名前：ジュン
本文：JS、こんばんは。

家がほしいなんて少し意外な感じ。

でも、いいね。隠れ里の家。

季節の時は捜査室のみんなが訪ねてきてくれるの。

俳句や川柳は、JSならすぐにマスターしちゃいそうだね。

名前：ＪＳ
本文：
ジュンさんこんにちは。

そうか、ジュンさんや捜査室のみんなが集う場所になってくれたら嬉しいなあ。

年を重ねて、僕も彼らも引退して、花を見ながら、思い出話にも花を咲かせる。

とてもいいね。

彼らの老後も想像できないけれど、僕は今の姿のままだったりして。

少し前向きに修正してみよう。



　　友来る蝶成る里の



最後のごーが出ないなあ。

名前：冬子
本文：
ほほう、いいですね。

平屋。日本家屋でしょうか。古い家だけど手入れが行き届いてて柱とかあめ色になってるのとか好きです。

四季折々の花を植えて、どの季節でも楽しめるお家にしましょうよ。

私に小さなお部屋を一室ください。お庭を見ながら着物着て「梅、桃、桜、藤の花～♪」とか歌い踊ります。

最近始めたことといえば、数学をやり直したいと思って始めたんですけど、どうも算数からアヤシイみたいなので、JSのお家で小さな机を買ってもらって算数のドリルをやります。それでカタカナとか復習のお手伝いをするかわりに数学を教えてください。JSって頭良さそうだし。

あ、短歌ね。むかーし、上手でしたよ。賞とかとったことあります。

どうですか？二人で桃源郷で歌い踊って、だらけてばかりだと頭のネジがゆるんじゃうから教養も身に着けましょうよ～～

名前：ＪＳ
本文：
冬子さん、こんばんは。

歌ったり踊ったり勉強したり、きみと暮らすのは楽しそうだね。

でも、そこは春の家。

もっと言うなら、花桃と桜を楽しむための家。

そう、桃源郷とは言い得て妙だ。

花が散り葉桜になる頃には、僕はおそらくもうそこにはいない。


家を買うのは楽しいよ。

僕にとって家は拠点であって、終着点ではない。

所有するものではあっても、維持するものではない。

時間を遣り過ごす場所であって、暮らし続ける場所ではないんだ。

だから、その場所が最も美しい季節にそこに住み、成すべき事を成し、満足したら、まだ美しいうちにそこを去る。

そんなふうに僕は旅を続けている。

今の家が気に入ったなら、そこはきみにあげるよ。

そうして気が向いたら、またその家を訪れるかもしれない。


きっと、桜の咲く頃にね。



　　塵芥積もるのを見ず


　　花散る里の胡蝶去りゆく



まん中のごーが出ないなあ。

……季語ってなんだっけ……