##IMGU61##穂積

翼、夕飯の片付け終わったか？

そうか、ありがとう。

風呂に湯を張ったから、先に入れ。

##IMGLU83##翼

わあ、嬉しい！

今日は風が強かったから、埃っぽくて嫌だなと思ってたの。

ありがとう！

あ、でも、泪さんより先に入るのは……

##IMGU61##穂積

いいから、いいから……何だその顔。

##IMGLU83##翼

……覗きに来たりしない？

##IMGU61##穂積

ちょっとだけ行く。

##IMGLU83##翼

いつも、そう言って入って来るんだから！

##IMGU61##穂積

今日は、本当にちょっとだけだ。

さあ、入れ。

湯船に浸かったら呼べよ。

##IMGLU83##翼

もう、強引なんだから……

いいもん、裸を見られないように、濁り湯の入浴剤入れちゃうもん。

あれ？

入浴剤がひとつも無い？

泪さーん、いつもの所に入浴剤が無いんだけど……

##IMGU61##穂積

お待たせ。

ほら、今日の入浴剤はこれだ。

##IMGLU83##翼

え、何？

あ！

これ、桜の花？！

うわあ、素敵！

湯船が桜でいっぱい！

でも、こんなにたくさん、どうしたの？

##IMGU61##穂積

今日、桜の下を歩いてたら、頭の上に桜の花が落ちてきてな。

よく見たら、木の周りにたくさん、花が落ちてるんだよ。

満開の手前だから散るには早いし、風も無いのに。

不思議に思って桜の木を見上げたら、枝に小鳥がたくさんいてな。

そいつらが、嘴で桜の花を摘まんでは、次々に落としてるんだ。

たぶんだけど、蜜を吸うか、柔らかい部分だけ食べるかして、終わると落とすんだな。

だから、落ちたばかりの綺麗なやつだけを、ハンカチに拾い集めてきたってわけだ。

##IMGLU83##翼

へえぇ……

泪さんって、そういうところに気付くのが凄い。

それに、わざわざ拾い集めてきてくれたなんて、嬉しいな。

ありがとう！

ふわふわ浮いてて可愛いし、ほんのり桜の香りがして……春が来たんだな、って感じ。

##IMGU61##穂積

そうか。

気に入ったなら、良かった。

じゃあな、のんびり楽しんでから出て来い。

##IMGLU83##翼

え？

泪さん、行っちゃうの？

##IMGU61##穂積

お前は、俺と入りたいのか、入りたくないのか、どっちなんだ？