如月

あー、１０（てん）２４（にょ）か！

穂積

いつも思うけど、そういう語呂合わせって、よく考え付くわよねえ。

翼

天女って、天で暮らしている女の人ですよね。

藤守

たまーに、下界に降りて来る事もあるんやで。

小笠原

地上に降りた天女が水浴びをしている時に、男が着物を隠してしまう、いわゆる羽衣伝説は世界各地にあるよ。

明智

それで、天に戻れず困っている天女を、半ば強引に妻にしてしまうんだったかな。

如月

オレの記憶にあるのは、子供も生まれてしばらくしてから、タンスの奥に隠してあった羽衣を見つけて、天に帰っちゃう話ですよ。

翼

小春ちゃんの地元では、羽衣を見つけた漁師が、天女に羽衣を返す代わりに、富士山を背景にして天上の舞を見せてもらった話になっているそうですよ。

穂積

他と比べてのんきなのは県民性かしら。

小春

返さないバージョンもあるらしいですけど。

小笠原

羽衣の発見者が男じゃなくて老夫婦の話もあるし、意外とバリエーション豊かだよ。

小野瀬

全体的に、天女って、子供には情があっても、夫に対してはドライなんだよね。

穂積

服を隠して天女をむりやり我が物にしちゃうような男が、本気で愛してもらえるわけがないじゃないの。

如月

そりゃそうですね。

小野瀬

穂積ならどうする？

穂積

ワタシなら正々堂々、天女に「アンタが本気でワタシに惚れるまで、羽衣は預かるわ」って言うけど？

小野瀬

どこが正々堂々なんだよ。

翼

でも言いそう。

藤守

あと、なんでオネエのままなんですのん。