校来れなくなるかも」

早口で言うと、木野っちの抵抗は一瞬で終わった。



「あーまじやべえわ、授業中なのにねー」

俺の前に膝をついてフェラしてる頭を撫でてあげると、木野っちは鼻からふうっと息を吐いた。

「青戸にもフェラした?」
「んーん……」

わずかに首を横に振った木野っちに満足して微笑んでしまった。
こんなかわいい人にフェラさせないとか、ねーわ。
わざと腰を引いて、口から出されたペニスを木野っちのほっぺたとか鼻とか唇とかに押し当ててみる。
木野っちはまたくわえようとして、口を開けて一生懸命追ってくる。
ちょーかわいい!なにこれ、なにこの生き物!

「木野っち、セックス依存症なんじゃねえの?これで教師とかウケる」

意地悪したくなって言うと、木野っちは微かに目を潤ませた。

「ほんと……こんなのダメなのに……」
「大丈夫だよ、俺が黙ってればわかんないから。もっかいちゃんとしゃぶって」

我に返っちゃって抵抗するかと思ったら、木野っちは素直に頷いて先っぽを舐めた。
なんなの?
天然だ天然だとは思ってたけど、それに加えて淫乱ちゃんじゃねーか。
青戸もこれにやられたのかなー。

「あーきもちい」

喉の奥に届くように腰を動かすと、苦しそうにはするけどちゃんと舌を動かそうとしてる。

「はは。木野っち顔射していい?」

聞くと、上目遣いで俺を見て、少し迷ったみたいだったけど結局くわえたまま頷いた。
あー。想像してたのの倍エロい。

「先っぽだけくわえて。手で扱いて」

木野っちは言った通りに先っぽを浅くくわえてちゅぽちゅぽしながら、根元の方を手でこすってくれた。

「っまじ、いい……俺これすげえ好きなの。覚えといてね」

もう出そうだったから口から少し離して、扱いていた木野っちの手に手を重ねて力を入れて擦った。
そしたら木野っちは興奮したのか呼吸が荒くなって。そしてさらに。

「ぁ…あぁっ……は…ぁ…」

なんか小さく喘いでるんですけど。

「出る…っ、木野っち、…っあー…やべー」

木野っちの顔がどろどろだ。
もっと塗りつけちゃおう。

「ほらー。すげー出ちゃった。木野っちうまいね」

ペニスで木野っちの顔に精液塗りつけながら、イイコイイコしてあげた。

「あー!なにやってんの新美!」

木野っちがビクッとして教室の入り口を見た。

「邪魔しに来たのかよ」

俺はそっちを見ないで言って、明らかに動揺し出した木野っちの髪を撫でた。

「ずりいぞ!なんで抜け駆けすんの!帰り遅いから探しに来たらこれだし。俺も木野っちとヤりたいのに」

木野っちは突然現れた荒木の言葉に何も言えずにギクリと肩を震わせた。

「まだヤってねーっつーの」
「え?これから?まじか!セーフ」
「まだまだ序盤戦。……そうだよね。木野っち」

服の上から胸をさわさわしたら、あんって小さく声を上げた。
近付いてきた荒木は、木野っちの顔を見て固まった。

「おい新美……お前何したの」
「えー?顔射?」
「……かわいそう」

荒木は床に座り込んで大人しくなってしまった木野っちの傍らにしゃがみこんで、ポケットから出したハンカチで俺の精液を拭いてあげている。

「木野っち大丈夫?あぁあ、前髪にもかかっちゃってるよ。カピカピになっちゃうよね」
「荒木だってしてーだろ、木野っちに顔射」
「いや俺は別に顔射興奮しないし」
「えー、ありえね」

すると、黙っていた木野っちが口を開いた。

「荒木……あのさ……」
「なに?」
「誰にも言わないで……新美は悪くないんだ、俺が頼んだんだよ……」

しばらく木野っちの顔を見つめていた荒木がバッと顔を上げて俺を見た。

「新美、どんな手使って脅したんだよ」
「いやいやー!脅してねーから!ちょー濡れ衣。冤罪事件」
「木野っち、俺のこと信じて。俺、木野っち大好きだから絶対裏切らないよ」
「荒木……ありがと……」
「だから俺も交ぜて」
「……え?」
「えー3Pかよ。俺これから突っ込むからそれ以外の場所使うならいいけどー。ね、木野っち」

木野っちの顔が泣きそうな感じに歪む。
あーたまんね。
どんな声出すかなー。



「あっやめっ…あ……っん」

最高。木野っちやっぱエロい。
木野っちを四つん這いにさせて、持ってたハンドクリームで後ろからぐっちゅぐちゅにしてやる。
手をすべすべに保ってた甲斐があったよねいろんな意味で。
あと、荒木が気持ち悪い。友達の性癖とか知るもんじゃないなー。

