ep.09 君は水鉄砲で僕の平穏を撃つ(後編)
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「なんて良い眺めなんだ…。」
日向と影山のテスト対策を早々に終わらせて、山口が男子バレー部の部室から出ると、二階廊下の柵から向こうを眺めている田中と西谷の背中があった。
何を見ているのだろう———気になって探した彼らの視線の先では、名前と清水が第二体育館外の階段の途中に腰かけてお喋りをしている。
濡れていた制服は部活の間に乾いたらしく、名前は着替えを済ませていた。借りた体操服は、明日返すと月島に言っているのをチラリと聞いた。
どうやら、彼らは美人な先輩2人を眺めてうっとりしていたらしい。
確かに、月明かりに照らされた美人は美しい。
「おつかれさまでしたー。」
田中たちのことを気にも留めず、月島が山口の隣を通り過ぎていく。
彼は、本当に全く、清水のいつも通りの美しさにも、思いがけず出会えてしまったもう一人の美人の先輩にも興味がないようだ。
「待ってよ、ツッキー!」
山口は月島を追いかける。
さらにその後ろから、菅原の声が追いかけてきた。
「山口、月島!帰りに澤村が肉まん奢ってくれるって!
一緒帰ろうぜ~!」
楽しそうな菅原の声に続くように、部室から続々と部員達が出てくる。
彼らの会話から、澤村が清水と名前も誘っていることを知った。
「ツッキー、僕達もキャプテンたちと一緒に帰ろう!」
「…分かった。」
少し面倒臭そうにした月島だったが、断る理由を見つけられなかったのか、渋々という様子で頷いた。
それでもいい。
山口は心の中でガッツポーズをする。
今日、名前はずっとマネージャーの手伝いをしていた。他の部員とはその途中で時々喋ったりしていたようだった。
ほとんどの部員はマッサージもしてもらっていた。
でも、山口はまだ一度も名前と話していない。たぶん、名前どころか存在すら気づかれていない。
彼女と何かあればいい———と期待しているわけではない。
けれど、せっかくなら、知り合いになりたい。
月島は、興味がなさそうだけれど————。
日向と影山のテスト対策を早々に終わらせて、山口が男子バレー部の部室から出ると、二階廊下の柵から向こうを眺めている田中と西谷の背中があった。
何を見ているのだろう———気になって探した彼らの視線の先では、名前と清水が第二体育館外の階段の途中に腰かけてお喋りをしている。
濡れていた制服は部活の間に乾いたらしく、名前は着替えを済ませていた。借りた体操服は、明日返すと月島に言っているのをチラリと聞いた。
どうやら、彼らは美人な先輩2人を眺めてうっとりしていたらしい。
確かに、月明かりに照らされた美人は美しい。
「おつかれさまでしたー。」
田中たちのことを気にも留めず、月島が山口の隣を通り過ぎていく。
彼は、本当に全く、清水のいつも通りの美しさにも、思いがけず出会えてしまったもう一人の美人の先輩にも興味がないようだ。
「待ってよ、ツッキー!」
山口は月島を追いかける。
さらにその後ろから、菅原の声が追いかけてきた。
「山口、月島!帰りに澤村が肉まん奢ってくれるって!
一緒帰ろうぜ~!」
楽しそうな菅原の声に続くように、部室から続々と部員達が出てくる。
彼らの会話から、澤村が清水と名前も誘っていることを知った。
「ツッキー、僕達もキャプテンたちと一緒に帰ろう!」
「…分かった。」
少し面倒臭そうにした月島だったが、断る理由を見つけられなかったのか、渋々という様子で頷いた。
それでもいい。
山口は心の中でガッツポーズをする。
今日、名前はずっとマネージャーの手伝いをしていた。他の部員とはその途中で時々喋ったりしていたようだった。
ほとんどの部員はマッサージもしてもらっていた。
でも、山口はまだ一度も名前と話していない。たぶん、名前どころか存在すら気づかれていない。
彼女と何かあればいい———と期待しているわけではない。
けれど、せっかくなら、知り合いになりたい。
月島は、興味がなさそうだけれど————。