『非公式Twitter』

地獄の?夏合宿・小野瀬~番外編『そうだ、海へ行こう』より~

2015/08/13 11:01

 合宿の話を聞いた日の終業後。

 帰宅しかけていた私の携帯に入ったのは、小野瀬さんからのメール。


##IMGU65##

『お疲れさま。今日は早く帰れそう?こちらはそろそろ夜の部に突入。翼のコーヒーのおかげでがんばれるけど、キス付きだったら深夜の部も乗り切れるかも』


(……差し入れに来て欲しいという事なのかな?)

 そう考えて、とりあえず夕食とドリンク剤を買った私は、警視庁に戻って小野瀬さんのラボに向かった。

 小野瀬さんは喜んで迎えてくれて、早速、『深夜の部も乗りきれる差し入れ』を求めてくる。


##IMGU65##

鑑識の、他のやつらにはしばらく戻ってくるなと言ってある。

今頃は指紋や遺留品とデートしてるさ。

だから今は翼と俺のふたりきり。


 差し入れ、にしては濃厚すぎる口づけと甘い囁き。


##IMGU65##

合宿の夜、俺は翼と一緒にいたいな。

一晩中、裸で抱き合ってデカダンスに浸るとか、どう?


 角度を変えて浅く深く、何度も何度も繰り返されるキス。

 小野瀬さんに流されるまま、ソファに押し倒され、抱き締められた時。

 ドアに、小野瀬さんに鑑識作業の質問をしに来た職員の、ためらいがちなノックの音がした……

*****


仕切り直して、改めて合宿の話。

先ほど室長に「今年は自由参加でいいわよ」と言われ、なんだか心もとない顔をしていた小野瀬さん。

小野瀬
「基本的に鑑識は合宿を免除されてるけど……穂積は毎年、何かと理由をつけて俺のことを連れて行こうとするんだ」

小野瀬
「だから逆に、来なくていいなんて言われると、何でだよって居心地が悪くなる」


「そうなんですか?」

小野瀬
「例えばさ、悪口を言うのって、仲が良くないとできないと思わない?」

小野瀬
「だって、その人のことを知らなかったら悪口も言えないでしょ?」


「それは……そうですけど」

小野瀬
「遠慮しないのがあいつのいいところなんだ。だからまた合宿でも、俺のことをこき使うつもりなんじゃないか?」


そう言って笑う小野瀬さんを見ながら、私は、最終的に「たとえ嫌だって言ったって、私の補佐としてもめいっぱい働いてもらうから、そのつもりで」と室長に言われた時、「なんだよそれ」と文句を言いながらも、まんざらでもない風だったさっきの小野瀬さんの顔を思い出して、こっそり微笑んだ。

*****

合宿二日目。

私は施設内の射撃場で、射撃訓練の拳銃の番号を控えたり、ターゲットシートを片づけたりする係をしていた。

明智
「今日は捜査課と合同だっけ」

明智さんが拳銃を構えた。

今日は32口径の拳銃で、ターゲットへの命中率で評価されることになっている。

明智さんが打ち尽くした弾丸はすべてターゲットシートの中心から3番目の円に納まっていた。

命中率は80%を超えている。合格点を楽々クリアするポイントだった。


(でも明智さん、前よりずいぶん落ちたような……)

手元のファイルを見ると、前回の成績は96%。


(仕事続きで疲れてるのかな……)

(そしてこのパターンは……(←小春の心の声))

すると、

「元SATで特命捜査室のエースとはいっても、実力はそんなもんか」

因縁をつけてきたのは、捜査一課で凄腕と言われている刑事。

刑事
「しょせん、オマケみたいな部署に移されるってことは、その程度の……(中略)……俺と勝負しろ。俺が勝ったら、特命捜査室なんて余計な部署は解散するよう、上層部に直訴してやる」

明智
「いいだろう。だがもし俺が勝ったら、今後一切、捜査室には口出ししないで欲しい」

というわけで、明智さんと一課の刑事は対決する事になってしまった。

二人が並んで構える。

電子音
『第3レーン91%……第4レーン88%……』

僅差で明智さんの勝利だった。

凄腕
「チッ……命拾いしたな……」

明智
「結果は結果だ。失礼」

レーンを離れた明智さんは係官を呼びとめ、拳銃を手渡しながら言った。

明智
「その銃のシリアル番号を控えておいたほうがいい。銃身がゆがんでるし照準が合ってない。調整が必要だ」

それを聞いた係官の顔色が変わった。

係官
「…え?おい、ちょっと……」

渡された銃を確認した係官は慌てた声で叫ぶ。

係官
「こんな銃でまともに撃てるわけがない!この状態で91%なら、調整さえしてあればほぼ100%だったんじゃ……一体どうすればこの銃であれだけの命中率が……!?」

