ep.08 君は水鉄砲で僕の平穏を撃つ(中編)
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「お!いい感じ~!」
第二体育館の外、青空の下で、名前が、短いスカートの裾を伸ばすように引っ張って満足気な笑みを浮かべた。
大きすぎた体操服の裾は、スカートのウェスト部分に押し込んで、なんとか誤魔化した。
それでも、上半身がだいぶブカブカの状態になっているが、スカートが隠れてしまう状態よりはだいぶマシになった。
濡れたシャツとキャミソールは、清水のそれの隣に一緒に干した。
部活が終わる頃には、お互いに渇いたシャツで帰れるはずだ。
「それでは、なんなりとご指示を!」
名前が気取った言い方をして、右手のひらをまっすぐに伸ばして額に当て、敬礼のポーズをとる。
部活がある清水とは違い、シャツが渇くまで時間を潰す必要が出た名前が、マネージャーの手伝いを自ら志願してくれたのだ。
とは言え、今までもずっと一人でやっていたことだ。特に、何かをしてほしいことがあるというわけでもない。
「じゃあ…、ボール出しをお願いしてもいい?」
「了解しました!」
名前は真面目な顔で言うと、最後にニシシと笑った。
屈託のないそれが、日向のそれと重なる。
第二体育館の中に入ると、鵜養コーチも来ていて、今日の練習についての説明が始まっていた。
「名字さん、こっち。」
清水は、名前を手招きで呼ぶ。
彼らの邪魔をしないように中に入ったつもりだったのだが、ひとり、またひとり、と部員達が名前の姿に気付き、チラチラとこちらを見ていた。
練習の説明も終わると、部員達の視線が気になったらしい鵜養コーチまで清水と名前の方を見た。
そして——。
「あー!!お前…!!水鉄砲不良娘!!」
目を丸くして驚いた鵜養コーチが、名前を指さして叫んだ。
その声にビックリしたのか、彼女の小さな身体がピョンッと跳ねた。
「あ!!坂ノ下商店の怖いお兄さん…!!」
名前も鵜養コーチがしたように、彼を指さして叫んだ。
彼女も彼に見覚えがあったらしい。
「水鉄砲不良娘って何ですか?」
訊ねたのは菅原だった。
第二体育館の外、青空の下で、名前が、短いスカートの裾を伸ばすように引っ張って満足気な笑みを浮かべた。
大きすぎた体操服の裾は、スカートのウェスト部分に押し込んで、なんとか誤魔化した。
それでも、上半身がだいぶブカブカの状態になっているが、スカートが隠れてしまう状態よりはだいぶマシになった。
濡れたシャツとキャミソールは、清水のそれの隣に一緒に干した。
部活が終わる頃には、お互いに渇いたシャツで帰れるはずだ。
「それでは、なんなりとご指示を!」
名前が気取った言い方をして、右手のひらをまっすぐに伸ばして額に当て、敬礼のポーズをとる。
部活がある清水とは違い、シャツが渇くまで時間を潰す必要が出た名前が、マネージャーの手伝いを自ら志願してくれたのだ。
とは言え、今までもずっと一人でやっていたことだ。特に、何かをしてほしいことがあるというわけでもない。
「じゃあ…、ボール出しをお願いしてもいい?」
「了解しました!」
名前は真面目な顔で言うと、最後にニシシと笑った。
屈託のないそれが、日向のそれと重なる。
第二体育館の中に入ると、鵜養コーチも来ていて、今日の練習についての説明が始まっていた。
「名字さん、こっち。」
清水は、名前を手招きで呼ぶ。
彼らの邪魔をしないように中に入ったつもりだったのだが、ひとり、またひとり、と部員達が名前の姿に気付き、チラチラとこちらを見ていた。
練習の説明も終わると、部員達の視線が気になったらしい鵜養コーチまで清水と名前の方を見た。
そして——。
「あー!!お前…!!水鉄砲不良娘!!」
目を丸くして驚いた鵜養コーチが、名前を指さして叫んだ。
その声にビックリしたのか、彼女の小さな身体がピョンッと跳ねた。
「あ!!坂ノ下商店の怖いお兄さん…!!」
名前も鵜養コーチがしたように、彼を指さして叫んだ。
彼女も彼に見覚えがあったらしい。
「水鉄砲不良娘って何ですか?」
訊ねたのは菅原だった。