##IMGU60##明智

拝啓

行く年を惜しみながら新しい年に希望を馳せる今日この頃、

サンタクロース様におかれましては、お忙しいながらもお健やかにお過ごしの事と存じます。

さて、このたび、私どもの櫻井が、サンタクロース様の代理人にご選出いただいたと申しておりました。

誠にありがとうございます。

櫻井は、若く、まだ刑事としては未熟ですが、向上心があり、周囲への気配りも出来、素直で信用のおける人物であります。

だからこそ、サンタクロース様の代理人という栄えあるお仕事に携わる機会を頂けたのではないだろうか、と、僭越ながら拝察致し、喜ばしく思っております。

申し訳ございません。前置きが長くなってしまいました。

今回はその櫻井を通して、プレゼントの希望をお聞き届け願えると伺いました。

間もなく三十路を迎える男が、サンタクロース様のお手を煩わせるなど面映ゆいのですが、せっかくのご厚意でございますので、お願いさせていただきたく存じます。

サンタクロース様と言えば、今や煙突があろうと無かろうと、仏教徒であろうと不信心者であろうと、世界中の人類に夢と希望を届けてくださる、自分にとっては、もはや人智を超えた、神の如く思われる存在であります。

そのような方であればこそ、敢えてお願い申し上げたい事がございます。

他でもございません。

自分の三人の姉の行く末でございます。

単刀直入に申し上げれば、あの姉たちに、良き伴侶をお与え頂きたいのでございます。

そのような奇特な方がどこかに三人、もしもこの世に居られるのであれば、何卒、我が姉たちとご縁を結んで頂きたく、伏してお願い申し上げる所存です。

この上ない難題であろうとは存じますが、何卒、何卒、お聞き届けくだされば幸いでございます。

現在の自分には、それ以上の高望みはございません。

サンタクロース様もご多忙とは存じますが、寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。

今年のお勤めを果たされた後は、どうぞ穏やかな年末年始をお過ごしになられますよう、心よりお祈り申し上げます。
敬具

２０２２年１２月２０日


明智誠臣

サンタクロース様