むかーしむかし、あるところに、少し引きこもりだけど心優しい、諒お兄さんネズミが住んでいました。

諒お兄さんネズミのお家はお金持ちで、お父さんネズミもお母さんネズミも、諒お兄さんネズミには世界一のお嫁さんを探してあげたいと思っていました。

##IMGU63##諒お兄さんネズミ

世界一のお嫁さんってどこにいるの？


お嫁さんを探す旅に出た諒お兄さんネズミでしたが、すぐに疲れてお腹が空いて、倒れてしまいました。

すると、そこへ通りかかった翼ネズミが、諒お兄さんネズミを助けたうえに家で休ませてくれました。

諒お兄さんネズミは、優しくしてくれた翼ネズミに尋ねました。

##IMGU63##諒お兄さんネズミ

ねえきみ、世界で一番偉いのは誰だと思う？

##IMGLU83##翼ネズミ

一番偉いのは太陽じゃないかしら？

##IMGU63##諒お兄さんネズミ

そう？

じゃあきみ、ちょっと太陽のところに行って、僕のお嫁さんになってもらえないか、聞いてきてくれないかな。

##IMGLU83##翼ネズミ

私が行くんですか？


優しい翼ネズミは、面倒臭がりな諒お兄さんネズミの代わりに、太陽のところへ行って尋ねました。

##IMGLU83##翼ネズミ

太陽さん、太陽さん。

諒お兄さんネズミのお嫁さんになってもらえませんか？

##IMGU61##穂積太陽

ああら。

なかなかお目が高いわね。

だけど、ワタシより、ワタシの輝きを遮ることが出来る、雲の方が偉いんじゃないかしら？


諒お兄さんネズミに太陽の返事を伝えると、諒お兄さんネズミは、「ふうん？じゃあ、雲に、僕のお嫁さんになってもらえないか、聞いてきてくれないかな」と言いました。


翼ネズミは、次に雲のところへ行って、聞いてみました。

ところが雲は、

##IMGU65##小野瀬雲

やあ可愛いネズミのお嬢さん、どうしたの？

……一番偉いのは雲？

ははは、とんでもない。

雲を吹き飛ばしてしまえる、風さんの方が偉いよ。

##IMGLU83##翼ネズミ

なるほど。

##IMGU63##諒お兄さんネズミ

じゃあ、風に聞いてきて。


自分からはちっとも動こうとしない諒お兄さんネズミに頼まれるまま、翼ネズミはお嫁さん探しを続けました。

##IMGU60##明智風

確かに風は強くて偉いが、頑丈な壁には敵わない。

##IMGU62##藤守壁

そら、風を防ぐことは出来るけどな。

壁に穴を開けてしまう、ネズミの方がよっぽどえらいで。


翼ネズミがその事を諒お兄さんネズミに伝えると、諒お兄さんネズミは言いました。

##IMGU63##諒お兄さんネズミ

なあんだ。

じゃあ、きみを僕のお嫁さんにするよ。


けれど、諒お兄さんネズミの求婚は、翼ネズミに断られてしまいました。

諒お兄さんネズミは心を入れ替え、身勝手さと引きこもりを治す事を約束しました。

こうして、諒お兄さんネズミはようやく、世界一のお嫁さんをもらう事ができたのでした。

＊＊＊

##IMGU63##諒お兄さんネズミ

でもさ、ネズミより猫の方が強くない？

##IMGLU83##翼ネズミ

食べられちゃってもいいんですか？

高望みは禁物ですよ。


こうして、このお話は、ほどほどのところで、めでたしめでたしと終わるのでした。