突然現れた小笠原から、愛する夫誠臣が、自分に対して秘密を抱えている事を知らされた翼は、夕暮れの街をあてもなくさまようのであった。

☆☆☆

##IMGU64##如月

あれ？

翼ちゃんじゃん！


声をかけてきたのは、翼と年頃の近い、童顔の青年。


##IMGLU83##翼

あっ、『同じ高校の先輩で、誠臣さんとは柔道部の後輩にあたり、その関係で翼とも面識のあった』如月さん！


不安な時にタイミングよく現れた知人の笑顔に気が緩み、翼は、小笠原から聞いた話を如月に打ち明けてしまうのだった。


##IMGU64##如月

……へえ、そんな事があったんだ……

まあ、でもさ、ほら！

誰でも秘密のひとつやふたつ、持っているものじゃない？

旦那さんの事、許してあげなよ！

##IMGLU83##翼

そうですね……

##IMGU64##如月

小笠原さんの話が本当かどうかも分からないうちから、旦那さんを疑うのはよくないよ。

##IMGLU83##翼

……それもそうですね。

ありがとう、如月さん。

私、私は彼に秘密なんかないのに……って思ったら、なんだか、もやもやしちゃって……

##IMGU64##如月

じゃあ、俺の秘密も教えてあげる。

##IMGLU83##翼

如月さんにも秘密が……？


如月が翼を誘ったのは、繁華街から少し離れた通りにある怪しげなガールズバー。

ちょっと待ってて、と店の奥に消えた如月は、数分後、ややケバ……美しい女性に扮して現れた。


##IMGU64##如月

これが俺の秘密だよ！

店では、ベッキー、って呼ばれてるんだ！

##IMGLU83##翼

とても綺麗です。

##IMGU64##如月

ありがとう。

……ねえ、翼ちゃん？

俺の秘密を教えたんだから、翼ちゃんの秘密も教えて？

##IMGLU83##翼

えっ……？

わ、私、人に知られて困るような秘密なんて、持ってなくて……

##IMGU64##如月

……じゃあさ、俺と、秘密を、作ろう？

##IMGLU83##翼

えっ、ち、近いですよベッキ、如月さん？！

##IMGU64##如月

可愛い唇だね。

##IMGLU83##翼

きゃあっ？！

☆☆☆

どうなる翼？！