「木野っちの唇プニプニだ。もっとちゅーしよう、いっぱい」

さっきからずっとキスしてる。
木野っちの正面に座り込んだ荒木は甘々バカップルみたいな優しいキスしながらオナってる。
まじキモい。

「そろそろ入るかなー」
「やぁっ!あ、なにが……?」

指を回して中をぐりっとしたら、木野っちがかわいい声で喘いで後ろを振り向いた。

「ヤバい。我慢したくない」
「なにそれただのワガママじゃん!新美は鬼だね鬼畜だね、木野っち。痛いことしないであげてよ」
「荒木はうるさいね、木野っち。だから2人っきりでしたかったのにねー」

喋りながら自分のペニスにもハンドクリームを塗って少し扱く。

「あと、なにがってこれのことだけど」

見せつけるように木野っちのケツに擦り付けたら、ひって言った。

「にいみ」
「なーに、木野っち」
「っあの、それ、いたいの、やなの……」

おいおい何だいきなり。口調変わっちゃってるけど。

「おねがい、いたくしないで……きもちいのがいい……」
「……大丈夫」

こんなにかわいく言われると痛くしたくなるけど。まあそれはまた今度、二人の時に。それより早く挿れたくてしかたない。

「新美」

いよいよ先っぽ入るって時に、荒木が話しかけてきてまじクソ邪魔しやがって。

「立ちバックでヤってくんない?」
「は?ふざけんな。なんで荒木に体位決められなきゃなんないの」
「だってさぁ、木野っちのおちんちん舐めてあげたいから」
「お前……」
「いや違う!男に興味はねえ!だけどさ、かわいい木野っちのなら余裕で舐められるし、痛いの嫌だって言ってんだからそのくらいしてやってもいいじゃん」
「ああ、まぁね。じゃあ木野っち、立って机に手ついてみて」

木野っちはのろのろと立ち上がって、恥ずかしそうに内股になりながら机に手をつき、赤い顔で俺を見た。

「……こう?」
「かっ……!」
「かわいー!」
「そうそうそうそうそう!そのままじっとしてたら、いっぱい気持ちよくしてあげるからね!あーまじ最高だよ木野っち!」

荒木はぎゃあぎゃあ騒ぎながら嬉しそうに木野っちの前に跪いた。
俺ももうヤる気満々で木野っちの背後にまわる。

「挿れるからねー……」

アナのあたりにぐちゅぐちゅ先っぽを擦り付ける。女相手の時よくやるけど、木野っちもこれ気持ちいいかなー。

「あっあんっ、はぁっはぁ」

木野っちは手をついたまま呼吸を荒くした。

「気持ちいいの?」
「ん……いつ、いれられるのか、……ドキドキしちゃうの……」
「木野っち、えっちなことしたら喋り方変わっちゃうんだね」
「わかんない……」
「挿れたらどんな声出るの……?」
「ああぁん!」

先っぽ入った。

「あーやべー……もっと挿れたい」
「ああっ!入っちゃう!入っちゃうぅ……」
「だねー、入っちゃうね」
「あっ!んんっ……あぁ、にいみぃ」

木野っちはまた顔をこっちに向けた。

「にいみの……はいったの……?あっ!や、あらき、だめ!だしてぇ!」

は?

「やぁっ!ペロペロしちゃだめっ!」
「はー、萎える。木野っち、荒木なんかどうでもいいから俺に集中してよ」

なんか腹立たしい。
ピストンしちゃうんだからね。
待ってやらないからね。

「や、あぁっ!にいみ、やさしくして……あっあっ」
「どっちが気持ちいい?俺と荒木」
「木野っちかわいい。すげえ勃起してるし」
「それは俺の腰使いがうまいから」
「違うよね、俺の口が気持ちいいんだよね」
「ダメなの、ダメぇ……」
「はは、何がー。ってか、イっちゃいそう、やべーわ」
「木野っちのケツいい?」
「すげーいい。木野っちも気持ちいい?」
「んっ、……きもちい……」

ふはー。まじかわいいな。

「ねー、青戸のとどっちがいい?」
「は?青戸って?」

そっか、荒木は青戸が木野っちとヤってたこと知らねーんだった。

「木野っち、荒木に説明してやんなよ」
「や、だめ、いっちゃダメって、ゆったのに」

あ、黙ってるのと引き換えにヤってるんだった。

「あー忘れてたわ、はは」
「なぁ青戸って何?」
「木野っち、青戸ともヤっちゃったらしいよ」
「まっじで?!あの日か!」
「あいつほんとねーわー、裏切られたよねー。抱けんじゃん、男」
「まぁ男ってか木野っちは別格だけどね。ねえ木野っち、青戸うまかった?」
「どうなの?俺のと青戸のどっちが気持ちいい?」

後ろから木野っちの耳にキスをする。

「ぁん……」
「あら、かわいー声出たねー木野っち耳感じるの?」
「ねえ新美と青戸どっちがうまい?」

木野っちはもじもじしてからおもむろに口を開く。

「2人とも、じょうず……」
「はー?それもなんか微妙だわー」
「うはは、ウケるね木野っち。気ぃつかったのかな」
「ちがうの……だって、だいじな生徒だもん……ひいきとか、しないもん……」

はー?