勝負を挑んできた捜査課の刑事も呆然と立ち尽くしている。


「あ、あの……明智さん、どうして銃を替えなかったんですか?」

私は、射撃場を出て行こうとしていた明智さんに声をかけた。


「そうすれば記録だって……」

明智
「犯人と向き合った時、その言い訳が通じるかな」


「……え?」

明智
「いつも銃のコンディションが100%だとは限らない。銃のせいにはできないからな」

明智さんは表情ひとつ変えずに肩をすくめ、後ろを振り返ることなく射撃場を出て行った。

*****


射撃訓練の後。

小野瀬さんに呼び出された私は、誘われるままタクシーに乗り、なんと、東伊豆の高級ホテルの最上階スイートルームに連れて来られていた。

ルームサービスのシャンパンを手にすれば、窓の外に見事な花火が上がる。

小野瀬
「人生は短い。だけど夜は長い。……俺たちの夜に」

小野瀬さんがグラスを掲げる。

小野瀬
「ホテル、と聞いてきみは違う事を期待したようだけど」

顔を赤らめる私に、小野瀬さんは微笑んだ。

小野瀬
「違う?……俺は、期待しているよ。人生は長い。だけど、夜は短いからね」


*****


葵さん。

いつも素敵な演出をありがとう。

あなたと過ごす時間は、本当に短く感じます。

抜け出して会瀬を楽しんだ事が室長にバレても、

「向こう3カ月、内容の如何を問わず、要請があったら捜査室に協力すること。それで今回の件は不問にするってさ。そんなのいつもやってることなのに」

平気なんだから、凄い。

「ふたりっきりで来るのもいいけど、みんなの目を盗んで会うのもスリリングで楽しいってことに気づいた」

なんて、悪戯っぽく言うけれど、その眼差しは妖艶で。

あなたって本当に、アブナイ。
追記
名前:ジュン
本文:小野瀬さん、こんにちは。

小野瀬さんは鑑識なのにいつも室長に引っ張られて大変ですね。

しかし、明智さん、格好いいですね!

さすがSATの元エースです。

言い訳しない姿勢も格好いいし。

でも、抜け出すのもスリリングで楽しいなんて小野瀬さんもまだまだヤンチャですね。

名前:櫻井翼
本文:
ジュンさん、こんにちは。

明智さん、男らしくて素敵ですよね!

小春ちゃんもキャーキャー言ってました。

小野瀬さんは、鑑識なのに室長に厄介事に巻き込まれて、大変。

でも今回みたいに、巻き込まないよと言われるのも、寂しい。

男心は複雑ですね。

それにしても小野瀬さんて、室長の事、好きすぎ(笑)

名前:エミ
本文:
こんにちは。

あの時の室長、好きなコに意地悪しちゃう悪ガキみたいでしたよね~。

ツンツン室長に狼狽えちゃった小野瀬さんも私の好物です。むふっ♪

明智さんは超カッコよかったです!

名前:せつな
本文:
小野瀬さーーーん!こんにちは~(≧◇≦)ノシ



>(そしてこのパターンは……(←小春の心の声))

デター! 1st金太郎飴パターン(大笑)
ワタクシ、すでに前夜の鑑識イチャイチャシーンで呟きましたとも。

この番外編は、全部?この展開なんですね(∩´∀`)∩
で、合宿の夜のイチャコラは成功すると。(バレて脅されるけど)納得しました♪

小野瀬さんとスイートか・・・(*ノωノ)ウットリ

おっと、翼c。
初合宿なのに、『葵』って呼んじゃダメでしょ←アオイストせつなの拘り(シツコイ)


それにしても、この番外編は、サブ?のキャラのカッコよさが半端ないですね~~!

明智さん・・・、この大人でプロな覚悟がまた素敵すぎる( *´艸`)
今、1、2、1.5を周回してるので、尚更惚れ直してしまうわ!!!


今回、小野瀬さんが、かなーり臆面も無く愛を囁き、恋愛を楽しむ部分を出しちゃうのも、番外編ならではって感じでキャーキャーしてしまいました(≧∇≦)

・・・え?割といつもの小野瀬さん?   失礼しましたm(__)m

名前:穂積泪
本文:
こらエミ!

気色悪いこと言うんじゃねえ!!

名前:櫻井翼
本文:
せつなさん、こんばんは。

「番外編の小野瀬さんはもれなくエロ数割増」と言ったのは小春ちゃんだったか誰だったか。

もう、困っちゃいますよね。

(小春注※この合宿では基本、敬語×名字呼び。恋人モードになると名前+さん付けただしなぜか藤守さんはくん付け)

でも、すぐに「葵って呼んで」って言うから、困ってしまってつい、「葵さん」って……

すみません、のろけてるんじゃないです……////。

名前:冬子
本文:
番外編は毎日内容が濃い

おかげで夢と妄想の世界をたゆたう冬子…

いや、もとからか

小野瀬さんってそういえば部署が違うんですよね、いまさらながらそう感じました

職場恋愛も部署が違うとまた少し違いますよね

翼ちゃん毎日ラブラブでうらやましい

そしてサブのはずの明智さんがやたらかっこいい

コメント

コメントを受け付けていません。