「こんなことしててまだそんなこと言うの?生徒とこんなことしていいわけ?」
「だって……」
「いいよもう。黙って。中出しするから」
「うっわ新美最悪。木野っちも俺の口に出していいよ」
「荒木キモー」

いいや。もうイっちゃえ。荒木いるからイマイチ集中できないし。
今度また遊びに来よー。
すぐ目の前にある木野っちの耳に舌を突っ込んだ。

「あぁっ…」

木野っち耳弱いんだ。中すげー締まった。

「あー…木野っち…イくー」
「だめぇ!あんっ、なかにだしちゃ、いやぁ!」

なんなんだよこの木野っちどっから来たの。いつもと全然違うじゃねーの。

「ダメ…出ちゃう、中に…っ……あらきぃ、出ちゃう…」
「木野っちも、っは、イきそうなの?」
「イく…ん、にいみも、イく?」
「うん…俺も」

腰すげー動いちゃう。気持ちいい。

「あっぁっあっあんっあ゛っあぁっ」

ガクガク揺れる木野っちの体の向こうで苦しそうな声が聞こえる。
多分荒木が苦しんでる。
ざまぁ。

「やべっ出る、でるっ……あっ……」
「あんっ!ああぁっ!…や、…中に…あ、んっ……」
「うぐ」
「あーほんと…木野っちいいよ、大好き」

後ろからぎゅってしてほっぺにキスしてあげたら、木野っちが顔だけ横を向いて見上げて来たから、思わず口にもキスしちゃった。
しかも荒木が言ってた通り、すげーぷにぷにリップだったから舌も入れてみた。

「んん。木野っちいっぱい出たね、全部飲んだよ」
「え…荒木ごめん!大丈夫?」

気持ちよくキスしてあげてたのに、荒木の声で木野っちがちょっと元に戻ったから、俺もペニスを抜く。まだ元気っぽいけど。

「大丈夫だって。荒木変態だしキモいから」
「うるせえよ」
「でもごめん、俺……俺……」
「いや大丈夫だからさ、木野っち俺も挿れたいんだけど」

荒木が言った途端、チャイムが鳴る。はいタイムアップ。ウケるー。

「ええっ!まじかよ!」

悔しがる荒木。ウケるまじで。

「木野っちさ、今のままだったら青戸と新美だけひいきじゃん。俺ともヤるよね、今度でいいからさ、ね、ヤるよね?」

もう必死。荒木必死。キモいから。

「う、うん…お前がしたいなら…」

木野っちは戸惑いながらもはっきりと言った。

木野っちってちょっと倫理観とかなんか狂ってる。絶対どっか変だから。こんな先生ダメじゃね。
ダメで、かわいい。
でもま、俺も今日で終わるつもりないし。
次は2人っきりでヤろう。



「青戸ー」

放課後、何事もなかったような顔をして青戸に近づく。
HR終わったばっかりだから木野っちはまだ教室にいて、他のやつと話してた。
不自然なほど顔を近づける俺に、青戸がなんだよって顔で見てくる。
硬派そうな顔しやがって。どんな流れで木野っちに欲情したんだよアホ。
友達としてはいいやつだと思うけど。

「なー、お前こないだ木野っちとヤったんだって?今日木野っちから聞いた。後ろから突っ込みながら。木野っちのケツいいねー、すげー出しちゃった、中に」

ぼそぼそと言ったら青戸はものすごいしかめっ面をした。
俺は、木野っちはお前だけのじゃねーからなって宣言したかっただけだ。

「お前だけに独占させねーから」
「……別に。そんなつもりない」
「多分近々荒木もヤると思うよー。今日は木野っちの精子飲んで終わったけど」

追い討ちをかけるつもりで言ったら、青戸はまんまとぶちギレた。

「……てめえ」
「まー、最後に誰を選ぶかは木野っちが決めることだからね。俺らは仲良くしてようよ、木野っちのかわいい教え子としてさー」

ふと見ると、木野っちは気遣わしげにこっちを見ていた。
大丈夫だよ。
俺らちゃんと友達だから。木野っち奪われたくらいじゃ友情崩壊しないから。
だからちゃんと1人選んでねー。
俺は譲るつもりないけどね。



 *



どうしよう。
青戸に続いて今日は新美ともえっちなことをしてしまった。
荒木にも予約されちゃったし。
生徒の気持ちが全然わからない。俺が若いころなんか、男とえっちするなんて考えもしなかったよ。
流行ってるの?同性の先生とえっちするの。
若い子の考えることはよくわかんない。





-end-
2013.2.3
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